12種類のステッピングモーターと特徴、比較方基準とおすすめのメーカー5社
  • 最終更新日:2024年9月13日
ステッピングモーターの選び方やメーカーを知ることは、最適なモーターを選ぶ上で非常に重要です。

本記事では、ステッピングモーターの12種類に加えて、そのメリットと比較を詳しく解説します。また、選び方のポイントやおすすめのメーカーもご紹介します。

12種類のステッピングモーターと特徴

ステッピングモーターの種類と特徴

ステッピングモーターは、パルス信号に応じて回転角度を正確に制御できるモーターです。基本的な動作原理は、電気信号を与えることで磁界を作り、その磁界がローターを特定の角度(ステップ角)だけ回転させる仕組みです。これにより、非常に精密な位置制御が可能であり、位置決めが重要なシステムに広く用いられます。

また、オープンループ制御が可能で、位置センサを使用せずに簡素なシステム設計が実現できることも特徴です。さらに、小型でありながら高トルクを発生でき、頻繁な起動や停止が求められる用途にも適しています。

主な用途としては、3Dプリンター、ロボット、自動改札機、医療機器などがあります。

ステッピングモーターの主な種類として、以下の12種類が挙げられます。

  • ユニポーラ型ステッピングモーター
  • バイポーラ型ステッピングモーター
  • VR型(可変リラクタンス型)ステッピングモーター
  • PM型(永久磁石型)ステッピングモーター
  • HB型(ハイブリッド型)ステッピングモーター
  • 2相ステッピングモーター
  • 3相ステッピングモーター
  • 5相ステッピングモーター
  • リニアステッピングモーター
  • クローズドループステッピングモーター
  • オープンループステッピングモーター
  • マイクロステップステッピングモーター

ユニポーラ型ステッピングモーター

ユニポーラ型ステッピングモーターは、各コイルへ一方向に電流を流すことで動作するモーターです。一般的には、4つのコイルの中心に1つの共通端子があり、各コイルは一方向に電流を流すことで磁界を作り、モーターの回転を制御します。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 制御回路が簡単で、ドライバ設計が容易
  • 磁極を切り替えるための電力消費が少ない
  • コストが低く、一般的な用途で使いやすい

このモーターは、コストを重視するシンプルな制御が必要な装置や、軽負荷での回転精度が求められるアプリケーションに適しています。

バイポーラ型ステッピングモーター

バイポーラ型ステッピングモーターは、各コイルに双方向に電流を流すことで動作するモーターです。一般的に2つのコイルが用いられ、電流の方向を切り替えることで磁界を反転させ、回転を精密に制御します。ユニポーラ型に比べて高トルクを発生させることができ、特に重負荷や高精度の制御が求められる用途に適しています。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 高トルクを発生させることが可能
  • 精密な制御が可能で、逆起電圧を低く抑えることができる
  • ユニポーラ型に比べてドライバ回路が複雑

バイポーラ型ステッピングモーターは、高トルクが必要な装置や、精密な位置決めが求められる機器に適しています。特に、産業用機器や高負荷の駆動装置で活躍します。

VR型(可変リラクタンス型)ステッピングモーター

VR型ステッピングモーターは、ローターが磁化されておらず、ステータの磁場によって動作するモーターです。このモーターは、ローターとステータの間のリラクタンス(磁気抵抗)の変化を利用して回転を制御します。ローターには永久磁石が使われておらず、ステータが電磁石として機能することで、高速回転と精密な位置決めが可能になります。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 構造がシンプルでコストが低い
  • 高速回転が可能
  • 永久磁石を使用しないため、ローターの製造が容易

VR型ステッピングモーターは、高速回転や軽負荷の正確な位置決めが必要な用途に適しており、オフィス機器や家庭用電化製品などで利用されます。

PM型(永久磁石型)ステッピングモーター

PM型ステッピングモーターは、ローターに永久磁石を使用したモーターです。このモーターは、ステータのコイルに電流を流すことで磁界を発生させ、その磁界によってローターの永久磁石が引き寄せられ、回転が生じます。この構造により、高トルクと高精度な位置決めが可能であり、比較的低速な動作にも強みがあります。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 高トルクを発生させることが可能
  • 高精度な位置決めができる
  • 低速でも安定した動作が可能

PM型ステッピングモーターは、高精度な位置決めが求められる装置や、トルクが重要な用途で広く活用されています。特に、プリンターや医療機器などでの使用が一般的です。

HB型(ハイブリッド型)ステッピングモーター

HB型ステッピングモーターは、VR型(可変リラクタンス型)とPM型(永久磁石型)の特徴を組み合わせたモーターです。このモーターは、VR型のシンプルな構造とPM型の高トルク・高精度な位置決め能力を融合させており、幅広い用途に対応できます。特に、トルクと精度の両方が求められる場合に優れた性能を発揮します。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 高トルクを発生させることが可能
  • 高精度な位置決めができる
  • VR型とPM型の利点を兼ね備え、汎用性が高い

HB型ステッピングモーターは、高トルクと高精度の両方が求められる用途に適しており、産業用機器やロボティクス、医療機器などで広く活用されています。

2相ステッピングモーター

2相ステッピングモーターは、2つの相を持つ構造で、各相に電流を交互に流すことでステータの磁場を変化させ、ローターを回転させるモーターです。このシンプルな構造により、コストが低く、制御が容易であるため、広く普及しています。特に、基本的な回転動作が求められる用途において、信頼性の高い選択肢となっています。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 構造がシンプルで、製造コストが低い
  • 制御回路が簡単で、容易に使用できる
  • 安定した回転動作を提供

2相ステッピングモーターは、簡単な制御が求められる用途や、コストを抑えたいプロジェクトに最適です。一般的には、プリンターや小型機器の駆動装置として利用されます。

3相ステッピングモーター

3相ステッピングモーターは、3つの相を持つ構造で、各相に電流を順次流すことで滑らかな回転を実現するモーターです。このモーターは、各相のコイルが連続的に駆動されることで、回転時の振動が少なく、より安定した動作が可能です。特に、精密な回転制御や高速での安定動作が求められる用途に適しています。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 滑らかな動作が可能
  • 高速でも安定した回転が実現できる
  • 振動が少なく、精密な制御が可能

3相ステッピングモーターは、滑らかな動作が求められる産業機器や、精密な位置決めが必要な装置に最適です。特に、ロボティクスや自動化装置での利用が一般的です。

5相ステッピングモーター

5相ステッピングモーターは、5つの相を持つ構造で、他のステッピングモーターに比べてより高精度な位置決めと高トルクを実現するモーターです。このモーターは、各相のステップが細かくなるため、回転の滑らかさが向上し、制御精度が飛躍的に高まります。そのため、高度な精度とトルクが要求される産業用機器や医療機器などで広く利用されています。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 高精度な位置決めが可能
  • 高トルクを発生させることができる
  • 滑らかな回転動作を実現

5相ステッピングモーターは、高精度な位置決めと高トルクが求められる用途に適しています。特に、産業用機器や医療機器など、精密さが重要な分野での利用が一般的です。

リニアステッピングモーター

リニアステッピングモーターは、回転運動ではなく直線運動を行うように設計されたモーターです。このモーターは、回転モーターの動きを直線運動に変換する必要がなく、直接的に直線運動を得られるため、精度と効率が高まります。特に、直線的な位置決めが求められる用途で、その高精度と信頼性が重宝されています。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。
  • 直線運動が直接得られるため、変換機構が不要
  • 高精度な直線的な位置決めが可能
  • コンパクトな設計が可能で、効率が高い

リニアステッピングモーターは、直線運動が必要な用途に最適で、特に精密な位置決めが必要な自動化装置や測定機器、医療機器などで広く利用されています。

クローズドループステッピングモーター

クローズドループステッピングモーターは、フィードバック制御を行うことで、位置や速度を正確に制御することができるモーターです。このモーターは、エンコーダーなどのフィードバックデバイスを用いて、目標位置と現在の位置を常に比較し、必要に応じて補正を行うため、脱調を防ぎ、精度の高い動作を実現します。そのため、サーボモーターとも呼ばれることがあります。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 脱調を防ぎ、安定した動作が可能
  • 高精度な位置制御が可能
  • フィードバック制御により、高負荷時でも精度が維持される

クローズドループステッピングモーターは、高精度な制御が必要な用途に最適で、特に産業用ロボットや自動化装置、医療機器など、精密さと信頼性が求められる分野で広く使用されています。

オープンループステッピングモーター

オープンループステッピングモーターは、フィードバック制御を行わないタイプのステッピングモーターで、一般的に「ステッピングモーター」と言うとこのタイプを指します。このモーターは、目標位置に対して直接コマンドを送り、位置や速度の確認を行わないため、制御がシンプルで、コストを低く抑えることができます。簡単な動作や精度がさほど求められない用途で広く利用されています。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 制御が簡単で、ドライバ回路がシンプル
  • コストが低く、手軽に導入可能
  • フィードバック制御が不要な場合に最適

オープンループステッピングモーターは、簡単な制御が求められる装置や、コストを重視するプロジェクトに適しています。例えば、プリンターや家庭用機器など、精度よりもシンプルな動作が重要な場面で利用されます。

マイクロステップステッピングモーター

マイクロステップステッピングモーターは、通常のステッピングモーターよりも非常に細かいステップで動作するモーターです。この技術により、モーターの動作が滑らかになり、従来のステッピングモーターでは得られない高精度な位置決めが可能となります。特に、精密な制御が求められる場面や、振動を最小限に抑えたい場合に優れた性能を発揮します。

この種類のモーターには、以下のような特徴があります。

  • 非常に細かいステップによる滑らかな動作
  • 高精度な位置決めが可能
  • 振動やノイズを低減できる

マイクロステップステッピングモーターは、非常に高精度な位置決めが必要な用途や、滑らかな動作が求められる精密機器、医療機器、光学機器などで利用されます。

ステッピングモーターのメリット・デメリット

ステッピングモーターの強みと課題.

ステッピングモーターには、メリットとデメリットの両方があります。このセクションでは、これらについて解説します。

メリット

ステッピングモーターには、主に以下のメリットがあります。

  • 高精度な位置決め
  • 制御が簡単
  • コスト効率が高い

高精度な位置決め

ステッピングモーターは、パルス信号に同期して一定の角度で回転するため、非常に高精度な位置決めが可能です。

このメリットのため、ステッピングモーターは特に以下の用途に適しています。

  • 3Dプリンター:高精度な位置決めにより細かい造形が可能
  • CNCマシン:正確な切削や彫刻が可能

制御が簡単

ステッピングモーターは、パルス信号の数と周波数で簡単に制御できるため、複雑なコントローラを必要としません

このメリットのため、ステッピングモーターは特に以下の用途に適しています。

  • 自動改札機:簡単な制御で正確な動作が求められる
  • コピー機:用紙の搬送やスキャンヘッドの移動などで正確な位置決めが必要

コスト効率が高い

オープンループのステッピングモーターは、エンコーダや複雑な制御回路を必要としないため、他のモーションコントロールシステムに比べて安価です。

このメリットのため、オープンループのステッピングモーターは特に以下の用途に適しています。

  • 家庭用プリンター:コストを抑えつつ高精度な印刷が可能
  • 監視カメラ:コスト効率が高く、正確な位置決めが必要

デメリット

一方で、ステッピングモーターには以下のようなデメリットもあります。

  • 脱調(ステップロス)
  • 振動と騒音
  • 効率の低さと発熱

脱調(ステップロス)

ステッピングモーターは、負荷が大きすぎたり急激な速度変化があると、パルス信号に同期できずに脱調(ステップロス)することがあります。

このデメリットを軽減するためには、次の方法が有効です。

  • クローズドループ制御:フィードバックセンサーを使用してモーターの位置を常に監視し、脱調を防ぐ
  • 適切な加速・減速プロファイル:急激な速度変化を避け、スムーズな加速・減速を行う

振動と騒音

ステッピングモーターは、ステップごとに動作するため、低速運転時に振動や騒音が発生しやすいです。

このデメリットを軽減するためには、次の方法が有効です。

  • マイクロステップ駆動:ステップを細かくすることで、振動を減らし動作を滑らかにする
  • ダンパーの使用:モーターにダンパーを取り付けることで振動を吸収し騒音を低減する

効率の低さと発熱

ステッピングモーターは、負荷に関係なく一定の電流を流し続けるため、効率が低く発熱しやすいです。

このデメリットを軽減するためには、次の方法が有効です。

  • 電流制御ドライバの使用:必要な電流だけを供給し効率を向上させ発熱を抑える
  • 適切な冷却システム:ヒートシンクやファンを使用してモーターの温度を管理し過熱を防ぐ

8つの比較基準 | ステッピングモーターの選び方

ステッピングモーターの選定基準

ステッピングモーターを選ぶ際は、主に以下の8つのポイントを考慮する必要があります。

  • ステップ角
  • トルク
  • 回転速度
  • 保持トルク
  • インダクタンス
  • 抵抗
  • 慣性モーメント
  • 電流定格

ステップ角

ステップ角とは、ステッピングモーターが1ステップで回転する角度を指します。ステップ角が大きい場合、1回のステップで大きな回転が生じるため、回転速度が速く、制御が簡単になります。一方、ステップ角が小さい場合は、回転が細かくなり、位置決めの精度が向上します。用途に応じて、ステップ角の大小を選択することが重要です。

ステップ角が大きいことと、以下のようなメリットがあります。

  • 制御が簡単
  • コストが低い
  • 高速回転が可能

ステップ角が大きいモーターは、回転速度が重視され、精度がさほど重要でない装置やシンプルな制御が求められる用途に適しています。例としては、ファンやポンプなどの用途があります。

一方で、ステップ角が小さいことのメリット:は以下の通りです。

  • 高精度な位置決めが可能
  • 動作が滑らか
  • 振動が少ない

ステップ角が小さいモーターは、精密な位置決めや滑らかな動作が求められる用途に適しています。例としては、3Dプリンターや精密加工機械などの用途があります。

トルク

トルクとは、ステッピングモーターが回転運動を行う際に発生する力のことを指します。トルクが高いほど、重い負荷を動かす能力が増し、高負荷のアプリケーションでの使用に適しています。反対に、トルクが低いモーターは消費電力が少なく、発熱が抑えられるため、小型機器や軽負荷の用途に適しています。

トルクが高いことのメリット:は以下の通りです。

  • 高負荷の動作が可能
  • 力強い回転力を提供
  • 重い装置や負荷のかかる場面での信頼性が高い

トルクが高いモーターは、産業用ロボットや重機械の駆動など、重い負荷を扱う必要があるアプリケーションに適しています。

一方で、トルクが低いことのメリット:は以下の通りです。

  • 消費電力が低い
  • 発熱が少ない
  • 軽量でコンパクトな設計が可能

トルクが低いモーターは、精密機器や軽負荷の機器、例えば小型プリンターや計測機器などで使用されることが多いです。

回転速度

回転速度とは、ステッピングモーターが一定時間内に回転する速度を指します。回転速度が速いモーターは、短時間で多くのステップを実行できるため、高速な動作が可能です。一方、回転速度が遅いモーターは、精度が高く、振動が少ないため、精密な動作が求められる場面に適しています。用途に応じて、回転速度を選択することが重要です。

回転速度がが速いことのメリットは以下の通りです。

  • 高速動作が可能
  • 生産性が向上
  • 効率的な動作が可能

回転速度が高いモーターは、迅速な動作が求められる装置や、短時間で作業を完了させる必要がある用途に適しています。例としては、製造ラインやコンベアシステムでの使用があります。

一方で、回転速度が遅いことのメリットには以下のものが挙げられます。

  • 高精度な動作が可能
  • 振動が少ない
  • 安定した動作が可能

回転速度が遅いモーターは、精密な位置決めや振動を抑えた動作が必要な用途に適しています。例としては、光学機器や精密加工機械での使用があります。

保持トルク

保持トルクとは、ステッピングモーターが停止した際にその位置を維持するために必要なトルクを指します。保持トルクが高いモーターは、停止時の位置保持が強固であり、外力による位置ずれを防ぐことができます。一方、保持トルクが低いモーターは、発熱が少なくエネルギー効率が高いため、軽負荷での使用に適しています。用途に応じて、保持トルクの高低を選択することが重要です。

保持トルクが高いことのメリットは以下の通りです。

  • 停止時の位置保持が強固
  • 外力による位置ずれを防止
  • 高精度な固定が可能

保持トルクが高いモーターは、外力が加わる可能性がある装置や、精密な位置保持が求められるアプリケーションに適しています。例としては、ロボットアームや自動組立機器での使用があります。

一方で、保持トルクが低いことのメリットは以下の通りです。

  • 発熱が少ない
  • エネルギー効率が高い
  • 軽負荷での安定した動作が可能

保持トルクが低いモーターは、軽負荷でエネルギー効率を重視する機器に適しています。例としては、小型プリンターや低トルクのポジショニング装置での使用が一般的です。

インダクタンス

インダクタンスとは、ステッピングモーターのコイルが電流の変化に抵抗する能力を指します。インダクタンスが高いと、電流の変動が少なく、安定した動作が可能ですが、応答速度が遅くなります。反対に、インダクタンスが低いモーターは、応答速度が速く、高速動作が可能ですが、電流の変動が大きくなることがあります。用途に応じて、インダクタンスの値を選択することが重要です。 インダクタンスが高いことのメリットは以下の通りです。

  • 電流の変動が少ない
  • 安定した動作が可能
  • 低速での制御が容易

インダクタンスが高いモーターは、安定した動作が求められる用途や、低速での精密な制御が必要な場面に適しています。例としては、医療機器や研究用機器での使用があります。

一方で、インダクタンスが低いことのメリットは以下の通りです。

  • 応答速度が速い
  • 高速動作が可能
  • 精密なタイミングが必要な操作に適応

インダクタンスが低いモーターは、迅速な応答が求められる用途や、高速動作が必要な装置に適しています。例としては、産業用ロボットや高速加工機械での使用が一般的です。

抵抗

抵抗とは、ステッピングモーター内部のコイルが電流の流れに対抗する性質を指します。抵抗が高いと電力損失が増え、発熱が多くなる一方で、高電圧での動作が可能です。逆に、抵抗が低いモーターは電力損失が少なく、効率が高いですが、低電圧での動作に適しています。用途に応じて、抵抗値を考慮した選択が重要です。

抵抗が高いことのメリットは以下の通りです。

  • 高電圧での動作が可能
  • 長いケーブルでも電圧降下が少ない
  • ノイズに強い

抵抗が高いモーターは、高電圧での安定した動作が求められる環境や、長距離配線が必要な場面に適しています。例としては、工場の大型設備や遠隔操作が必要な装置に使用されます。

一方で、抵抗が低いことのメリットは以下の通りです。

  • 電力損失が少ない
  • 発熱が少なく効率が高い
  • 低電圧での動作が可能

抵抗が低いモーターは、効率を重視する場面や、低電圧での動作が求められる小型機器に適しています。例としては、ポータブルデバイスや省エネ設計が重要な装置に使用されます。

慣性モーメント

慣性モーメントとは、ステッピングモーターの回転軸に対する抵抗力を示す値で、これが高いとモーターの加速・減速が遅くなります。慣性モーメントが高いモーターは、安定した動作が可能ですが、動き始めや停止時の反応が遅くなることがあります。

反対に、慣性モーメントが低いモーターは、加速・減速が速く、敏捷な動作が可能ですが、動作の安定性がやや低下することがあります。用途に応じて、慣性モーメントの値を選択することが重要です。

慣性モーメント値が高いことのメリットには、以下の点が挙げられます。

  • 安定した動作が可能
  • 振動が少ない
  • 精密な制御が容易

慣性モーメントが高いモーターは、安定した動作が求められる用途や、一定の速度で長時間動作する装置に適しています。例としては、精密な工作機械や自動組立ラインでの使用があります。

一方で、慣性モーメントが低いことのメリットには以下の点が挙げられます。

  • 高速な加速・減速が可能
  • 応答性が高い
  • 軽量でコンパクトな設計が可能

慣性モーメントが低いモーターは、高速な動作や素早い応答が求められる装置に適しています。例としては、ロボティクスや高速搬送装置での使用が一般的です。

電流定格

電流定格とは、ステッピングモーターが安全に動作するために供給される電流の最大値を指します。電流定格が高いと、モーターの出力が増加し、高負荷でも安定した動作が可能です。一方、電流定格が低いモーターは、消費電力が少なく、発熱も抑えられるため、エネルギー効率の高い動作が求められる用途に適しています。

電流定格が高いことのメリットには、以下の点が挙げられます。

  • 高出力が可能
  • 高負荷での安定した動作が可能
  • 優れたトルク性能

電流定格が高いモーターは、高負荷や高出力が必要な装置に適しており、産業用ロボットや大型機械の駆動装置として使用されます。

一方で、電流定格が低いと以下のようなメリットがあります。

  • 消費電力が少ない
  • 発熱が少ない
  • エネルギー効率が高い

電流定格が低いモーターは、省エネルギーが求められる場面や、軽負荷の機器に適しており、小型の電子機器や軽量デバイスで使用されます。

ステッピングモーターを製造するメーカー5社

ステッピングモーターを製造する企業

ステッピングモーターを製造する主なメーカーとして、以下の5社が挙げられます。

  • オリエンタルモーター
  • ミネベアミツミ
  • 日本電産(Nidec)
  • 三菱電機
  • シナノケンシ

オリエンタルモーター

オリエンタルモーターは日本の大手モーターメーカーで、幅広いモーションコントロール製品を提供しています。同社は、2相、5相、ハイブリッド型、リニアステッピングモーターを扱っています。

ミネベアミツミ

ミネベアミツミは小型精密モーターの世界的なリーダーで、多様なモーター製品を提供している企業です。同社は、2相、5相、PM型、HB型のステッピングモーターを扱っています。

日本電産(Nidec)

日本電産は世界最大のモーターメーカーで、幅広いモーター製品を提供しています。同社は、2相、5相、PM型、HB型のステッピングモーターを扱っています。

三菱電機

三菱電機は、日本の大手電機メーカーで、幅広い産業用機器を提供している企業です。同社は、2相、5相、ハイブリッド型のモーターを扱っています。

シナノケンシ

シナノケンシは、ロボットとCNC制御装置の世界的なリーダーで、モーションコントロール製品も提供している企業です。同社は、2相、5相、ハイブリッド型のステッピングモーターを扱っています。