AGV

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AGV(Automated Guided Vehicle)(無人搬送車)は、工場や倉庫などで物品を自動的に運搬するため、効率化を図るための重要なツールです。

しかし、AGVを導入する際に注意しなければならない点や選び方のポイントを把握しておかないと、適切な業務効率化や省人化にはつながりません。

そこでこの記事では、AGVの選び方、おすすめのメーカーの比較から、AGVの基本的な情報まで、詳しく解説します。

これからAGVを導入する企業や担当者の方々にとって、有益な情報を提供できる内容になっています。ぜひ参考にしてください。

目次

自社に適したAGVの選び方を解説

自社に適したAGVの選び方を解説

本章では、AGVの選び方を3つ紹介します。本章通りに選んでいけば、自社の目的を解決できる可能性が高まるでしょう。

工場内のレイアウトや運搬する荷物に応じて選定

AGVの選定において重要なのは、工場のレイアウトや運搬する荷物の種類、重量、運搬ルートの複雑さを考慮することです。

適切な駆動方式のAGVを選ばないと、AGVが正確に走行できず、生産ラインの遅延や事故が発生する可能性があります。特に生産ラインが変更されることが予想される場合や、設備拡張が必要な場面では柔軟な選定が求められます。

荷物の形態やサイズに合わせたカスタマイズ

運搬する荷物の形態(箱、パレット、ロールコンテナなど)やサイズに応じて、AGVをカスタマイズする必要があります。

荷物が不安定に運ばれると、AGVが過負荷になり、故障や生産性の低下を招くことがあります。特に、荷物の形態が多様化している場合や新たな製品の取り扱いが増加する場合には、カスタマイズが可能なAGVを選ぶことが大切です。

メンテナンスやサポート体制の充実度

AGVを選定する際、メンテナンスやサポート体制の充実度も大事です。もし故障が発生した際に、迅速にサポートが受けられないと生産ラインが止まってしまい、影響を与えることになります。

特に24時間稼働が求められる工場では、信頼性の高いサポート体制を整備したAGVを選ぶことが必要です。

おすすめのAGVメーカー5社を比較!各社の強みや導入事例を紹介

おすすめのAGVメーカー5社を比較!各社の強みや導入事例を紹介

本章ではおすすめのAGVメーカーを5社ピックアップし、その特徴を比較します。各社の強みも解説しているので、メーカー選びの参考にしてください。

シコウ / SHIKO

メーカー名 シコウ / SHIKO
設立年 1966年
本拠地 石川県金沢市北陽台2丁目5番地
概要 AGV(無人搬送車)の専門メーカー

シコウは、1966年に設立されたAGVの専門メーカーで、40年以上の実績を誇ります。特に、自動車や製薬メーカーなどの生産ラインでの導入実績が多く、病院などの非生産分野にも対応しています。

シコウのAGVは、サイズ、積載重量、タイプ(コンベア型、牽引型、低床型、屋外型など)を自由に選択できるため、用途に応じた柔軟な対応が可能です。

また、営業、設計、製造、プログラム、保守までの一貫したサポートが強みとなっています。

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※一部メーカーとは提携がない場合がありますが、ユーザー様に最適なご案内ができるよう努めています。

日本車輌製造 / NIPPON SHARYO

メーカー名 日本車輌製造 / NIPPON SHARYO
設立年 1896年
本拠地 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号
概要 インフラストラクチャー創造企業

日本車輌製造は、1896年に創業した老舗企業で、鉄道車両の製造において世界的な実績を持っています。

他のAGVメーカーと比較しても特に大型のものに強みを持ち、積載重量10t以上のAGVが得意です。自動車製造工場を中心に、工場や倉庫などで広く活用されています。

また、日本車輌製造のAGVは、、重量物の運搬や長距離の移動にも優れています。国内No.1の納入実績があり、産業現場での安定した運用を支えています。

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ヘッズ / HEADS

メーカー名 ヘッズ / HEADS
設立年 1975年
本拠地 福岡県京都郡苅田町新浜1-34
概要 AGV(無人搬送車)・AMR(自律移動ロボット)の専門メーカー

ヘッズは、1975年に設立され、自動車業界のメンテナンス事業を中心に発展してきました。

特に自社開発のAGVやAMR(自律移動ロボット)は、高い省力化と連続稼働を実現しており、バッテリー消費を削減する独自のモーター制御システムを搭載しています。

ヘッズのAGVは、特に自動車産業や高張力プレス加工メーカー向けのニーズに応え、24時間連続稼働が求められる環境にも対応可能です。また、非接触での自動充電機能を持ち、作業員の負担軽減も実現しています。

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ZMP

メーカー名 ZMP
設立年 2001年
本拠地 東京都文京区小石川五丁目41番10号
概要 自律移動ロボット・AGV(無人搬送車)の専門メーカー

ZMPは、自律移動ロボット技術に強みを持つ企業で、2001年に設立されました。

特に自律移動技術を駆使したAGV(CarriRoシリーズ)を提供しており、インフラ変更なしで簡単に導入可能なAGVとして注目されています。

ZMPのAGVは、ランドマーク式走行方式を採用しており、床面に誘導線を設置せずに柔軟なルート設定が可能です。

この特長により、物流センターや工場内の動的な作業環境に適応することができ、特にフレキシブルな運用が求められる施設に適しています。

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リコー / RICOH

メーカー名 リコー / RICOH
設立年 1936年
本拠地 東京都大田区中馬込1-3-6
概要 複合機、プリンター、デジタル機器および関連ソリューションのメーカー

リコーは、画像認識技術を活かした製品開発に強みを持つ企業で、AGVにおいても独自の光学式誘導方式を採用しています。

この方式では、市販の黒色ビニールテープを使用し、設置費用と時間を削減できます。

リコーのAGVは、コスト削減と導入のスピードに優れており、特に自社工場での製造ラインで使用されています。この低コストなAGVは、物流現場での部品運搬や製造ラインの効率化に貢献しています。

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以上が当編集部おすすめのAGVメーカー5社です。次章からは、AGVの基本情報を解説します。

AGV(Automated Guided Vehicle)(無人搬送車)とは?

AGV(Automated Guided Vehicle)(無人搬送車)とは?特徴や活用例などを解説

AGV(Automatic Guided Vehicle)は、無人で物品を運搬するための自動車両です。主に、工場や倉庫、物流センターなどの施設内で使用され、運搬作業を効率化し、作業員の負担を軽減します。

AGVの特徴は、事前に設定されたルートに沿って自動的に移動し、荷物を運ぶ点です。これにより、人手を減らし、製造ラインの効率性を向上可能です。

また、AGVの導入は省力化だけでなく、生産性の向上や物流の最適化にも貢献します。特に大規模な工場や倉庫では、その効率性が高く、運用する上でのコスト削減にもつながります。

AGVとAMRは何が違うの?

AGVとAMRは何が違うの?

AGV(無人搬送車)とAMR(自律移動ロボット)は、どちらも自動で物品を搬送するロボットですが、その運行方法に違いがあります。

AGVは専用の誘導線やマーカーに従って移動しますが、AMRはセンサーとAI技術を使用し、周囲の環境をリアルタイムで認識して自律的に移動します。

これにより、AMRは動的な環境でも柔軟に対応できるため、複雑なレイアウトでも効率的に作業を遂行可能です。

次章では、AGVの種類をみていきます。

AGVを搬送方式と走行方式に分けて種類ごとに解説

AGVを搬送方式と走行方式に分けて種類ごとに解説

AGVにはいくつかの種類があり、使用する環境や目的に応じて適切な選択をすることが重要です。以下では搬送方式と走行方式別で、代表的なAGVの種類を解説します。

搬送方法による違い

台車型(積載型)AGV

台車型AGVは、荷物を積載するための台車を運搬するタイプのAGVです。特に、荷物を一定の位置に運ぶことが求められる環境に適しており、積載量や大きさに応じたカスタマイズが可能です。

台車型AGVのメリット

  • 荷物の積載が簡単で安定している
  • 異なるタイプの荷物に柔軟に対応可能

台車型AGVのデメリット

  • 荷物の積載量に制限がある
  • 狭い通路や複雑なレイアウトには向かない
  • 積載荷物の形状によっては安定性が欠ける場合がある

けん引型AGV

けん引型AGVは、台車を牽引して運搬するタイプです。大きな荷物や複数の荷物を一度に運ぶことができるため、特に広いスペースや長距離移動に適しています。

けん引型AGVのメリット

  • 大型荷物や複数の荷物を運搬できる
  • 長距離運搬が得意

けん引型AGVのデメリット

  • 牽引できる台車の数に限界がある
  • 狭いスペースや複雑なルートには不向き
  • 荷物の積載位置や安定性に工夫が必要

低床型AGV

低床型AGVは、荷物を運ぶために低い床面を持つタイプです。床面が低いため、低い位置にある物品を搬送するのに便利で、通常のAGVでは運搬が困難な場所にも対応できます。

低床型AGVのメリット

  • 低い位置の荷物も運搬可能
  • 狭い通路にも対応しやすい
  • 安定した走行が可能

低床型AGVのデメリット

  • 積載できる荷物のサイズに制限がある
  • 重量物には向いていない
  • 構造が比較的複雑な場合がある

走行方式による違い

ライントレース式(誘導式)AGV

ライントレース式は、磁気テープやレーザーなどの誘導線に沿って自動的に走行するAGVです。誘導線に従って移動するため、比較的簡単に設置できるのが特徴です。

ライントレース式AGVのメリット

  • 導入が簡単で低コスト
  • 予測可能なルートを走行するため、安定した運行が可能
  • 設置が比較的簡単

ライントレース式AGVのデメリット

  • ルート変更に対応するのが難しい
  • 誘導線の設置に手間がかかる
  • 障害物回避能力が限られている

自律移動式AGV

自律移動式AGVは、周囲の環境をセンサーで認識し、障害物を避けながら自由に移動できるタイプです。誘導線が必要ないため、柔軟なルート変更が可能で、ダイナミックな環境に適しています。

自律移動式AGVのメリット

  • 柔軟なルート設定が可能
  • 障害物を避けながら移動できる
  • 動的な環境に対応可能

自律移動式AGVのデメリット

  • 導入コストが高くなりがち
  • センサーやソフトウェアの精度が求められる
  • 広い施設に適応しにくい場合がある

追従式AGV

追従式AGVは、リーダーとなるAGVや作業員が移動するのを追従するタイプです。この方式は、移動中の物体や人物の後を追うことが特徴で、フレキシブルな運用が可能です。

追従式AGVのメリット

  • フレキシブルな運用が可能
  • 簡単な制御で導入が可能
  • さまざまな状況に適応できる

追従式AGVのデメリット

  • リーダーAGVまたは作業員が必要
  • 距離が長くなると追従が難しくなる場合がある

ランドマーク式AGV

ランドマーク式AGVは、地面に設置された二次元マーカーをカメラで読み取り、走行する方式です。 この方式では、経路全体を敷設する必要がなく、特定の場所にのみランドマークを設置することで運用可能です。

ランドマーク式AGVのメリット

  • 設置コストが低減される
  • 柔軟なルート変更が可能
  • 簡易な設定で導入が容易

ランドマーク式AGVのデメリット

  • 物理的な耐久性に課題がある
  • 精密な動作には不向き
  • 周囲の環境に依存する