レーザーはんだ付けロボット

レーザーはんだ付けロボットのIC

近年、電子機器の小型化・高密度化が進む中で、従来のはんだ付け手法では対応が難しくなってきています。そんな中、精密かつ高品質な接合を実現する「レーザーはんだ付けロボット」への注目が高まっています。

この革新的な技術の導入を成功させるためには、まずレーザーはんだ付けロボットの種類や特性を理解し、自社の生産プロセスや製品に最適な機種を選定すること、そして信頼できるメーカーを見極めることが重要です。

この記事では、レーザーはんだ付けロボットの基礎知識から、導入効果を最大化するための選び方のポイント、そしておすすめのメーカーまで、徹底解説します。自社に適した一台を選び、生産性の向上を実現するために、是非ご参考ください。

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目次

レーザーはんだ付けロボットとは? メリット・デメリットと活用例を解説

レーザーはんだ付けロボットとは?

レーザーはんだ付けロボットとは、レーザー光を用いてはんだを溶融させ、電子部品などを接合する自動化装置です。従来のこて式はんだ付けと比較して、非接触で局所的な加熱が可能であるため、熱に弱い部品や微細な部品へのダメージを最小限に抑えながら、高精度なはんだ付けを実現します。

レーザーはんだ付けロボットは、レーザー発振器、光学系、ロボットアーム、制御装置、冷却システム、ワイヤ供給システム、品質検査ユニットなどで構成されており、プログラムされた通りに正確かつ高速な動作が可能です。

レーザーはんだ付けロボットのメリット・デメリットを解説

レーザーはんだ付けロボットの導入は、品質の安定化、生産性の向上、人手不足の解消といったメリットをもたらします。一方で、初期導入コストや専門的な知識が必要となる点も考慮する必要があります。

レーザーはんだ付けロボットのメリット

  • 高精度なはんだ付け
    非接触かつ局所的な加熱により、微細な箇所への正確なはんだ付けが可能です。
  • 高品質・安定性
    熱影響を最小限に抑え、安定した接合品質を実現します。
  • 生産性向上
    ロボットによる自動化で、高速かつ連続的な作業が可能です。
  • 非接触加工
    部品への物理的なストレスがなく、ダメージを防ぎます。
  • 狭隣接箇所への対応
    レーザービーム径が小さいため、隣接する部品への影響を抑えられます。
  • 自動化による省人化
    人手不足の解消や作業者による品質のばらつき抑制に貢献します。

レーザーはんだ付けロボットのデメリット

  • 初期導入コスト
    こて式ロボットと比較して、導入費用が高くなる傾向があります。
  • 専門知識の必要性
    レーザーの種類や出力、照射時間などの設定には専門的な知識が求められます。
  • 材質による吸収率の違い
    はんだや母材の種類によってレーザー光の吸収率が異なるため、条件設定が重要になります。
  • 安全対策
    レーザー光は目や皮膚に有害なため、適切な安全管理体制が必要です。

活用例を紹介

レーザーはんだ付けロボットは、その高精度・高品質な接合能力から、以下のような多岐にわたる分野で重要な技術となっています。特に、部品の微細化や高密度実装が進む現代の製造業において、その重要性はますます高まっています。

  • 電子基板
    スマートフォン、パソコン、タブレットなどの高密度実装基板。特に、微細なチップ部品や狭ピッチコネクタのはんだ付けに威力を発揮します。
  • 車載部品
    ECU(電子制御ユニット)、センサー類、カメラモジュールなど、高い信頼性が要求される部品。熱影響を嫌う部品や、複雑な形状を持つ部品のはんだ付けに用いられます。
  • 精密機器
    医療機器、光学機器、計測機器など、高い精度と品質が求められる分野。
  • 安全教育の実施
    定められた作業手順や、ロボットの動作特性、安全な関わり方をオペレーターに教育し、理解を促します。
  • 熱に弱い部品
    フレキシブル基板(FPC)、フィルム部品、樹脂部品など、従来のはんだごてでは熱によるダメージが懸念される部品のはんだ付け。
  • そのほか
    センサー、コネクタ、小型モーター、LEDなど、様々な電子部品の製造工程で利用されています。

ここまで、レーザーはんだ付けロボットのメリット・デメリットや活用例を解説しました。次に、具体的にどのような種類のロボットが存在するのか、その種類ごとのメリット・デメリットを確認します。

種類ごとにレーザーはんだ付けロボットを解説

レーザーはんだ付けロボットの種類

レーザーはんだ付けロボットは、搭載されるレーザーの種類やロボットの構造によって、いくつかのタイプに分類されます。それぞれの種類には異なる特徴があり、加工対象や生産ラインの状況に応じて最適なものを選ぶことが重要です。ここでは代表的な種類とその特徴について解説します。

半導体レーザー

半導体レーザー(LD: Laser Diode)は、現在レーザーはんだ付けで最も主流となっているレーザーであり、電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するため、エネルギー効率が高く、装置の小型化・軽量化が可能です。

また、波長の選択肢が多く、はんだや母材の材質に合わせて吸収率の高い波長を選べる点も特徴です。

半導体レーザーのメリット

  • エネルギー効率が高い
  • 装置が小型・軽量
  • 波長の選択肢が多い
  • 比較的安価
  • 長寿命

半導体レーザーのデメリット

  • 他のレーザーと比較して、ビーム品質(集光性)がやや劣る場合がある
  • 高温環境に弱い場合がある

ファイバーレーザー

ファイバーレーザーは、光ファイバーを媒質として利用するレーザーです。ビーム品質が高く、細く絞り込むことができるため、微細な箇所への精密なはんだ付けに適しています。

また、伝送に光ファイバーを用いるため、取り回しが容易で、ロボットへの組み込みがしやすいという利点もあります。

ファイバーレーザーのメリット

  • ビーム品質が高い(高集光性)
  • エネルギー効率が良い
  • 長寿命でメンテナンス性が高い
  • 光ファイバー伝送による高い柔軟性

ファイバーレーザーのデメリット

  • はんだ付け対象となる銅や金など反射率の高い材料からの戻り光(反射光)に比較的弱く、レーザー光源を保護するための対策(アイソレーターなど)が必要になる場合がある。
  • 万が一、レーザー発振器のコア部分や伝送ファイバーが故障した場合、修理が複雑であり、専門技術者による対応やメーカーへの返送が必要となり、時間とコストがかかる可能性がある。

YAGレーザー

YAGレーザーは、古くから産業用レーザーとして利用されてきた実績のあるレーザーです。高出力が得やすく、パルス発振も可能なため、瞬間的に高いエネルギーを必要とするはんだ付けにも対応できます。

ただし、近年はより効率やメンテナンス性に優れた半導体レーザーやファイバーレーザーに置き換わりつつあります。

YAGレーザーのメリット

  • 高出力が得やすい
  • パルス発振が可能
  • 豊富な実績がある

YAGレーザーのデメリット

  • エネルギー効率が低い
  • ランプ交換などのメンテナンスが必要
  • 装置が大型になりやすい

このように、レーザーはんだ付けロボットには様々な種類があり、それぞれに得意なこと、不得意なことがあります。これらの情報を踏まえ、次は自社の状況に最適なロボットを選ぶための具体的なポイントについて解説していきます。

レーザーはんだ付けロボットの選び方

レーザーはんだ付けロボットの選び方

レーザーはんだ付けロボットの種類を理解したところで、次に重要になるのが「自社のニーズに合ったレーザーはんだ付けロボットをどう選ぶか」という点です。

高価な設備投資となるため、選定を誤ると期待した効果が得られないばかりか、生産効率の低下や品質問題につながる可能性もあります。ここでは、後悔しないための選び方のポイントを3つの観点から解説します。

加工対象の材質や板厚に応じたレーザー出力

レーザーはんだ付けロボット導入の最も基本的な要素は、加工対象の材質や板厚に適したレーザー出力を確保することです。

必要な出力は、材質の種類(例:鉄、ステンレス、アルミニウム、銅など)、板厚、そして求められる溶け込み深さによって決まります。また、設備全体の電力供給能力や冷却装置の能力も、選定する発振器の仕様と密接に関連します。

以下の表は、レーザー出力が適切になっている場合と、そうでない場合を比較した際にどのような影響が出るかを示した表です。

項目 レーザー出力が不適切な場合 レーザー出力が適切な場合
はんだ付け品質 溶け込み不足による強度不足、はんだ付け不良の発生 十分な溶け込み深さと良好なビード形状
製品の信頼性 低下(特に構造部品や高い気密性が求められる箇所) 向上、要求される強度や品質基準を満足
仕上がりの均一性 不安定、ばらつきが発生しやすい 安定したはんだ付けプロセスによる均一な仕上がり
生産性 不良発生による手直しや再加工が必要になる可能性 高い歩留まり、安定した生産

特に、厚板のはんだ付けや、構造部品のように高い接合強度が求められる用途では、出力の選定が製品の品質と信頼性を直接左右します。

適切な出力を持つロボットシステムであれば、安定したエネルギー供給により高精度なはんだ付けが可能となり、製品ごとのばらつきを抑えた高品質な仕上がりが期待できます。

非接触センサーやビジョンシステムの搭載

はんだ付け対象となる部品の形状精度には限界があり、また、ロボットに部品を供給・固定する際にも微小な位置ずれ(組付け誤差)が発生します。

これらの誤差を吸収し、常に狙った位置にレーザーを照射するためには、非接触センサーやビジョンシステムによる自動補正機能が重要になります。

以下の表から、自動補正機能がある場合のメリットをご確認ください。

機能 自動補正機能がない場合 自動補正機能がある場合
位置決め精度 部品や組付けの誤差がそのままはんだ付けズレにつながる ワークの位置・姿勢を検出し、照射位置を自動補正
はんだ付け不良 狙い位置からのズレによるはんだ付け不良リスクが高い 欠陥リスクを大幅に低減
歩留まり/効率 位置ずれによる不良で低下する可能性 高い歩留まりと安定した自動運転を実現
適用範囲 高精度な位置決め治具や高精度部品が前提 複雑形状、位置ばらつきのある部品にも対応可能

この自動補正機能が不十分だと、はんだ付け位置のズレを検知・補正できず、レーザーが狙った場所から外れてしまい、はんだ付け不良や接合部の強度低下といった重大な問題を引き起こす可能性があります。

逆に、高精度な自動補正機能を備えたロボットであれば、はんだ付けパスの精度が大幅に向上し、結果として歩留まり改善や、ティーチング工数の削減による作業効率の向上が期待できます。

集光径やビームプロファイルの制御性

レーザーはんだ付けでは、レーザー光をどの程度のサイズ(集光径)で、どのようなエネルギー分布(ビームプロファイル)で照射するかが、はんだ付け品質を決定づける重要な要素です。

加工対象の材質、板厚、求められるはんだ付け速度や品質に応じて、最適なビーム特性は異なります。

以下の表から適切なビーム制御が可能なことによるメリットをご確認ください。

機能 ビーム形状が固定的な場合 ビーム形状が可変な場合 (例: ビームシェイピング)
対応可能な加工 特定の材質/板厚/はんだ付け形態に最適化、汎用性は限定的 様々な材質/板厚/要求品質に柔軟に対応可能
はんだ付け品質の最適化 条件が変わると、スパッタ抑制や溶け込み制御が困難 最適なビーム形状でスパッタ抑制、品質安定化を図れる
生産ラインの柔軟性 低い。製品変更時に設備変更や調整が必要になることも 高い。多品種少量生産や変種変量生産に有利
工程設計の自由度 ビーム特性に合わせた工程設計が必要 より自由度の高い工程設計が可能

適切なビーム制御ができないと、はんだ付けの幅や溶け込み深さが不安定になり、強度不足などの不良が発生しやすくなります。

特に、多様な製品への対応や、高速性と高品質の両立が求められる生産ラインでは、高度なビーム制御技術を持つロボットの選択が、生産性や品質達成の鍵となります。


レーザーはんだ付けロボットの選定は、単にカタログスペックを比較するだけでなく、自社の生産要件(加工対象、要求精度、生産形態など)と照らし合わせ、ここで挙げた「レーザー出力」「自動補正機能」「ビーム制御性」といったポイントを総合的に評価することが成功の鍵となります。

事前にこれらの点を十分に検討し、SIerや代理店と具体的な議論を重ねることで、自社のニーズに合致した最適なレーザーはんだ付けシステムの導入が実現できるでしょう。

次に、レーザーはんだ付けロボットの導入価格の目安を解説します。自社に導入することを検討している場合は、ご参考ください。

レーザーはんだ付けロボットの導入価格への影響要因を解説

レーザーはんだ付けロボットの導入価格への影響要因

レーザーはんだ付けロボットの導入を検討する上で、価格は重要な要素です。しかし、その価格はロボット本体、搭載するレーザーの種類や出力、周辺機器、安全対策のレベル、システムインテグレーションの範囲など、多数の要因によって数百万円から数千万円規模まで大きく変動します。

そのため、ここで示す情報はあくまで大まかな目安として捉え、具体的な価格については必ず要求仕様を明確にした上で、メーカーやシステムインテグレータに個別に見積もりを依頼するようにしてください。

価格帯のイメージと影響要因

一般的に、シンプルな構成のシステムであれば数百万円台から導入可能な場合もありますが、高出力レーザーや高精度な制御、高度なオプション機能(スキャナーヘッド、ビジョンシステム、温度フィードバック等)を備えたシステムでは、1000万円を超えることも珍しくありません。

導入価格に影響を与える主な要因と、その価格への影響度合いの目安を以下の表からご確認ください。

主要構成要素 /
オプション
価格への影響度合い 備考・具体例
レーザー発振器 種類(半導体、ファイバー等)・出力(W数)・品質(安定性、寿命)
ロボット本体 中~大 軸数(3軸、4軸、6軸等)・可搬重量、リーチ・動作精度、速度・メーカー
光学ヘッド 中~大 標準集光・ガルバノスキャナー式(高速走査)・ビームシェイピング機能
制御装置・ソフトウェア 小~中 基本的な動作制御・高度なプロセス制御機能・操作性、拡張性
センサー・ビジョン 温度モニター・変位センサー(高さ計測)・位置決め用カメラ・はんだ検査機能
自動はんだワイヤ供給装置 小~中 オプション機能
安全対策設備 中~大 安全クラスに応じた遮光ブース・セーフティードア、インターロック・ヒュームコレクタ
システムインテグレーション 中~大 設置、配線・ティーチング、プログラミング・専用治具の設計・製作・前後工程との連携

※上記はあくまで価格への影響度合いを示す一般的な目安です。実際の価格や構成要素間の比率は、要求仕様や選択するメーカー・機種により大きく異なります。

通常、提示される「導入価格」には、ロボット本体、レーザー発振器、制御装置、光学ヘッド、標準的な安全カバーなどが含まれることが多いですが、システムの設置費用、詳細なティーチングやプログラミング費用、特殊な治具の費用、既存ラインへの接続費用などは、別途必要となるケースが一般的ですので、注意が必要です。


レーザーはんだ付けロボットの導入を検討する際は、単に初期費用だけでなく、必要な機能・性能、安全性、将来の拡張性、そして費用対効果(ROI)を総合的に評価することが重要です。

まずは自社の要求仕様を明確にし、複数のメーカーやシステムインテグレータから具体的な提案と見積もりを取得することをお勧めします。

次に、実際にどのようなメーカーがレーザーはんだ付けロボットを提供しているのか、おすすめのメーカーとその特徴を紹介します。

JET-Globalがおすすめするレーザーはんだ付けロボットの代表的なメーカーを紹介

レーザーはんだ付けロボットのおすすめメーカー

レーザーはんだ付けロボットは、多くのメーカーが開発・販売しています。それぞれに得意とする技術や特徴があり、どのメーカーの製品を選ぶかによって、導入後の成果が大きく変わることもあります。

ここでは、国内で実績のある主要なレーザーはんだ付けロボットメーカーを5社ピックアップし、その特徴や代表的な製品について詳しくご紹介します。

ジャパンユニックス / JAPAN UNIX

メーカー名 ジャパンユニックス / JAPAN UNIX
設立年 1974年
本拠地 東京都港区
概要 はんだ付け自動化装置・ロボットの専業メーカー

ジャパンユニックスは、1974年設立、東京都港区に本拠を置く、はんだ付け自動化装置・ロボットの専業メーカーです。長年にわたって培ってきた豊富なノウハウと蓄積された膨大なはんだ付けデータに基づき、顧客の課題に対する最適なソリューションを提案する力に強みを持っています。

同社が提供するレーザーはんだ付けロボットとしては、「UNIX-413LII」シリーズなどが挙げられます。

このレーザーはんだ付けロボットは、独自設計により、はんだ付け時に発生する廃棄はんだ(はんだボールやフラックス残渣など)の量を大幅に削減し、産業廃棄物の削減に貢献できる点が大きな特徴です。

ジャパンユニックスのロボットは、品質要求の厳しい自動車・車載部品業界やEMS、基板実装ラインに加え、アドバンテック直方やセレスティカ・ジャパンなど、幅広い分野で導入実績があります。

アポロ精工 / Apollo Seiko

メーカー名 アポロ精工 / Apollo Seiko
設立年 1969年
本拠地 静岡県御殿場市
概要 自動はんだ付け装置・ロボットの専業メーカー

アポロ精工は、1969年設立、静岡県御殿場市に本拠を置く、自動はんだ付け装置・ロボットの専業メーカーです。はんだ付け技術に加え、画像処理技術やFA(ファクトリーオートメーション)技術を融合させることで、単なるはんだ付け装置の提供にとどまらず、生産ライン全体の自動化を見据えた総合的な提案力に強みを持っています。

同社のレーザーはんだ付けロボットの代表例として「J-CAT STAR GATE」があります。

この製品の大きな特徴は、搭載された温度制御技術やオプションの画像処理機能との連携により、はんだ付け対象の位置ずれを自動で補正し、常に高精度な位置へのはんだ付けを実現できる点です。はんだ付け後の品質検査機能も、システム拡張やオプションで対応可能です。

アポロ精工のロボットは、自動車業界、電子機器製造、FA機器、精密機器など、幅広い製造業の現場で採用されており、その高い技術力と提案力が評価されています。

堀内電機製作所 / Horiuchi Electronics

メーカー名 堀内電機製作所 / Horiuchi Electronics
設立年 1944年
本拠地 長野県岡谷市
概要 レーザー応用装置・自動化装置のメーカー

堀内電機製作所は、1944年設立、長野県岡谷市に本拠を置く、レーザー応用装置や自動化装置の開発・製造メーカーです。高い技術力を持ちながらも、それをローコストで提供することを目指す開発力に強みがあります。

同社は「レーザマイクロソルダリング」「ブルーレーザフラックスレスソルダリングシステム」といったレーザーはんだ付けシステムを提供しています。

特に注目されるのは、445nm波長のブルーレーザーを採用したシステムです。この波長のレーザーは、金や銅といった金属への吸収率が高く、熱影響を抑えながら微細部品に対しても高品質なはんだ付けが可能です。さらに、フラックス(はんだ付け促進剤)を使用しないフラックスレスはんだ付けを実現できる点も大きな強みです。

堀内電機製作所の技術は、電子機器、プリント基板実装、精密機器、コンピュータ周辺機器、FA機器などの分野で活用されており、主要取引先には東芝グループ、ソニー、シャープ、セイコーエプソンなど、大手企業が名を連ねています。

津々巳電機 / TSUTSUMI ELECTRIC

メーカー名 津々巳電機 / TSUTSUMI ELECTRIC
設立年 1952年
本拠地 東京都大田区
概要 はんだ付け自動化装置・ロボットの専業メーカー

津々巳電機は、1952年設立、東京都大田区に拠点を置く、はんだ付け自動化装置・ロボットの専業メーカーです。標準機だけでなく、ユーザーの個別の要望に応じた特注仕様の装置開発や、自動ツールチェンジ機能、独自のフラックス塗布技術など、きめ細やかな対応力と独自技術に強みを持っています。

同社のレーザーはんだ付けロボットとしては『LASEMON』シリーズなどがラインナップされています。

このロボットの特徴的な点は、ロボット部とコントローラー部が分離した構造を採用していることです。これにより、生産ラインへの組み込み(インライン化)や、複数の小型生産設備を組み合わせるセル生産方式など、多様な生産形態に対して柔軟にレイアウトを構成することが可能です。

津々巳電機のロボットは、自動車部品、電子機器、FA機器、基板実装、精密機器など、様々な製造業の現場で導入されており、その柔軟性とカスタマイズ性が高く評価されています。

メイコー / Meiko Electronics

メーカー名 メイコー / Meiko Electronics
設立年 1975年
本拠地 神奈川県綾瀬市
概要 プリント基板およびはんだ付け自動化装置のメーカー

メイコーは、1975年設立、神奈川県綾瀬市に本社を構える、プリント基板の設計・製造と、はんだ付け自動化装置を手掛けるメーカーです。プリント基板メーカーとしての知見を活かし、独自の「はんだ付け“真”理論」に基づいた専用ロボットの設計・開発を行っている点が強みです。

同社のレーザーはんだ付けロボットとして「LETHER-LD」シリーズが提供されています。

このロボットの最大の強みは、非接触で、かつ極めて微小なレーザービームスポット(最小Φ300μm)を照射できる点であり、熱影響を最小限に抑えながら、狭い箇所や微細な部品に対しても、精密かつ安定した高品質なはんだ付けを実現します。

メイコーのレーザーはんだ付けロボットは、電子機器、車載機器、産業用機器の製造や基板実装など、高密度・高精度なはんだ付けが求められる多様な製造業で活躍しているのです。

今回は5つのメーカーをご紹介しましたが、これ以外にも優れたレーザーはんだ付けロボットを開発・提供しているメーカーは多数存在します。各社のカタログやウェブサイトを確認し、可能であればデモンストレーションなどを依頼して、自社の課題解決に最も貢献してくれるパートナーを見つけることが重要です。

ご不明点がございましたら、以下からお気軽にお問い合わせください。

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