しかし、「水中ロボットとは何なのか」をまだご存知でない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、水中ロボットの種類や選び方・比較のポイント、そして各メーカーや企業が提供する製品について詳しく解説しています。
各水中ロボットは、海洋調査、環境モニタリング、そして石油・ガス業界などで活躍し、それぞれ異なる特徴を持っています。
水中ロボットとは何なのか、その基本的な知識を押さえながら、比較ポイントも網羅しているので、水中ロボットの導入を検討し始めた方はぜひお読みください。
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目次
水中ロボットとは? HOV・ROV・AUVの特徴について
水中ロボットはHOV、ROV、AUVの呼称で、海中での探査や作業に用いられるロボットを指します。それぞれ異なる特徴と役割を持ち、目的や使用環境に応じて活用されています。
HOVの特徴|水中ロボットその1
HOV(Human Occupied Vehicle)は、深海探査や科学調査、観光目的で使用される有人潜水艇です。HOVは搭乗者が潜水艇に乗り込み、直接海中での操作や観察を行うことが可能です。費用面では、HOVの製造・運用には非常に高額なコストがかかり、商用モデルでも数億円に達します。例えば、タイタニックの探索に使用された「タイタン」では、約3億円の費用がかかったと言われています。HOVは、主に富裕層向けの観光ツアーや政府・研究機関の科学調査で利用され、その高額な費用が特徴です。
ROVの特徴|水中ロボットその2
ROV(Remotely Operated Vehicle)は、遠隔操作による無人水中ロボットの一種です。深海探査や海底設備の点検、科学調査、軍事作戦など多岐にわたる水中作業に活用されています。小型で目視点検を行うタイプから、掘削や溶接など高度な作業をこなす大型タイプまで多様な仕様があります。低価格な小型ROV(水中ドローン)は20~30万円ほどで購入可能ですが、海洋調査や石油・ガス関連のプロフェッショナル用のモデルは国内で使われているものだと800~8,000万円ほどに達します。ROVは人がアクセスできない深海や危険な環境で効率的かつ安全に作業を行う重要なツールです。
ROVについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事もご一読ください。ROVに特化して詳細を解説しています。
2024年10月2日
AUVの特徴|水中ロボットその3
AUV(Autonomous Underwater Vehicle)は、自律的に水中を航行する無人水中ロボットで、海底の地形や環境、構造物の調査に使用されます。ROVと異なり、ケーブルで母船に接続する必要がなく、設定されたルートに従って自動的に作業を進めます。AUVは、海洋調査、環境保護、軍事作戦などで活躍しますが、その価格は安くても1億円以上となることが多く、ようやく近年になり1,000万円程度の廉価モデルが登場した段階です。広範囲の自動探査が可能である一方、リアルタイムでの操作や観測が難しいため、特定の作業には限界もあります。
HOV | ROV | AUV | |
---|---|---|---|
特徴 | 搭乗者が潜水艇に乗り込んで操作 |
遠隔操作による無人作業 |
自律的に航行し、ケーブル接続が不要 |
価格帯 | 数億円 |
20~30万から8,000万円 |
1,000万から1億円以上 |
HOV・ROV・AUVの活用用途|水中ロボットの使い分け
HOV、ROV、AUVなどの水中ロボットは使い分けることが重要です。ここでは、それぞれの活用用途について紹介します。
AUVは広範囲の海底調査や自律的な環境モニタリング、ROVは深海や危険な水中環境での精密な点検や作業、HOVは人間が搭乗して行う深海の科学調査や試料採取への利用が想定されています。
HOVの活用用途
- 深海探査 HOVは、有人で深海に潜り込み、直接観察やサンプル採取を行うために使用されます。遠隔操作が難しい深海で、研究者や専門家がリアルタイムで状況を確認できる点が大きな強みです。例えば、「しんかい6500」は、深海生物の生態観察や地質調査に活用されています。
- 沈没船や海底遺跡の調査 HOVは、人が搭乗しながら沈没船や海底遺跡を探索し、詳細な調査を行うためにも使用されます。タイタニックの調査などが有名な事例であり、遠隔操作では得られない微細な観察や直感的な判断が可能なため、歴史的価値のある発見に寄与しています。
ROVの活用用途
- 海底設備の点検および修理 ROVは、石油やガスの海底設備の点検や修理に広く使用されます。特に、深海の過酷な環境でも人間の代わりに安全に作業を行えるため、遠隔操作で効率的にインフラの維持や修理が可能です。潜水士を危険な環境から守り、作業効率を向上させます。
- 災害時の水中捜索・救助 ROVは、災害時に水中での捜索や救助活動にも使用されます。沈没船や水中で行方不明者を探すためのカメラやソナーを駆使し、潜水士が進入するには危険な場所でも安全に捜索活動を行えます。ROVはカメラ以外にも様々なセンサを搭載できるため、操縦者が必要とするデータをリアルタイムに提供することができます。
AUVの活用用途
- 広範囲の海洋調査 AUVは、事前に設定されたルートを自律的に移動し、広範囲にわたる海底の地形や水質のデータを収集します。ケーブルを必要とせずに行動できるため、長時間にわたる海洋調査や探査が効率的に行える点が大きな特徴です。主に海洋開発や地質調査、環境モニタリングに利用されています。
- 災害時の捜索活動 自律的に潜航し、海底や沈没物体の状況を詳細に確認できるAUVは、災害時の迅速な対応にも貢献しています。津波や地震などの自然災害によって損壊した海底インフラや沈没船の捜索活動において、遠隔地からの操作が難しい場合でも、AUVは自動で捜索を行うため、安全かつ効率的に情報収集が可能です。
水中ロボット(ROVとAUV)の導入事例をそれぞれ紹介
ここでは、実際にどのような場面で水中ロボットが使われているのか、それぞれの導入事例を、特にROVとAUVに注目して紹介します。
ROVの導入事例2つ
事例1:ダムなど濁った水の中での点検
ROVは視界が悪く潜水士の作業が危険な環境で活躍します。例えば、ソナーや高感度カメラを搭載したROVを使用することで、堆積物の確認や取水ゲートの閉塞状態を遠隔で安全に点検することが可能です。また、ROVは狭い空間でも高い機動性を発揮し、堤体の損傷確認なども細部まで確実に行えるため、長期的な保守点検にも活用できます。
事例2:漁礁の点検などの海洋調査
ROVは漁礁の点検を含む海洋調査で広く活用されています。漁礁は人工的に作られた海底の構造物で、魚の生息環境を改善する目的で設置されたものです。ROVは水中カメラやセンサーを搭載できるため、操縦者が漁礁の状態をリアルタイムで確認できます。また、ROVに搭載された高性能なカメラやソナーは、漁礁の損傷や蝟集効果の観測に優れており、漁業者にとって効果的な保守管理を支援します。
AUVの導入事例2つ
事例1:水質調査の概査
観測装置を搭載したAUVは水温、塩分濃度、溶存酸素量などの水質データを取得し、環境の変動や異常を迅速に検出します。調査範囲が広く、人手による作業が不要なため、長期間にわたるモニタリングにも対応でき、湖や海洋、河川などでの環境保護や資源管理に活用されています。
事例2:地形調査の概査
AUVは広範囲の海底地形を効率的に把握できる点が強みです。AUVに搭載されたマルチビーム音響測深機やサイドスキャンソナーを使用することで、海底の詳細な地形情報を短時間で取得することが可能です。調査範囲全体のデータを収集し、そのデータをもとに精査を行うための具体的なエリアや対象物を特定できます。
ROVのメリット・デメリット|水中ロボットを選ぶ前に①
ここまでの内容を踏まえて、ROVのメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。
メリット
ROVの導入は、以下のメリットがあります。
※クリックすると該当箇所まで飛びます
潜水業務に比べ作業者の安全を確保できる
ROVの最大のメリットのひとつは、作業者の安全性を確保できる点です。特に、深海や危険な環境での作業において、潜水士が直接現場に赴く必要がなく、遠隔操作で作業が可能です。これにより、潜水士が直面する危険を大幅に軽減できます。
また、長時間の水中作業や高圧環境下での作業においても、人命のリスクを避け、安全に作業を進めることができます。精密な作業を安全に行える点もROVの大きな強みです。
コスト削減と作業効率の向上が見込める
ROVは、コスト削減と作業効率の向上に大きく寄与します。まず、潜水士を必要としないことで、人件費や潜水士の訓練にかかるコストを削減できます。また、ROVは長時間の作業が可能なため、継続的に効率よく作業を進めることができ、プロジェクト全体の時間短縮に貢献します。
ROVの導入は、計測についての作業効率の向上ということはもちろんのこと、他にも発注者側とその場で観測データの確認・協議ができるため、総合的に生産性が向上します。
デメリット
一方で、ROVの導入を検討する際に以下の点には注意が必要です。
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ケーブルの長さによって活動の範囲が制限される
ROVのデメリットとして、活動範囲がテザーケーブルの長さに制限される点が挙げられます。ROVは通常、船上のコントロールユニットとケーブルで接続されており、電力の供給やデータの伝送を行いますが、このケーブルの長さが物理的にROVの移動範囲を決めてしまいます。
特に、深海での作業では長いケーブルが必要となり、その分機材などのコストが増加します。また、ケーブルが海流に流されたり、障害物に引っかかったりするリスクもあるため、慎重な操作が求められます。
潮流など操作が難しい場合がある
ROVは操作技術が求められますが、その難易度が特に増すのは潮流など外部環境の影響を受ける場合です。潮流が強い環境では、ROVの安定した操作が困難になり、機体が流されてしまうことがあります。また、水中の視界が悪い場合も操縦者の判断が難しくなる要因です。加えて、ROVの操作は3次元空間での複雑な動きが求められるため、操縦者には高度な訓練や経験が必要です。
AUVのメリット・デメリット|水中ロボットを選ぶ前に②
ここまでの内容を踏まえて、AUVのメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。
メリット
AUVの導入は、以下のメリットがあります。
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広範囲の安定した観測ができる
AUVの最大のメリットは、広範囲にわたる安定した観測が可能である点です。AUVは自律的に航行し、事前に設定されたルートに従って、広大な海域や深海のデータを正確に収集することができます。ケーブルに依存しないため、ROVに比べて観測範囲の制約は少なく、環境モニタリングが効率的に行えます。また、潮流や波浪などの環境条件にも左右されにくい点も、AUVの大きな利点の一つです。
予め設定したタスクに沿って自律的に水中航行ができる
AUVは、事前に設定したタスクに基づいて自律的に水中を航行できる点がメリットです。事前にプログラムされたルートに従いながら、効率的にデータを収集し、時間やコストの削減に貢献します。ROVのように母船の動きに制約されることがなく、より広範なエリアを効率的に探査できます。同時に、母船が拘束されることはないので、AUVによる調査などと並行して他の作業をすることもできるのもメリットです。
デメリット
一方で、AUVの導入を検討する際に以下の点には注意が必要です。
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リアルタイムでの操作やデータ確認が難しい
AUVのデメリットのひとつは、リアルタイムでの操作やデータ確認が難しいことです。AUVはケーブルに接続されておらず、母船と常時通信ができないため、航行中にデータをリアルタイムで確認することや操作を変更することが困難です。また、トラブルが発生した場合、即座に対応することができないため、リスクも高くなります。
特に、広範囲の調査では、浮上時や揚収後にデータを確認する必要があるため、迅速な対応が求められる場面では不向きです。
導入コストが高価
AUVの導入コストは非常に高額です。最新の技術や高度なセンサーを搭載しているため、初期投資として数千万円から一億円以上かかる場合があります。加えて、AUVは内部バッテリーのみで潜航するため、稼働時間や航続距離に制限があります。バッテリーの容量が限られているため、これに合わせたミッションを計画する必要があり、ミッションの途中でバッテリーが切れるリスクも存在します。費用対効果が期待に見合うのかは検討が必要になります。
水中ロボットの選定ポイント4点|ROVとAUVのどちらを選べばよいか
水中ロボットは、海洋調査や設備点検など、さまざまな水中作業で重要な役割を果たしています。特に、遠隔操作型のROVと自律型のAUVは、異なる用途に応じて選ばれることが多く、それぞれにメリットと課題があります。ここでは、ROVとAUVのどちらを選べばよいのか、その比較ポイントを4点解説します。
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作業内容
水中ロボットの作業内容は、それぞれのロボットの特性や運用方法が異なるため、適用可能な作業範囲が大きく変わります。ROVは、テザーケーブルを介してリアルタイムで映像やデータを確認しながら、精密な作業が可能です。例えば、沈没船の調査や海底設備の点検、修理作業などに利用されます。操縦者が常に操作しているため、複雑な作業にも対応できますが、ケーブルの長さにより行動範囲が制限される点が課題です。
AUVは、事前に設定されたルートやタスクを元に自動で海底地形の調査や水質測定などを行います。テザーケーブルが不要で広範囲の観測が可能ですが、リアルタイムでの制御やデータ確認ができないため、緊急時の対応が難しい点があります。主に深海探査や広域調査に向いています。
リアルタイムのデータ確認
水中ロボットにおけるリアルタイムデータの確認は、作業の進捗や環境の変化に迅速に対応するための重要な要素です。特にROVはケーブル接続によって操縦者がリアルタイムで映像やデータを確認できるため、精密な作業や即時の対応が求められる場面で非常に有用です。これにより、操縦者はデータを見ながらその場で適切な判断を行えます。
一方、AUVは事前にプログラムされたルートを航行し、データを蓄積し、浮上時や揚収後に確認することが一般的です。そのため、AUVは広範囲の観測や長時間のデータ収集に優れているものの、リアルタイムでの確認や操作はできず、調査後のデータ解析に焦点が置かれています。
運用時間
水中ロボットの運用時間は、AUVとROVを選ぶ際のひとつのポイントです。AUVとROVは運用可能な時間が異なります。ROVは、ケーブルを通じて給電されるため、長時間の作業にも対応できる利点があります。船上からの電力供給により、バッテリーの持ち時間を気にせず、精密な作業やリアルタイムでのデータ確認が可能です。しかし、ROVはケーブルの長さにより活動範囲が制限され、遠隔地や深海での作業には不向きな場合があります。
一方で、下図にある通り、AUVの航続距離はバッテリー駆動のため大きさに依存します。また、特にグライダー型のAUV(AUGともいう)はバッテリー駆動で、あらかじめ設定された航路を自律的に移動しながら、広範囲のデータを収集することが可能です。ケーブルによる電力供給がないため、活動範囲に基本制限がなく、効率的な運用が可能です。
一般的に質量が重いほど航続距離が長いです。質量と航続距離のバランスを考慮することで、十分なペイロードを搭載しつつ、効率的なサンプリングや調査を行うことができます。ただし、1年近くの長期運用を考慮して開発されているものが多いため、流失や回収のタイミングなど運用上の懸念点があります。
参照:https://www.frontiersin.org/journals/robotics-and-ai/articles/10.3389/frobt.2020.579256/full , 最終閲覧2024/11/6
コスト
水中ロボットにおけるコストは、導入規模や技術的要件に応じて大きく異なる重要な要素です。一方、ROVは局所的な作業やメンテナンスに適しており、特に狭い範囲での精密作業に向いています。ROVはテザーケーブルで母船と接続されており、操縦者がリアルタイムで操作します。そのため、AUVほど広範囲には対応できませんが、特定の場所での精密な作業や観測が可能です。コストもAUVに比べて低く、一般的なROVは数百万円から数千万円で導入可能です。
AUVは深海や広範囲の調査に効率的で、特に海洋地形や生態系の観測に役立ちます。テザーケーブルを持たず、事前に設定されたルートを自律的に航行できるため、広大なエリアをカバーすることができますが、その分、導入コストが高くなります。特に高性能なセンサーやバッテリーが必要なため、AUVのコストは3億円以上するものも多いですが、2019年頃から1千万円程度の廉価モデルが見られるようになっています。
専門家コメント
佐藤 友亮(さとう ゆうすけ)
一般社団法人 日本ROV協会 代表理事
本稿では調査範囲が広い場合はAUV、狭い範囲を精査したい場合にはROVを提案差し上げましたが、実際の運用ではAUVの方が格段に難易度が高いです。
まずはROVや周辺の計測機器の運用から経験を積み、AUVへステップアップすることをお勧めいたします。
また、これから水中ロボットの分野に参画される方はぜひ一度海洋調査のプロフェッショナルにご相談してみてください。
水中ロボットを製造しているメーカー比較一覧
AUVとROVを製造するメーカーは数多くありますが、この記事では7社をご紹介します。
SAAB Seaeye(サーブ・シーアイ)
サーブ・シーアイは、1986年にイギリスで設立された水中ロボットのメーカーで、特にROVの開発と製造に強みを持っています。彼らが開発したFalconシリーズは、洋上風力発電の調査に広く利用されており、世界的に高い評価を受けています。このシリーズには、サーブ・シーアイ独自のiCONインテリジェントコントロールシステムが搭載されており、姿勢保持や操作画面のカスタマイズが可能です。最大で300メートルの深さまで対応でき、精密な水中調査に適しています。
Deepinfar Ocean Technology(ディープインファー・オーシャン・テクノロジー)
ディープインファー・オーシャン・テクノロジーは、2013年に中国で設立された企業で、水中ロボットや機器の研究・開発・生産・販売を行っています。ROVブランドであるMOGOOLシリーズは、比較的軽度な観測や作業に適しており、海流や潮流の影響を受けにくく、最大1,000メートルの深さまで潜水可能です。また、高い積載能力を誇り、稼働時間に制約がないため、海洋研究や洋上風力発電の現場で広く利用されています。
広和(KOWA)
広和は、日本で1952年に創業された企業で、潤滑・給油装置や海洋関連事業を手がけています。広和のマリンシステム部は、1985年から水中TVカメラロボット(ROV)の開発・製造・販売を行っており、その技術力で業界内に確固たる地位を築いています。広和のROVは、浅海から深海11,000メートルまで対応できる幅広い製品ラインを持っており、海洋調査や工業用途において多様なニーズに応えています。
Teledyne Webb Research(テレダイン・ウェッブ・リサーチ)
テレダイン・ウェッブ・リサーチは、1982年に設立されたアメリカに拠点を置くメーカーで、水中機器の研究、開発、製造、販売を行っています。特にAUVの分野で知られており、海洋観測や環境モニタリング向けに高度な技術を提供しています。テレダイン・ウェッブ・リサーチのAUVは、グライダー型の製品が多く、低エネルギーで長期間にわたる広範囲の観測が可能です。深海から浅海まで幅広い環境に対応しており、海洋研究や気候変動観測といった分野で広く導入されています。
Hefring Engineering(へフリング・エンジニアリング)
へフリング・エンジニアリングは、2019年に設立されたアメリカに拠点を置くAUVに特化した研究開発会社です。へフリング・エンジニアリングはOCEANSCOUTという1人で運用が可能なグライダー型AUVを開発、海洋哺乳類観察や気候変動観測といった分野で導入されています。例えば、海洋の温度と塩分を測定し、嵐の強さや進路の予測精度を向上するためにこのグライダーを運用するという事例もあります。
Kongsberg Discovery(コングスベルグ・ディスカバリー)
コングスベルグ・ディスカバリーは、ノルウェーに拠点を置き、海洋機器やシステムの開発、製造、販売を行うメーカーです。設立は1814年と長い歴史を持ち、特にAUVの分野で高い評価を得ています。コングスベルグ・ディスカバリーのAUVは、海洋調査、石油・ガスの探査、環境モニタリングなどで利用され、深海から浅海まで幅広い範囲で使用可能です。代表的な製品にはHUGINシリーズがあり、高精度なセンサーと長時間稼働が特徴で、海洋研究機関やエネルギー業界での導入実績があります。
Seaber(シーバー)
シーバーは、AUVの開発・製造を手掛けるメーカーで、2020年にフランスで設立されました。特に海洋調査や環境モニタリングの分野で高い評価を得ており、堅牢かつ高性能なAUVを提供しています。シーバーの代表的なAUVはYUCOシリーズです。実用的かつ1千万ほどの比較的低価格なモデルが主力で、効果的な通信手段を用い、最大水深300mまで潜航しながら海洋のデータ収集を行います。このシリーズは、海洋研究機関や石油・ガス業界での採用例が多く、特に広範囲な観測に適しています。
この記事を読んで、水中ロボットが気になった方は、以下のボタンよりお気軽にお問い合わせください。
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