電動スライダ
生産ラインの自動化や精密機器の組立など、多岐にわたる現場で活躍している電動スライダ。
しかし、実際に導入を検討する段階になると、「どんな種類があって、どう選べばいいのか」「電動アクチュエータとは何が違うのか」など、疑問が尽きない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、電動スライダの基本情報から、具体的な選び方のポイント、そしておすすめメーカーの比較までを幅広く網羅し、読み終える頃にはご自身の用途に合った電動スライダのイメージがつかめるよう構成しています。
ぜひ最後までご覧いただき、電動スライダ選定のヒントを見つけてください。
目次
電動スライダとは? 特徴や活用例などを解説
「電動スライダ(electric slider)」とは、モーターを動力源として直線運動を制御するための装置の総称です。
一般的にはボールねじやリニアガイドを用いて、滑らかな直線動作と高精度な位置決めを実現します。
プログラム制御によって繰り返し運転も簡単に行えるため、製造業から医療機器、搬送システムまで幅広い分野で利用されています。
電動スライダのメリットとしては、油圧シリンダや空圧シリンダと比べて静音性や清潔性に優れる点です。また、細かな速度制御や位置決め制御も可能で、品質向上や作業効率化に貢献するでしょう。
一方、デメリットとしては、初期導入コストや制御システムが必要になることなどが考えられます。
次のセクションでは、この電動スライダをどのような種類に分けられるのかを詳しく見ていきましょう。
駆動方式で種類分けをして電動スライダを紹介
本章では、電動スライダを「ボールねじ式電動スライダ」、「リニアモーター式電動スライダ」、「ベルト駆動式電動スライダ」の3種類に分けて紹介します。
ボールねじ式電動スライダ
ボールねじ式電動スライダは、ボールねじとナットの間に鋼球を挟み、摩擦を極力抑えながら回転運動を直線運動に変換する構造です。
リニアモーター式電動スライダ
リニアモーター式電動スライダは、回転運動を経ずに直接リニアモーターがスライダを動かす方式です。
ベルト駆動式電動スライダ
ベルト駆動式電動スライダは、タイミングベルトなどを介してモーターの回転を直線運動に変換する方式です。
それぞれの電動スライダには異なる特性やメリット・デメリットがあるため、導入環境に適した種類を選ぶことが重要です。次は、電動スライダの内部構造を詳しく見ていきましょう。
電動スライダの構造を解説
電動スライダは、モーター部、伝達機構(ボールねじ、リニアガイド、ベルトなど)、およびスライダ本体で構成されます。
モーターで生み出された回転力を伝達機構が直線運動に変換し、スライダ本体を動かす仕組みです。さらに、精密な位置決めを行うため、エンコーダやセンサが組み込まれている場合が多く、高精度な制御を可能にします。
上記のような構造を把握することで、メンテナンス箇所や導入時の設計ポイントが明確になるでしょう。
次は、電動スライダと電動アクチュエータの違いについて確認し、用途に応じた使い分けを考えてみましょう。
電動スライダと電動アクチュエータの違いは?
電動スライダと電動アクチュエータは似た機能を持つことから混同されがちですが、それぞれ目的や構造に違いがあります。
一般的に電動アクチュエータは、直線運動だけでなく回転運動や複合的な動作にも対応できる製品が含まれるため、より広義の概念といえます。
一方で、電動スライダは直線運動に特化し、高い位置決め精度を追求するケースが多いです。
つまり、精密な直線運動だけを重視する場合は電動スライダ、回転運動や複雑な動きを含む場合は電動アクチュエータといったように、目的や用途に合わせて使い分けることが大切です。
ではここからは、電動スライダを導入する際に押さえるべき選び方を解説します。
自社に適した製品を選定するための電動スライダの選び方は?
本章では、電動スライダを選定する際に知っておきたい、電動スライダの選び方のポイントを解説します。
本章を理解し、自社に合った製品を選定することで、導入に失敗しないようにしてください。
必要なストローク長(可動範囲)とその可動速度
電動スライダの選び方としてまず考慮すべきなのが、必要なストローク長と可動速度です。これは、作業範囲や使用機器の要求、さらには現場のスペースなどによって左右されます。
もしストローク長や速度の選定を怠ってしまうと、望む作業効率や精度を得られなくなるおそれがあります。特に高精度な位置決めが必要なプロジェクトであれば、可動範囲と速度の選定が作業全体の効率性に直結するといっても過言ではありません。
一方自社の導入箇所に適切な電動スライダを導入できれば、作業時間の短縮や生産性の向上などのメリットを享受できるでしょう。
自社の目的から適切な駆動方式を選ぶ
電動スライダの駆動方式としては、リニアモーター式とボールねじ式が代表的です。どちらを選ぶかは、使用頻度や求める精度、そして予算などの条件によって決まります。
もしこの点を曖昧にしたまま導入すると、想定外のメンテナンスコストが発生したり、必要な精度が得られずに作業品質を落としかねません。
特に長時間の稼働や高精度が要求される生産ラインでは、導入後のトラブルを避けるためにも、電動スライダの駆動方式の選定は重要です。
しっかりと自社の状況や目的を明確にしてから電動スライダを選ぶことで、安定した動作とメンテナンスの容易さを両立し、長期的なコスト削減にもつながる可能性があるでしょう。
制御方式とインターフェースを確認する
制御方式やインターフェースも、電動スライダを選定するうえで大切なポイントです。既存設備の仕様やソフトウェアとの相性、さらには社内で使われている制御装置との統合性によって適切な方式は異なります。
もしここを考慮せずに電動スライダを導入すると、思わぬ操作不具合が生じたり、生産ライン全体のシステム統合が滞る可能性があります。特に自社設備との連携が求められる場合は、より慎重に選定すべきです。
逆に適切な制御方式を選べば、シームレスな連携と操作性の向上が期待でき、生産性を高めることができるでしょう。
電動スライダの基本と選定ポイントを把握したところで、ここからは具体的なおすすめの電動スライダメーカーを見ていきましょう。メーカーごとの強みや製品の特徴を比較しながら、自社のニーズに合った製品を探してみてください。
電動スライダのおすすめメーカー情報を比較して各社の特徴を解説
本章では、当編集部おすすめの電動スライダメーカーを5社ピックアップして、各社の情報を比較します。
オリエンタルモーター / ORIENTAL MOTOR
メーカー名 | オリエンタルモーター / ORIENTAL MOTOR |
設立年 | 1950年 |
本拠地 | 東京都台東区東上野4-8-1 |
概要 | 精密小型モーターおよび制御用電子回路などの開発・製造・販売メーカー |
オリエンタルモーターは、長い歴史と多彩なラインナップを有し、標準化による短納期対応が可能という強みを持っています。
同社の電動スライダはステッピングモーターを採用し、正確な位置決めを重視した設計が特徴です。
ボールねじとガイドを組み合わせることで高い精度と滑らかな駆動を実現し、医療検査・分析装置から搬送台車、セキュリティゲートなど幅広い現場で利用されています。
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THK / THK
メーカー名 | THK / THK |
設立年 | 1971年 |
本拠地 | 東京都港区芝浦2-12-10 |
概要 | 機械要素部品メーカー |
THKは、世界初の「Linear Motion Guide」を開発したリニア技術のリーディングカンパニーで、日本国内約70%、世界でも50%以上の高いシェアを誇ります。
主力の「SKR/KRシリーズ」はLMガイド部とボールねじ部にボールリテーナを採用し、高速性・低騒音・長期メンテナンスフリーを実現しています。
導入業界としては、工作機械や半導体・液晶製造装置、産業用ロボットなどがあり、高度な精度要求にも応えられる点が強みです。
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ヤマハ発動機 / Yamaha Motor
メーカー名 | ヤマハ発動機 / Yamaha Motor |
設立年 | 1955年 |
本拠地 | 静岡県磐田市新貝2500 |
概要 | オートバイなどの輸送用機器を中心とする世界的メーカー |
ヤマハ発動機はオートバイや船外機だけでなく、産業用ロボット領域でも存在感を示しています。
電動スライダを活用した単軸ロボットの「GX」シリーズはJIS規格の精度等級C5に準拠し、繰り返し位置決め精度±0.005mmと高い精度が特徴です。
検査工程や組立工程など、厳密な位置決めが必要な場面で活躍し、幅広い産業分野で導入されています。
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椿本チエイン / TSUBAKIMOTO CHAIN
メーカー名 | 椿本チエイン / TSUBAKIMOTO CHAIN |
設立年 | 1941年 |
本拠地 | 大阪市北区中之島3-3-3 |
概要 | 動力伝動装置および輸送機械器具の製造販売メーカー |
椿本チエインは動力伝動装置および輸送機械器具の製造販売メーカーで、100年以上にわたる技術力を誇る老舗企業です。
電動スライダとしては「パワーシリンダ」を展開しており、油圧式に比べて電源配線だけで簡単に使用できる点が魅力です。
速度や位置決めの制御がしやすく、工場設備や自動車産業、物流業界などで導入が進んでいます。
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CKD / CKD
メーカー名 | CKD / CKD |
設立年 | 1943年 |
本拠地 | 愛知県小牧市応時二丁目250番地 |
概要 | 自動機械装置および機能機器の製造・販売メーカー |
CKDは自動機械装置メーカーと部品メーカーの両面を併せ持ち、豊富な製品ラインナップを誇ります。
電動スライダとして「EJSGシリーズ」を展開し、アウターレール方式ガイドによってコンパクトかつ高剛性を実現可能です。
自動車産業や半導体・液晶製造、食品製造など、多彩な分野での採用実績があります。
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