スパッタリング装置|5種類と用途・比較基準・主要メーカーを紹介
  • 最終更新日:2024年4月10日
スパッタリング装置とは、薄膜を作成するための一種の真空プラズマ装置です。電子機器の製造などに使われる微細な薄膜を作る際に、この技術が広く活用されています。

一方で、スパッタリング装置は特徴の異なる製品がいくつかあります。そのため、目的や現場の状況に合わせた機械を選ぶことが重要です。

この記事では、一般的なスパッタリング装置の特徴と価格帯、構造の解説から、種類別のメリット・デメリット、導入の選定基準、そして主要なメーカー一覧まで紹介しています。

カタログ請求前に製品全体の情報をおおまかに整理しておくことで、最適な機械選びが可能となります。ぜひ最後までご一読ください。

スパッタリング装置とは?製品の特徴・原理と価格帯を紹介

スパッタリング装置の特徴・原理と価格帯

まず最初に、スパッタリング装置の基本的な特徴・原理と価格帯について説明します。

スパッタリング装置の基本的な特徴・原理

スパッタリング装置は、薄膜(非常に薄い層)を製造するための機械で、物理的気相成長法(PVD: Physical Vapor Deposition)という技術の一つです。PVDは、物質を気体の状態から固体の膜として成長させる方法で、特に電子機器の製造において重要な技術です。

作業はすべて真空の環境で行われます。真空状態なので、空気や他のガスはほとんどあるいはは全くなく、これにより不純物が薄膜に混入するのを防ぎます。

スパッタリングには、アルゴンガス(他の物質と化合することの少ないガスの一種)を装置内に導入します。そして、ターゲットと呼ばれるプレート状の材料にマイナスの電圧を加えます。このプロセスをグロー放電と呼びます。アルゴンガスの一部はイオン(電荷を持った粒子)に変わり、ターゲットの表面に高速で衝突します。

この衝突により、ターゲットの表面から金属原子が「はじき出され」ます。はじき出された金属原子は空間を飛び、最終的にはウェーハ(主に半導体デバイス製造に使用される薄い円盤状の材料)の上に移動し、そこに薄い膜として堆積(たいせき)します。この堆積した膜が、電子部品などに使用される薄膜です。

スパッタリング装置は、一般的に次のような一連の流れで動作します。

スパッタリング装置動作の流れ

  1. 装置のチャンバーを真空状態にしてから、アルゴンガスを導入
  2. ターゲットに電圧を印加してグロー放電を起こし、アルゴンガスをプラズマ状態に変化
  3. プラズマ中のアルゴンイオンがターゲットに衝突し、ターゲットの材料原子をはじき出す
  4. はじき出された原子がウェーハ(基板)上に移動し、薄膜を形成

スパッタリング装置の価格帯

スパッタリング装置の値段は、メーカーや種類、そして性能によって大きく異なりますが、一般的には数十万円から購入が可能です。

例えば、価格帯を次の三区分に分けることができます。

スパッタリング装置の価格帯

低価格帯:数十万円から数百万円程度
タイプ:デスクトップ型や小型の研究用スパッタリング装置
特徴:基本的な機能を持ち、通常はマニュアル操作。単一ターゲットや少数のターゲットでのスパッタリングが可能。小規模な研究室や教育機関での使用に適しています。
用途:材料科学や物理学の研究、教育目的、試作品の開発など。

中価格帯:数百万円から数千万円程度
タイプ:スタンドアロン型で、マルチターゲット対応や自動化された制御機能を持つスパッタリング装置
特徴:複数のガス導入機能、高度なプロセス制御、より高い堆積速度や均一性を実現。中規模の研究所や産業用途に適しており、様々な材料のスパッタリングが可能。
用途:より高度な研究開発、小~中規模の生産ラインでの使用。

高価格帯:約数千万円以上
タイプ:大規模産業用スパッタリング装置。フルオートメーション、インライン(連続生産ライン)対応、マルチチャンバー構造を持つ
特徴:高い生産性、複数のプロセスを一つの装置で実施可能、高度な制御とプロセスの最適化が可能。大量生産環境に適しています。
用途:大量生産のための産業用途、特に半導体、ディスプレイ、太陽電池パネルの製造など。


ここまで、スパッタリング装置の基本的な特徴・仕組みと価格帯について説明しました。次の章では、スパッタリング装置の基本構造を解説します。

基本的な特徴と仕組みを押さえた上で構造を理解することで、種類別の特徴が理解しやすくなります。ぜひ続けてお読みください。

スパッタリング装置の基本構造を解説

スパッタリング装置の基本構造

ここからは、スパッタリング装置の基本構造を解説します。以下が各項目です。

  • 真空チャンバー
  • ターゲット
  • 電源装置
  • ガス供給装置
  • 真空ポンプ
  • バイアス電源
  • マグネトロン

真空チャンバー

真空チャンバーは薄膜形成の場で、内部を特殊なポンプで真空状態にします。この環境で不純物の混入を防ぎ、高品質な薄膜を作ります。チャンバー内にはターゲットと基板が設置され、アルゴンガスも導入されます。

ターゲット

ターゲットは、薄膜を形成する際に素材として使用される板状の材料です。金属や絶縁体など、様々な種類の材料がターゲットとして用いられます。スパッタリングプロセス中、このターゲット表面から原子がはじき出され、基板上に薄膜として堆積します。

電源装置

電源装置から供給される高電圧によって、ターゲットにグロー放電を発生させ、プラズマ状態を作り出します。これにより、ターゲット表面の原子がはじき出され、基板上に薄膜として堆積するプロセスが可能になります。

ガス供給装置

ガス供給装置は、スパッタリングプロセス中にアルゴンガスを一定の流量で供給する装置です。アルゴンガスは放電プロセスを促進し、プラズマの生成を助ける役割を持ちます。供給されたガス内で発生したプラズマを通じて、ターゲット材料から原子がはじき出され、これが基板上に薄膜として堆積します。

真空ポンプ

真空ポンプは、スパッタリング装置の真空チャンバーから空気やその他のガスを排出し、必要な高度な真空状態を作り出すための装置です。この真空環境は、不純物が薄膜に混入するのを防ぎ、プラズマの生成を容易にするために不可欠です。

バイアス電源

バイアス電源は、基板に特定の電圧を印加(物体に電圧や電流を外部から与えること)して、スパッタリングプロセス中の成膜速度や膜質を精密に制御する装置です。この電圧により、基板表面への原子の堆積パターンやエネルギーが調整され、薄膜の密着性、均一性、および物理的・化学的特性を最適化できます。

マグネトロン

マグネトロンは、スパッタリング装置内で磁場を発生させるための装置です。プラズマの密度を高め、放電プロセスを安定させる役割を持っています。高密度のプラズマにより、ターゲットからはじき出される原子の数が増え、結果として成膜速度が向上します。

ここまで、スパッタリング装置の基本構造について説明しました。

スパッタリング装置の基本構造はこれで押さえられましたが、この構造部分の変動によって、スパッタリング装置の種類が異なってきます。次の章では、7種類のスパッタリング装置を確認し、各メリットとデメリットを説明します。

3種類のスパッタリング装置と用途・メリット・デメリット

スパッタリング装置の種類とメリット・デメリット

ここからは、スパッタリング装置の種類とそれぞれのメリット、デメリットについて解説します。スパッタリング装置は、次の3種類に分けることができます。


DCスパッタリング

DCはDirevt Current(直流)の頭文字を取っています。DCスパッタリングは、直流電源を使用してターゲット材料から原子を「スパッタ」(飛散させ)て基板上に堆積させる方法です。金属などの導電性材料のスパッタリングに適しています。

メリット

DCスパッタリングは、そのシンプルさとコスト効率の良さが際立ち、装置自体も比較的簡単で操作が容易なため、高い堆積率を実現することができます。効率的かつ経済的に高品質な薄膜を製造するための選択肢として理想的です。

デメリット

非導電性材料には適用できず、アーク放電のリスクやターゲットの局所的な加熱によって品質に問題が発生することがあります。特定の用途や材料を扱う際には考慮する必要があります。

RFスパッタリング

高周波(Radio Frequency)の電圧をターゲットに印加してプラズマを生成します。DCスパッタリングよりも成膜速度が速く、絶縁材料にも適用できます。また、高品質な膜が求められる場合にも選ばれます。

メリット

RFスパッタリングは非導電性材料のスパッタリングに適しており、そのプラズマが安定しているため均一な膜を得やすいというメリットがあります。また、アーク放電のリスクが低減されるため、より安定した薄膜製造プロセスが可能になります。

デメリット

DCスパッタリングに比べて堆積率が低く、装置の複雑さと高コストがデメリットとして挙げられます。さらに、RF電源の調整が難しいです。これらの要因が合わさって、コストが嵩むこともあります。

マグネトロンスパッタリング

磁場を閉じ込めてプラズマ密度を高めるスパッタリング装置です。成膜速度が速く、膜質が均一な薄膜を形成できます。DCまたはRFの電源を用いることができ、幅広い材料に適用可能です。大量生産や高品質な膜が必要な産業用途に適しています。

メリット

高いスパッタリング効率により、高密度プラズマを通じて均一で高品質な膜を容易に得ることができるメリットがあります。また、RFマグネトロンスパッタリングを利用することで、導電性および非導電性の材料の両方に対してこの技術を適用可能になり、幅広い材料への応用が可能です。

デメリット

ターゲットの均一な消耗を達成するためには、磁場の精密な設計が重要となります。また、使用するターゲット材料によっては、再配向や加熱などの追加的な管理が必要になる場合があります。スパッタリングプロセスの効率と品質を維持する上で、特に注意を払うべき点です。

ここまで、各スパッタリング装置の特徴とメリット・デメリットについて説明しました。

次の章では、実際に数多くあるスパッタリング装置の中から、貴社に最適な機械を選ぶ際の基準を7つ解説します。選定基準を把握することが一番大切ですので、ぜひ続けてお読みください。

製品の選定方法は?スパッタリング装置の比較基準7点

スパッタリング装置の選定基準

ここからは、スパッタリング装置を選ぶ際の選定基準を解説します。機械の導入に際して、検討すべき事項は以下の7点です。


スパッタリング電力

スパッタリング電力の増加は、薄膜製造プロセスにおいて複数の影響を及ぼします。したがって、スパッタリング電力の適切な調整は、薄膜の品質と生産効率のバランスを取るために重要です。

電力が強いことのメリットとしては、より高速な堆積率と膜質の向上が挙げられます。これにより、生産効率が高まり、薄膜の機能性や耐久性が向上する可能性があります。

しかし、デメリットとしては、ターゲットや基板の加熱による損傷のリスクが増加し、DCスパッタリングではアーク放電の可能性が高まります。さらに、電力の不均一な制御によって膜の均一性が低下する恐れもあります。

一方、スパッタリング電力が弱いと、ターゲットや基板への加熱が抑えられ、アーク放電のリスクも低減します。これにより、薄膜の品質を保ちやすくなり、特にデリケートな材料の処理に適しています。

しかし、デメリットとしては、堆積率が低下し、生産速度が遅くなることが挙げられます。また、電力が不足すると、薄膜の密着性や均一性に悪影響を及ぼすことがあり、最終製品の性能に影響する可能性があります。

アルゴンガス圧力

アルゴンガスの圧力変動は、スパッタリングプロセスの成膜品質に影響を与えます。したがって、アルゴンガス圧力の最適化は、所望の膜特性を達成しつつ、効率的なスパッタリングプロセスを維持するために重要です。

圧力が増加することによるメリットは、ターゲット表面での粒子の衝突頻度が高まり、より細かい粒子が基板に到達する可能性が高まることです。これにより、特定の条件下では膜の密着性が向上することがあります。

ただし、この圧力増加に伴うデメリットとしては、膜の粗さが増加し、スパッタリング率が低下してプロセス効率が悪化することが挙げられます。これは、高い圧力が原子の散乱を促進し、基板に到達する前に多くの原子が失われるためです。

一方、圧力の低下によるメリットは、スパッタリング率の向上とプロセス効率の改善です。低圧では原子が基板に直接到達しやすくなり、より均一で滑らかな膜が形成されます。

ところが、圧力があまりにも低いと、プラズマが不安定になりやすく、膜質が不均一になるリスクがあります。また、非常に低い圧力ではプラズマを維持するのが難しく、プロセス自体が不可能になる場合もあります。

ターゲットと基板間の距離

ターゲットと基板間の距離が長い場合、スパッタリング率は低下し、結果として膜厚の均一性に影響が出る可能性があります。この距離を適切に管理することで、膜の質を向上させるとともに、プロセス効率を最適化することが可能です。

ターゲットと基板間の距離を短くすることのメリットとしては、より高速な堆積率と均一性の向上が挙げられます。しかし、距離が近すぎると、ターゲットや基板への過度の加熱や物理的な損傷のリスクが高まる可能性があります。

一方で、距離を長くすると、スパッタリング効率が低下し、膜の均一性が損なわれることがありますが、過度の加熱や物理的損傷のリスクは低減します。

したがって、所望の膜特性を効率的に達成しつつプロセス効率を最適化するためには、ターゲットと基板間の距離を慎重に調整し、その影響を適切に管理することが重要です。

スパッタリング時間

スパッタリング時間の長短は、薄膜の厚さに直接影響を及ぼし、その結果、膜の品質と生産プロセスの全体的な効率にも影響します。したがって、求めている膜特性と生産目標を達成するためには、最適なスパッタリング時間の選定が不可欠です。

長いスパッタリング時間は膜厚の増加を促します。これが必要な場合には利点となりますが、同時に生産効率が低下し、特に高速生産が求められる状況では不利になる可能性があります。

一方、短いスパッタリング時間では膜厚が抑制され、生産速度は向上しますが、膜厚が不足すると、製品の性能要件を満たさない可能性があります。

プロセス設計段階での慎重な計画と調整により、膜厚と膜質を所望のレベルに保ちながら、生産性とコスト効率のバランスを最適化することを念頭に置いておくと良いです。

ガス組成

反応性ガスをスパッタリングプロセスに添加することで、薄膜の性能を特定の用途に適したものに調整することが可能です。この方法は、特に酸素や窒素など、特定の化学的性質を持つガスを利用して、薄膜の電気的または光学的特性を改善するのに有効です。

この技術の最大のメリットは、高度にカスタマイズされた膜特性を達成できる点にあります。

しかしながら、反応性ガスの使用はプロセス制御を複雑にし、装置の腐食リスクを高めることで、メンテナンスコストを増大させ、装置寿命を短くする可能性があります。

デメリットに対処するためには、ガスの種類と量を慎重に選定し、プロセス条件を厳格に管理する必要があります。適切なプロセス設計と制御によってのみ、求めている薄膜特性の生成を効率良く達成することができます。

ターゲット材料種

ターゲット材料の選択は、薄膜製造プロセスにおいて最終製品の特性を大きく左右します

理想的な薄膜特性を達成するためには、アルミニウム、銅などの単金属や合金、酸化物(TiO2、MgO、Al2O3、Nb2O5など)、複合酸化物(InGaZnO4やPb(Zr,Ti)O3など)、炭化物(TiCやSiCなど)を含む幅広いターゲット材料から選択することが重要です。

材料の選択は、求められる薄膜の機能に合わせて慎重に行われますが、コスト、材料の利用可能性、そしてプロセス開発の難易度といった課題も考慮に入れる必要があります。

適切な材料の選定とプロセス条件の最適化により、効率的かつコスト効果的に高品質な薄膜を製造することができます。薄膜の用途に応じて最も適した材料を選び、プロセスパラメータを精密に調整することが、成功の鍵です。

基板の温度

基板の温度管理は薄膜製造において重要な要素であり、適切に制御された場合、膜の結晶性、密着性、および均一性の向上に寄与します。したがって、基板の温度を最適に管理することは、高品質な薄膜を効率的かつ経済的に製造する上で不可欠です。

一方で、基板温度が高すぎると、基板自体に損傷や変形を引き起こすリスクがあり、これは特に精密なデバイス製造において重大な問題となり得ます。さらに、基板を加熱するためには追加のエネルギー消費が伴い、これがプロセスのエネルギー効率を低下させる要因となることがあります。

適切な温度管理をするには、プロセス設計段階での温度条件の慎重な選定と、製造プロセス中の厳密な温度制御が求められます。以上を経ることで、薄膜の特性を最大限に引き出しつつ、基板への損傷リスクを最小限に抑え、全体的なプロセス効率を向上させることができます。

以上、スパッタリング装置を選定する際の基準7点を紹介しました。次の章では、スパッタリング装置を製造するメーカーを一覧で紹介します。続けて読むと、貴社にとって適切なメーカーがわかりますので、是非ご一読ください。

スパッタリング装置を製造する主要メーカー3社の一覧

スパッタリング装置の製造・販売企業

ここからは、スパッタリング装置を製造している主要企業を紹介します。貴社の導入条件を整理し、比較基準の7点を確認した後は、実際にスパッタリング装置を製造している企業を探し、問い合わせてみてください。

主要なスパッタリング装置のメーカー3選


Applied Materials, Inc.(アプライドマテリアルズ)

アプライドマテリアルズは、アメリカ合衆国のカリフォルニア州シリコンバレーに本社を置く、世界最大の半導体製造装置メーカーです。 世界24ヵ国、120ヵ所以上に拠点を持つ多国籍企業で、半導体やディスプレイ業界に向けた製造装置、サービス、ソフトウェアを提供します。

Axcela、Charger UBMやEnduraといったスパッタリング装置を扱っています。例えばAxcelaは、きわめて優れたCOO(Cost of Ownership)と、8μmまでの膜厚に対応した設計で、それぞれのスパッタリングチャンバは、標準で最大3種類の異なる材料を成膜する能力を備えています。

さらにより高い成膜速度で同時スパッタリングを可能とするオプション機能を付加することができます。装置はコンパクトに設計されており、150、200、300、または330mmウェーハに対応するなど多様な組み合わせも可能です。

アプライドマテリアルズの強みは、高純度の薄膜形成にあります。PVD成膜プロセスは、ロジックとメモリの各種アプリケーションにおいて、金属や遷移金属窒化膜の非常に薄く高純度の膜を形成するために用いられます。

アプリケーションの具体的な例を挙げると、アルミスラブやボンドパッドのメタライゼーション、チタンおよび窒化チタンのライナー成膜、バリア成膜、Cuバリア/シード成膜などがあります。

アルバック

アルバックは、日本の神奈川県茅ヶ崎市に本社を置く、主に産業・研究機関向け真空装置を製造する真空総合メーカーです。真空機器事業と真空応用事業の2つの事業セグメントを持っています。

SMD シリーズなどのスパッタリング装置を扱っています。SMDシリーズは、金属膜、ITO、IGZO、誘電体膜等を成膜する枚葉式スパッタリング装置です。SMDシリーズは、1000台を超える豊富な納入実績を持ち、様々な生産環境下で稼動しています。生産現場からのフィードバックをタイムリーに反映し、信頼性をさらに向上させています。

アルバックの強みとなる技術は低パーティクルの実現と省スペース設計にあります。低パーティクルの実現については、基板のみの搬送及びサイドデポ方式により、装置内のパーティクルを大幅に低減し、高品質な成膜が可能となります。

また、省スペース設計というのは、装置の設計において、限られたスペースを最大限に活用することを重視しているということです。設置場所の柔軟性を高め、ユーザーの設備配置の自由度を向上させます。

キヤノンアネルバ

キヤノンアネルバは、日本の神奈川県川崎市に本社を置く、真空技術や成膜加工技術で真空薄膜製造装置や真空コンポーネント製品の開発・製造・販売・サービス事業を展開する企業です。

扱っているスパッタリング装置は、ML3000シリーズ、EL3400シリーズ、EL3200シリーズなどがあります。例えば、ML3000シリーズは、高速搬送、高成膜レート、生産規模に応じた構成に拡張可能なハードディスクの磁気ディスク向けスパッタリング装置です。

キヤノンアネルバの強みは、多様なアプリケーションへの対応と膜厚均一性・膜厚制御です。 磁気ヘッド、MRAM、半導体配線、LED生産など、幅広いアプリケーションに対応する製品ラインナップを持っています。 異なる材料や膜厚に対する高い柔軟性と精度を実現する技術力を示しています。

 また、高い膜厚均一性とナノレベルの膜厚制御が可能です。特にメモリ配線用やメタルゲート形成用のスパッタリング装置では、斜め入射回転スパッタ方式などを用いて、優れた膜厚均一性とナノレベルでの膜厚制御を実現しています。 高性能な半導体デバイス製造において重要な要素です。