無人フォークリフトには、本体640万円から(税別)のAutoForkウォーキーなど、価格が公開されている製品があります。「自社の倉庫に導入すると、総額でいくらかかるのだろう」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、実際に公開されている料金を紹介しながら、本体価格・導入に必要な費用・使い続けるための維持費を整理します。費用の計算例や見積もりの確認ポイントも、自社の荷物や搬送ルートに置き換えてご覧ください。
無人フォークリフトはいくら?公開価格と費用の目安
無人フォークリフトの料金には、本体を購入する価格と、設定費などを含む月額料金があります。何に対して支払う金額なのかを分けると、予算を考えやすくなります。まずは、メーカー・販売会社が公開している例を見てみましょう。
以下は2026年10月時点のメーカー・販売会社による公開例です。金額はすべて税別で、仕様や追加サービスによって変わります。市場全体の相場や同条件での価格順位を示すものではありません。
| 対象・費用項目 | 公開料金 | 含まれる範囲・別途の費用 |
|---|---|---|
| ハクオウロボティクス/AutoForkウォーキー本体 | 640万円から | 基本の月額ライセンス料は不要。セットアップ費用は0円から。任意保守や高度な機能は別途。 |
| 同製品の任意保守・アップデートサポート | 月額5万円から | 平日日中の保守受付とソフトウェア更新。訪問による保守対応は有償。 |
本体価格と「使い始められる価格」は分けて考える
車両の購入費用だけで実際の運用を始めるのは難しく、車両本体以外にもソフトウェア関連、搬送ルートの設定、周辺機器との接続、現場での単体・総合テストなどの費用がかかります。将来、設定変更などがあれば、追加費用も発生します。
例えば、決めた置き場の間を往復したり、荷物の状態に合わせて搬送先を変えたりする計画を考えてみましょう。有人フォークリフトでは、ルートが100通り、200通りある場合や荷物の状態に応じて搬送先が変わる場合も、その場で柔軟に対応できます。一方、AGFでは、それぞれのルートや搬送先を切り替える条件を事前に登録する必要があり、この作業内容が費用に大きく反映されます。「同じ無人フォークリフトだから本体価格も導入総額も近い」と考えず、任せたい作業の開始から終了までを詳細に伝えて見積もりを依頼しましょう。
見積書では車両、ソフトウェア関連、設定作業、連携機能、保守を分けて示してもらうと、自社で対応できる部分と外部へ依頼する部分を検討できますので、必要な作業が含まれているかを判断しやすくなります。
月額表示は契約方法と含まれるサービスを見る
月額料金が示されていても、リース・レンタルのどちらかや、保守込みかどうかは契約条件によりますので、契約期間や保守の範囲をそろえて判断する必要があります。
比較の際には、月々の支払いに加え、開始時の費用、契約終了時の扱い、運用変更に伴う費用を確認しておきます。月額が低く見える契約でも、使う期間や追加作業によって支出は変わります。反対に、設定変更(小規模な範囲)や保守を含む契約は、別々に依頼する手間も踏まえて評価できます。
機種はどう選ぶ?価格を比べる前に確認したい現場の条件

価格を見る前に、自社で何を運び、どこまでの作業を任せたいかを整理しておきましょう。同じ荷物を、同じ工程で運べる候補同士を比べると、機種による費用の違いが分かりやすくなります。
搬送する荷物と荷役の条件を合わせる
荷物の重さだけでなく、パレット形状、荷姿、受け渡し位置まで合わせると、必要な機種を絞りやすくなります。床から持ち上げて運ぶのか、棚へ格納するのかによっても、必要な荷役能力は異なります。
相談の準備では、普段扱う荷物の写真や寸法、積み方、パレット形状、置き場の様子をまとめておきましょう。通常の荷物だけでなく、荷崩れしやすいものや位置がずれやすいものも挙げておくと、標準機能で対応できる範囲を検討できます。
現場の希望をすべて最高仕様で満たそうとすると、使わない能力に費用をかけることにもつながります。日常的に運ぶ荷物を優先し、特殊な荷物は有人作業で扱う案も含めて、設備と人の役割を整理する方法があります。
車両単体ではなく、搬送工程の範囲で比べる
導入費用の差は「車両」だけでなく、ソフトウェア関連や設定作業の費用によっても大きく変わります。そのため、「どこからどこまでの作業を任せるか」を明確にしましょう。必要なソフトウェアや設定作業の範囲が見えると、導入総額での価格差を把握できます。
例えば、置き場間の搬送だけを自動化する案と、設備からの呼び出しに応じて運び出す案では、システムの構成が変わります。搬送の開始指示を人が行うか、設備から自動で送るかも、見積もりを依頼する段階で共有したい条件です。
トヨタL&Fの公表事例では、自動倉庫とAGFを組み合わせ、搬送用の固定設備を省ける点も評価されています。メーカーは、当初の無人搬送車案では荷物を降ろすためのコンベヤ等が必要になる一方、この現場のAGF案では床への平置きや棚への荷役に対応できたと説明しています。
この事例から比較の視点を整理すると、有人運用を残す案では担当者の負担と変則作業への対応、無人搬送車と固定設備を組み合わせる案では車両と周辺設備、AGFで荷役まで担う案では荷物の受け渡し条件が検討対象になります。方式だけで価格の上下を決めず、同じ工程を実現する構成全体で比べることが大切です。
忙しい時間帯の搬送量と、待ち時間を確認する
AGFの台数を考えるときは、一日の平均だけでなく、荷物が集中する時間帯にどれだけの物量を運ぶ必要があるかを確認しましょう。有人フォークリフトと比較して、AGFでは作業効率が下がる場合も想定しておきましょう。また、空いている時間に走れることと、出荷前の混雑時にも予定どおり運べることは別の課題です。
搬送回数、走行距離、荷物の積み降ろしにかかる時間、他の車両を待つ場所を現場で記録すると、必要な台数や運行計画の相談に使えます。充電や清掃、点検で動かせない時間も、同じ工程表に入れると負荷を把握しやすくなります。
能力を見込むときは、人が荷物を整える速度や、次工程が受け入れられる量も合わせて見ます。前後の工程が詰まったまま車両だけ増やすと、費用アップ分に見合う搬送量を得られないおそれがあります。
既存設備を使う範囲と、新しく用意する範囲を分ける
通信インフラ環境、充電場所、棚をどのタイミングで見直すかも大切なポイントです。その際は、更新する車両に適合させるために現場側を見直す案と、現場に合った機種を選ぶ案を比較検討しましょう。
通路に荷物が仮置きされる、出入口の開閉が有人対応か自動化されているかなど、図面だけでは分からない条件もあります。繁忙期・閑散期などの状態を共有すると、追加工事だけでなく運用ルールの変更も含めて検討できます。
相談に使う資料は、きれいに作り込む必要はありません。現状が伝わることを優先しましょう。現場写真に搬送元・搬送先・待機場所を書き込むだけでも、見積もりの前提を合わせる手がかりになります。
導入総額には何が含まれる?本体以外にかかる費用

導入費用には搬入・設定・現場整備・設備連携・単体・総合テストなど、どこまでが見積もりに含まれるかを確認していきましょう。
事前調査・搬入・設定・単体・全体テストの費用
見積書に「設置費」と書かれていたら、何をしてもらえるのか、どこまで確認して引き渡されるのかを聞いてみましょう。ルートの登録までなのか、実際の荷物を使った単体・総合テスト、操作説明まで含むのかによって、引き渡し後の負担が変わります。
事前に作業内容の打ち合わせを行い、自社でも対応できる部分があれば、すべてを外部に任せず、運用開始後も見据えて社内の担当者を決め、作業に参加することも大切です。作業費用の軽減につながるほか、関連する部分でトラブルが起きた場合に、自社で早急に対応しやすくなります。
単体・総合テストでは、予定どおり走行するかに加え、荷物の受け渡し、停止後の復旧、通常業務との擦り合わせの確認をします。引き渡し条件を先に合意しておくと、運用開始後に追加調整の費用をめぐって齟齬が生じるのを防ぎやすくなります。
通信インフラ設備・充電場所他を整える費用
通信インフラ工事、充電場所の見直し工事が必要かは、候補機種の走行方式と、実際の建物の状態をもとに確認します。すべての無人フォークリフトで同じ通信設備が必要になるわけではありません。
現場の整備では、床やマーカー、電源・通信、充電設備などを確認します。車両の見積もりと建物側の工事見積もりを分けて扱う場合は、担当会社ごとの作業範囲を整理すると抜けを減らせます。
充電設備については、置く場所だけでなく、搬送ルートとの干渉や作業者の通行も確認したい点です。現場の空きスペースに収まっても、荷物の仮置き場所を減らしてしまう場合は、倉庫全体の運用も見直す必要があります。
上位システム・エレベーター・周辺設備との連携費用
エレベーターなどと連携させたい場合は、ロボット側と、接続するエレベーター・自動ドア・自動シャッターなどの設備側の費用を分けて聞くと、必要な予算が見えてきます。接続用の機器名が料金に含まれていても、それはロボット側の接続費用であり、既存設備側の改修は別費用となることが多いため、範囲を確認しましょう。
倉庫管理システムと連携する場合は、倉庫管理システムからAGFに搬送指示を出した後、完了や異常の情報をどこへどのように返すのかを決めます。接続する仕組みがあることと、自社の業務手順に合わせて動作することは別です。通常時だけでなく、通信が止まった場合の処理も含めて見積もりを依頼すると、運用開始後の追加対応費用などを見込みやすくなります。
社内の立ち上げ作業と運用教育も計画に入れる
見積書の金額を確認したら、社内で進める準備と担当者も決めておきましょう。現場の整理、荷物の置き方の統一、担当者の教育、運用手順の作成などが対象です。
例えば、搬送先の呼び方が部署ごとに異なる場合は、設定前に名称をそろえる必要があります。異常時に誰へ連絡するかが決まっていなければ、機体を導入しても復旧の判断に時間がかかります。
社内準備は、担当者名と完了予定を付けて管理すると進めやすくなります。外部の作業開始を待ってから整えるのではなく、現地調査で分かった課題を社内の準備項目へ反映することで、立ち上げ時の手戻りを抑えられます。
維持費はどのくらい必要?使い続けるための費用を確認
使い始めてからの費用は、毎月の保守などの固定費と、使い方に応じて発生する費用に分けると整理しやすくなります。保守料金に何が含まれ、何が別料金になるのかも確認しておきましょう。
保守契約は対応範囲と復旧までの流れを見る
保守を比べるときは、受付時間、遠隔・訪問対応の範囲、部品代の扱いを確認しましょう。同じ「サポート付き」でも、現場への訪問や交換部品が別料金なら、故障時の支出は変わります。
夜間もAGFで搬送業務を行う計画なら、異常を受け付ける時間と、実際に復旧作業を行える時間を分けて確かめます。受付窓口が開いていることだけで、現場へすぐに到着することや稼働を続けられることが保証されるわけではありません。
自社でできる復旧操作、販売会社への連絡方法、訪問が必要になる条件を整理すると、契約内容と社内体制の両方を決められます。保守料金だけでなく、搬送停止中に荷物をどう動かすかも、関係する部署間で合意しておくと安心です。
ソフトウェアと連携機能の利用料を分ける
ソフトウェアの料金は、基本の走行に必要なものと、追加機能(マッピングシステム、API連携システムなど)と分けて確認します。機体本体の月額ライセンス料が不要でも、複数台の連携や設備との接続に別の契約が必要な場合があります。
一方で、後から追加すると再設定や単体・総合テストなどが必要になる場合もありますので、全体の追加機能についても事前にレクチャーを受けておきましょう。
電力・消耗品・点検の経費はAGFの想定する稼働条件に合わせる
電力や消耗品の費用は、自社で何時間、どのように使うかを伝えて見積もりましょう。バッテリーや消耗品の交換、電力、日常点検などを、保守契約に含むものと自社負担のものに分ける方法が役立ちます。
交換時期が運用に左右される部品については、固定の周期を前提にせず、点検方法と交換判断の目安を販売会社へ確認します。交換作業の料金や作業中の停止時間も、機体の利用計画に関わります。
自社で担当する日常点検や清掃にも時間が必要です。これらを無視して「搬送作業が減った時間」をそのまま効果にすると、運用後の負担との差が生まれます。点検担当を決め、通常業務の中で続けられる手順にすることが大切です。
初年度と利用期間全体ではいくら?費用の計算例
本体と維持費を整理したら、初年度と、使い続ける期間全体でいくらになるかを計算してみましょう。ここでは公開料金を使い、支出の考え方を確認します。
公開料金から、本体と保守の小計を計算する
まず、AutoForkウォーキーの本体と任意保守を合計してみます。以下は、掲載されている下限額が変わらないと仮定した編集部の計算で、実際の導入総額や見積額ではありません。
- 最初の12か月:本体640万円+保守5万円×12か月=700万円(税別)
- 60か月:本体640万円+保守5万円×60か月=940万円(税別)
「から」の料金を固定した計算で、個別見積もりでは変わります。この小計には、セットアップ、訪問保守、追加機能、電力、消耗品などを含みません。また、60か月を製品寿命や契約期間として示しているわけではなく、利用期間をそろえて支出を比較するための仮定です。
実際の計画では、購入・納入時に払う費用、稼働開始後に毎月払う費用、不定期に払う費用を分けます。合計額が予算に収まっていても、導入前に必要な支払いが集中する場合は、その時期の資金を確保する必要があります。
比較表では「含む・別途・不要・未確定」を区別する
見積もりの空欄をゼロ円と扱わず、費用の状態を明確にすると比較が進みます。未確定の項目は、理由と金額が決まるタイミングも合わせて整理します。
| 比較項目 | 本体購入例:AutoForkウォーキー | 見積もりで確かめる点 |
|---|---|---|
| 基本の支払い | 本体購入費 | 予算:同じ利用期間の支出と支払時期 |
| 設定・設備連携 | 基本設定と高度な連携を区別 | 予算:設備側を含めた担当範囲と追加費 |
| 保守 | 任意契約。訪問保守は有償 | 運用:受付・訪問・部品代、停止時の対応 |
| 期間・終了 | 本体と付帯サービスの契約を分ける | 契約:途中終了や移設で発生する費用 |
右列は見積もり依頼に使う確認項目として整理しています。
見積もり同士の差は、値引きだけでなく、作業や保証範囲の差で生まれる場合があります。金額の低い見積もりに合わせて項目を削る前に、減らした作業を誰が担うのかを確認すると、総支出の比較に近づきます。
無人フォークリフトの費用対効果はどう判断する?
投資判断では、減らせる支払いと、新しく生まれる作業時間の価値を分けます。自動化した時間のすべてが、そのまま経費の節約になるとは限りません。
削減できる経費と、人員の再配置を分けて評価する
残業や外注への経費や支払いが減る効果と、担当者が別作業へ移れる効果は、別の項目として示すと明確です。人員を別の仕事へ振り向ける計画なら、その仕事で何が改善するのかまで整理します。
例えば、搬送を待つ時間が減り、検品に時間を使えるようになる計画では、検品の遅れや出荷待ちがどう変わるかが評価対象になります。人件費の経費がそのままなら、「人数相当の作業時間が空くこと」と「給与支出が減ること」を同じ効果として数えないことが大切です。
トヨタL&Fの公表事例では、AGFと移動ラックによる搬送自動化で、作業者が別作業を行えるようになったと報告されています。これは当該現場の運用効果であり、自社でも同じ効果が得られるという意味ではありません。自社で振り向けたい作業まで検討することで、価格だけでは見えない導入目的を整理できます。
回収期間は年間運用費も含めて考える
回収期間とは、導入時にかかった費用を、導入後の節約分で取り戻すまでの年数です。まず、残業代や外注費など、1年間に減らせる経費を見積もります。ただし、導入後には保守費・電気代・利用料などもかかるため、減らせる経費から、新たに増える年間運用費を引いた金額を使って計算します。
例えば、導入費が1,000万円、年間に減らせる経費が300万円、新たにかかる年間運用費が100万円だとします。この場合、1年間に実際に節約できる金額は「300万円-100万円=200万円」です。導入費1,000万円を毎年200万円ずつ回収するので、「1,000万円÷200万円=5年」が回収期間の目安になります。
保守費などの運用費を引かずに計算すると、実際よりも早く導入費を回収できるように見えてしまいます。
※上記の金額は計算方法を説明するための仮定で、特定製品の価格や導入効果を示すものではありません。
費用対効果を考える際は、初期費用と年間の効果・運用費を分けて評価します。計算に使う便益は、支払い削減の根拠や、新たに処理できる業務の価値が説明できるものに絞ります。作業時間の短縮と、その時間を使った増産効果を同じ部分で二重に数えないことも重要です。
年間の導入効果が、新たにかかる追加分の年間運用費以下になる場合は、この計算では初期投資を回収できません。また、この方法は毎年の効果と費用が一定と仮定した概算です。借入金の利息や将来の費用変動などは別に確認し、最終的には経理・財務担当者と計算に含める項目や社内の投資基準を合わせましょう。
見積もり相談では何を伝える?導入費用を具体化する進め方

「まだ機種も台数も決まっていない」という段階でも、任せたい作業と現場の状況を伝えることから相談を始められます。必要な情報を整理し、自社に合う構成と費用を確認していきましょう。
現状の作業と、導入で変えたいことをまとめる
最初は、現場で困っていることと、自動化したい作業を一緒に書き出してみましょう。人手が足りない時間を補いたいのか、長い距離の往復を減らしたいのかによって、優先する運用が変わります。
- 搬送元と搬送先、荷物の重さ・形・パレットの条件
- 作業が集中する時間帯、通常時と繁忙時の搬送量
- 床、通路、充電場所、出入口、利用中の設備
- 導入希望時期、予算、社内で担当できる設定や保守作業
すべての情報がそろっていなくても大丈夫です。未定の項目は、そのことを伝えたうえで相談しましょう。例えば、台数を先に決める代わりに、処理したい荷物の量を共有すれば、その量を運ぶための構成を提案してもらえます。導入希望時期と、現場を調整できる時期も分けて伝えると準備が進みます。
現地調査では、見積もりの前提条件を記録する
現地調査の後には、そのまま対応できる作業と、追加の準備が必要な条件を、書面で確認しておきましょう。打ち合わせの認識だけに頼らず、見積書がどの現場条件を前提にしているかを残すためです。
例えば、パレットの置き方を統一することが導入条件なら、誰がどの工程で対応するかを決めます。現地調査時には空いていた通路が通常は荷物で埋まる場合は、日常の運用を前提に見積もりを見直す必要があります。
担当会社が複数あるときは、ロボット、設備、建物、情報システムの担当者が同じ図面や工程表を使うと認識を合わせやすくなります。必要な調整を誰も見積もっていない状態を防ぐことが、予算を管理するうえで重要です。
段階導入と一括導入を、将来の変更費まで比べる
まず特定の工程を自動化する案と、周辺設備まで一度に連携させる案を比べると、投資の順番を決めやすくなります。当初の支払いだけでなく、次の段階へ進むための作業も評価対象です。
段階導入では、現場の運用を学びながら対象を広げられる一方、再設定や設備連携を後から実施する手間があります。一括導入では、関係者の調整範囲や立ち上げ作業が大きくなります。どちらが適するかは、自動化対象がどこまで決まっているかに左右されます。
相談時に「まず実現したい工程」と「将来検討したい工程」を区別して示すと、初回に必要な構成を絞り込めます。後から追加できる機能についても、その契約条件と導入に必要な作業を提案に含めてもらうと、将来の予算へつなげられます。
価格だけで決めると見落としやすい注意点は?
価格表の数字だけで決める前に、何が含まれる金額なのか、運用を変えると費用がかかるのかも確認しましょう。ここでは、見積もりで見落としやすい点をまとめます。
「から」の金額を、そのまま確定予算にしない
公開価格の下限額は、候補を検討する手がかりです。対象となる仕様やサービスの範囲を超える場合は、個別の費用が加わります。本体、ソフトウェア関連、設定、連携、運用を含めた見積もりが社内予算を決める際の基準になります。
公表時期の異なる価格や、別モデルの費用を混ぜることにも注意が必要です。同じシリーズでも、含まれる機能や料金体系が変われば単純に比較できません。契約前は、メーカー・販売会社の最新条件と見積書を照合しましょう。
停止時の対応を価格比較から外さない
機体を動かせないときの対応は、保守契約と現場の代替運用をセットで考えます。有人にて一時的に搬送する案、対象工程を限定する案などを、継続したい業務に合わせて検討します。
代替運用案には、担当者や作業場所の確保も関わります。普段の搬送から人を外せても、停止時に対応できる人がいないと、その工程が長く止まるおそれがあります。稼働率だけでなく、止まったときにどこまで業務を維持できるかも、トラブル対応時の判断材料になります。
移設・機能変更・契約終了の条件を見落とさない
利用中の変更や終了時に何が必要かまで見積もると、長期の費用を把握しやすくなります。倉庫の移転、棚配置の変更、対象荷物の追加など、自社で想定している変更を契約前に共有する方法が有効です。
再設定を自社で行える範囲と、外部作業が必要な範囲を分け、契約終了時の機体やデータの扱いも確認します。月額契約では途中終了の条件も重要です。将来の変更をすべて見通す必要はありませんが、既に予定されている変更を含めて計算することが大切です。
よくある質問
料金の見方や相談前の準備について、迷いやすい点をまとめます。
無人フォークリフトは本体代だけで導入できますか?
本体だけで利用できる基本機能があっても、自社の現場で必要な設定や設備対応によって追加費用が変わります。車両の購入と、業務を始められる状態までの準備を分けて考えることが大切です。ルート設定を自社で行う場合も、担当者の作業時間は必要になります。現地調査では、任せたい工程の開始から受け渡し完了までを共有し、本体に含むもの、別途手配するもの、自社で対応するものを分けて見積もると判断しやすくなります。
月額ライセンス料が不要なら、維持費もかかりませんか?
月額ライセンス料が不要でも、維持費全体がゼロになるわけではありません。保守、消耗品、電力、日常点検などは別の項目として検討します。保守を契約する場合も、訪問対応や部品代が料金に含まれるかで支出は変わります。また、追加の連携機能を使うと別の利用料が必要になる場合があります。基本運用と追加機能を分け、固定の支払いと使用状況に応じた費用を整理すると、導入後の予算を見込みやすくなります。
購入と月額契約は、どちらが安くなりますか?
利用期間、機種、含まれる設定・保守、終了条件が違うため、一律には決められません。同じ工程を同じ期間運用する条件で、開始時から終了時までの支払いを比較することが基本です。月額には本体だけでなくサービスが含まれる場合があり、購入価格を月数で割った数値とは区別が必要です。総額に加えて支払時期も確認すると、費用の小ささだけでなく、自社の資金計画に合う契約方法を検討できます。
台数や機種が決まっていなくても、費用の相談はできますか?
任せたい作業と現場の条件を整理しておけば、必要な構成を相談する材料になります。搬送元・搬送先、荷物の重さと形、搬送量、稼働時間帯を共有することから始められます。写真や簡単な図面も、条件を伝える助けになります。予算や導入時期が未定なら、その段階であることを伝え、まず対象工程を絞った案を検討する方法があります。台数を先に固定するより、求める処理量に合う構成を確認すると予算を具体化できます。
まとめ
無人フォークリフトの価格は、本体の表示額だけでなく、自社で使い始めてから使い続けるまでの費用で考えます。本体・導入準備・維持費を分け、同じ利用期間で合計すると、必要な予算をつかみやすくなります。
まずは任せたい作業を決め、現場に合う機種を確認し、設定・保守を含む見積もりを比較しましょう。導入後の効果は、他の業務に使えるようになった時間と、実際に減らせる支出を分けて考えることが大切です。
自社の場合の費用を知りたい方は、荷物や搬送ルート、困っている作業を整理して相談してみましょう。機種や台数が決まっていなくても、現場の条件から検討を進められます。
自社への導入に、どのくらいかかる?
荷物や搬送条件などを入力すると、無人フォークリフトの導入費用の目安を確認できます。
連絡先の入力なしで結果を確認できます。実際の費用は、現場条件や設備連携・保守の範囲によって異なります。