スマート農業EXPOの看板と展示会場

スマート農業EXPO 2026レポート|自動操舵・草刈り・運搬を支える4社に注目

2026年10月7日から9日まで、幕張メッセで「第13回 スマート農業EXPO」が開催されました。「農業WEEK」の構成展として、IT・DX、ドローン、農業ロボットなど、農業の現場を支える技術が集まる展示会です。

今回は、自動操舵や草刈り、収穫物の運搬など、日々の農作業を省力化する製品に注目しました。今ある農機に取り付けて使うシステムから、屋外を自動で走行するロボットまで、4社の展示を紹介します。

自動操舵から草刈りまで、農作業を支える「ALLYNAV」

ALLYNAVブースに並ぶクローラ式農業ロボット
ALLYNAVのブース。赤いクローラ式の農業ロボットが並ぶ。

赤いクローラ式の農業ロボットと、ハンドル・モニターを組み合わせた展示が目を引いたのが、ALLYNAVです。ブースでは、自動操舵システムや草刈りロボットなど、異なる作業を支える製品が紹介されていました。

自動操舵システムの展示では、「AF305」「AF718」などを紹介。なかでもAF305は、既存のトラクターなどに後付けできるシステムです。衛星測位を利用して操舵を支援し、走行時の負担軽減や作業の効率化を図ります。農機を丸ごと買い替えるのではなく、今ある設備を生かしてスマート化を進められる点が特徴です。なお、取り付けにあたっては、使用する農機の適合確認が必要です。

ハンドルとモニターを組み合わせたALLYNAVの自動操舵システム
ハンドルとモニターを組み合わせた自動操舵システム。
ALLYNAVのクローラ式草刈りロボットTaurus80E
クローラ式の草刈りロボット「Taurus80E」。機体上にはリモコンも。

草刈りの省力化を担うのが、電動式の草刈りロボット「Taurus80E」です。クローラ式の走行機構を備え、高精度な衛星測位を利用した自動走行と、リモコンによる操作に対応しています。果樹園や農地周辺などでの活用を想定しており、作業場所の条件に合わせて運転方法を選べます。

農機を操作する人を支援する自動操舵と、草刈りそのものを担うロボット。農作業のどの部分を省力化したいのかによって、異なる選択肢を検討できる展示でした。

作業用ユニットの交換で、屋外管理の幅を広げる「YARBO」

黒と黄色のYarbo Lawn Mower Proとクローラ式走行部
ワイ・システムズ国際が取り扱う芝刈り用ユニットを装着した「Yarbo Lawn Mower Pro」。

黒と黄色の車体が印象的だったのが、「Yarbo Lawn Mower Pro」です。車体の両側にはクローラを備え、前方に芝刈り用のユニットを取り付けた姿で展示されていました。

Yarbo Lawn Mower Proは、RTKによる高精度な衛星測位とカメラ・センサーを組み合わせて走行する芝刈りロボットです。作業経路の計画や芝刈り、充電場所への帰還を自動で行う設計で、広い芝生の管理や、繰り返し発生する作業の負担軽減を目指しています。

もう一つの特徴は、本体に取り付ける作業用ユニットを交換できることです。YARBOシリーズでは、芝刈りだけでなく、別売のユニットによる除雪や落ち葉の吹き飛ばしなどにも対応します。今回の展示は芝刈り仕様でしたが、製品の仕組みとしては、季節ごとに用途を変えて活用できる構成になっています。

一つの作業だけでなく、年間を通した屋外管理をどう省力化するか。施設や敷地の管理を考える際には、こうした使い方の広がりも検討のポイントになりそうです。

黄色いラインに沿って運搬を自動化する「SASAKI」

青いかごを載せ、黄色いチェーンの上に置かれたSASAKIのRAKU ROUTE
青いかごを載せた「RAKU ROUTE」。黄色いチェーンが走行ルートの目印。

SASAKI(ササキコーポレーション)のブースでは、クローラ式無人搬送車「RAKU ROUTE(ラクルート)」が展示されていました。青いかごを載せた機体と、人工芝の上に置かれた黄色いチェーンによって、収穫物を運ぶ場面をイメージしやすい展示になっていました。

「RAKU ROUTE SAG100」は、カメラで黄色いラインを認識し、そのルートに沿って走行する搬送車です。ルートの設定には市販のテープや紐、チェーンなどを使えるため、搬送経路を変更したい場合も、目印の配置を変えて対応できます。青色のラインを停止位置として使う運用にも対応しており、荷物の積み下ろし後はボタン操作で走行を再開できます。

無人搬送車とスマート農機を紹介するSASAKIの展示ブース
SASAKIのブースでは、収穫物を運ぶ場面をイメージできる展示が行われていた。

走行部にはクローラを採用し、屋外の凹凸にも対応する設計です。ただし、積載量や路面、傾斜などによって使用条件は変わります。

収穫や選別といった作業は人が行い、その間の運搬を機械に任せる。すべての工程を一度に自動化するのではなく、繰り返し発生する移動を切り分けて省力化する考え方が伝わる展示でした。

ワイヤレスで草刈りを省力化する「URSROBOT」

人工芝の上に展示された紺色と黄色のURSROBOT NEXMOW
水戸工業が取り扱うURSROBOT製の草刈りロボット「NEXMOW」。

台湾のURSROBOTが手がける草刈りロボット「NEXMOW(ネクスモウ)」です。人工芝の上に置かれた機体は、紺色のボディーと黄色い車輪が印象的でした。

NEXMOWの特徴は、作業範囲を区切る境界ワイヤーを敷設せずに運用できることです。アプリで作業エリアを設定し、高精度な衛星測位を利用して、その範囲内を自動で草刈りします。作成したエリアの地図は保存でき、複数の場所を管理する使い方にも対応しています。

さらに、製品資料では、一つのエリアで最大10台を連携させる運用や、交換式バッテリーによる稼働時間の延長も紹介されています。公園や企業の敷地、教育施設など、まとまった面積の緑地管理を想定した製品です。

草刈りロボットを選ぶ際は、刈り取り性能だけでなく、作業範囲をどう設定するか、複数の場所へどう持ち運ぶか、充電をどう行うかといった運用面も重要です。NEXMOWは、こうした日々の管理方法まで含めて検討したい製品といえそうです。

まとめ

今回紹介した4社の展示では、自動操舵、草刈り、運搬と、異なる作業に向けた省力化の方法が示されていました。

既存の農機に機能を追加する。繰り返し発生する草刈りを任せる。収穫物を運ぶ往復作業を切り分ける。スマート農業への取り組みは、現場のすべてを一度に変えることだけではありません。

まずは、日々の作業のなかで時間や負担がかかっている工程を整理し、機械に任せられる部分を探す。そのうえで、作業面積や路面、傾斜、測位環境、保守体制などを確認することが、導入を考える第一歩になるのではないでしょうか。

農作業を支えるロボットを、遠い未来の技術ではなく、身近な作業を分担する選択肢として考えるきっかけになる展示でした。

製品情報・参考資料
  1. 開催概要:幕張メッセ「第13回 スマート農業EXPO」(新しいタブで開きます)
  2. ALLYNAV「AF305 Automated Steering System」(新しいタブで開きます)
  3. ALLYNAV「Taurus80E Smart Lawn Mowing Robot」(新しいタブで開きます)
  4. YARBO「Lawn Mower Pro」製品情報(新しいタブで開きます)
  5. ササキコーポレーション「RAKU ROUTE(ラクルート)SAG100」(新しいタブで開きます)
  6. 水戸工業「NEXMOW」製品資料(PDF)(新しいタブで開きます)

写真は提供された会場写真を使用しています。製品の仕様・対応機能・国内での取り扱い条件は、各社の最新情報をご確認ください。

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