【2026年】スペクトラムアナライザの種類と特徴、選び方のポイントやおすすめのメーカーをご紹介

スペクトラムアナライザは、信号を周波数ごとに分解し、どの帯域にどれだけの成分が含まれているかを確認するための測定器です。基本波だけでなく、高調波やスプリアス、不要なノイズ成分まで把握しやすいため、無線機器や高周波回路の評価では欠かせません。
ただし、「スペクトラムアナライザ」という言葉で扱われる機器は一つではありません。一般に想起されやすいのはRF・無線計測向けの機器ですが、光通信向けの光スペクトラムアナライザや、騒音・振動解析に使うFFT分析器も、広い意味では周波数分析機器に含まれます。
そこで本記事では、需要の大きいRF・無線計測向けを中心にしながら、混同しやすい周辺機器との違い、種類、選定時のポイントまで整理して解説します。
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2026/3/26更新 コンテンツの一部修正
スペクトラムアナライザの特徴

スペクトラムアナライザとは、信号を周波数軸で表示し、どの周波数にどれだけの成分があるかを確認する測定器です。信号の周波数成分やパワー、高調波、スプリアス、隣接チャネル漏洩などを把握しやすく、無線機器や高周波回路の評価、EMIの事前確認、トラブル解析などで広く使われています。
時間波形だけでは見えにくい問題も、周波数軸で見ると原因を絞り込みやすくなることがあります。目的信号そのものだけでなく、周辺帯域に出ている不要成分まで確認したい場面では、とくに有効です。
スペクトラムアナライザとオシロスコープの違い
スペクトラムアナライザとオシロスコープの違いを一言で表すと、「周波数軸で見るか、時間軸で見るか」にあります。スペクトラムアナライザは信号の周波数分布を分析し、オシロスコープは信号の時間変化を表示します。
スペクトラムアナライザは、どの周波数成分がどの程度含まれているか、ノイズや高調波がどこに出ているかを確認するのに向いています。主な用途は無線通信、高周波回路、EMC評価、保守や不具合解析です。
一方で、オシロスコープは立ち上がり波形や過渡応答、周期的な波形の変化など、時間に関する情報を直接観察するのに適しています。電子回路のデバッグ、設計検証、メンテナンスなどでは、こちらが中心になる場面も少なくありません。
実務では、どちらか一方だけで完結することはあまりなく、時間軸で異常を追い、周波数軸で原因を絞るような使い分けが一般的です。
スペクトラムアナライザの構造

スペクトラムアナライザは、基本となる「掃引型スペクトラムアナライザ」の構造を知ると理解しやすくなります。RF向けでは、ヘテロダイン方式をベースにした構成が広く使われています。
この中でも、とくに押さえておきたいのがRBWです。RBWは近接した信号同士をどの程度まで見分けられるかに関わるため、スペクトラム測定の基本設定として理解しておきたい項目です。
5種類のスペクトラム分析機器と特徴・メリット・デメリット

スペクトラム分析機器を整理するときは、「測定方式」「用途」「導入形態」を分けて考えることが重要です。RF・無線計測の主役は掃引型とリアルタイム型ですが、USB接続型は導入形態の違いとして捉えるほうが自然です。また、光スペクトラムアナライザやFFT分析器は対象そのものが異なるため、RF機と同列に比較しないほうが実務では分かりやすくなります。
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掃引型スペクトラムアナライザ
掃引型スペクトラムアナライザは、設定した周波数範囲を順に走査しながら、信号の周波数成分とレベルを表示する方式です。RF向けではもっとも一般的で、研究開発、製造、保守、EMIの事前確認など幅広い用途で使われています。
掃引型スペクトラムアナライザのメリット
製品の選択肢が多く、周波数範囲、RBW、DANL、位相雑音、解析機能などを比較しやすいのが大きな強みです。ベンチトップ機から携帯型までラインアップも広く、必要な性能と予算のバランスを取りやすい点も実務向きです。
掃引型スペクトラムアナライザのデメリット
一度に帯域全体を連続監視する方式ではないため、瞬間的に現れてすぐ消える信号や、短時間だけ発生する干渉は見逃す場合があります。RBWを狭くして分解能を上げると掃引時間が延びやすくなるため、測定精度と速度のバランスを見ながら設定する必要があります。
リアルタイムスペクトラムアナライザ
リアルタイムスペクトラムアナライザは、一定の解析帯域内で連続的に入力信号を取り込み、時間変化を含めて解析しやすい方式です。通常の掃引では追いにくい断続的な干渉、ホッピング信号、突発的なスプリアスの確認で有効です。
リアルタイムスペクトラムアナライザのメリット
一過性の信号を捉えやすく、再現しにくいトラブルの切り分けに向いています。広帯域信号を扱う評価や、時間変動を伴う問題の解析でも力を発揮しやすいのが特徴です。
リアルタイムスペクトラムアナライザのデメリット
同等の周波数帯や感度レンジでも、掃引型に比べると価格が上がりやすい傾向があります。必要な解析帯域やオプション構成によって総コストが変わりやすく、用途が限定的な場合は性能を持て余すこともあります。
USB接続スペクトラムアナライザの特徴
USB接続スペクトラムアナライザは、PCのUSBポートを介して接続し、ソフトウェアと組み合わせて使うタイプです。本体を小型化しやすく、省スペース性や持ち運びやすさを重視する用途で選ばれます。
研究室の評価環境や簡易計測、複数拠点での共有運用などでは、導入しやすい選択肢になりやすいでしょう。
USB接続スペクトラムアナライザのメリット
小型軽量で持ち運びやすく、設置スペースも抑えやすいのが魅力です。PC上でデータ保存やレポート化を行いやすいため、既存の評価環境へ組み込みやすい点もメリットといえます。
USB接続(PC)スペクトラムアナライザのデメリット
使い勝手はPC環境やソフトウェアの完成度に左右されやすく、現場での単独操作性や堅牢性では専用機に及ばない場合があります。測定性能や拡張性は機種差が大きいため、価格だけで判断しないほうが安全です。
光スペクトラムアナライザ
光スペクトラムアナライザは、レーザー、光通信、フォトニクス分野で光信号を波長軸で評価する機器です。名前は似ていますが、RF向けスペクトラムアナライザとは測定対象も比較項目も異なります。
光スペクトラムアナライザのメリット
波長範囲、波長分解能、光ダイナミックレンジなど、光信号の評価に必要な指標で選定しやすいのが特徴です。レーザー特性の確認、WDM評価、光部品や光通信システムの測定では欠かせない機器です。
光スペクトラムアナライザのデメリット
RF無線評価とは前提条件も仕様も大きく異なるため、無線機器や高周波回路の評価にそのまま代用することはできません。RF機と同列に比較すると、かえって選定を誤りやすくなります。
FFT分析器(音・振動用途)
FFT分析器は、騒音、振動、設備診断、構造物の周波数応答確認などで使われる分析機器です。こちらも広い意味ではスペクトルを扱いますが、想定するセンサ、入力系、周波数レンジ、評価項目はRF機とは大きく異なります。
製造現場では、「通信を見たい」のではなく、「モータやポンプの異常兆候を見たい」「設備の振動を見たい」というケースも少なくありません。その場合は、RFスペクトラムアナライザではなく、むしろFFT分析器のほうが目的に合うことがあります。
FFT分析器のメリット
騒音や振動の測定、共振点の把握、設備保全、回転機械の異常診断など、機械系の評価に直結しやすい点が強みです。現場計測に向いた製品も多く、保全業務との相性も良好です。
FFT分析器のデメリット
無線評価で重視される周波数レンジ、位相雑音、隣接チャネル漏洩、EMI確認といった観点とは測定思想が異なります。RF向けの記事では、あくまで別系統の機器として整理しておく必要があります。
ここまで、スペクトラム分析機器の種類とメリット・デメリットをご紹介しました。次のセクションでは、機器選定で比較したい5つのポイントを整理します。貴社に合った一台を選びたい方は、続けてご覧ください。
5つの比較基準 | スペクトラムアナライザの選び方

新しいスペクトラムアナライザを選ぶときは、単に価格や知名度だけで決めるのではなく、「何を測るか」「どのように使うか」から逆算して考えることが大切です。ここでは、購入時に見ておきたい基本項目を紹介します。
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測定対象・測定方式
最初に確認すべきなのは、何を測るのかです。無線機器や高周波回路ならRF向け、光通信やレーザーなら光向け、設備の騒音や振動ならFFT分析器が候補になります。ここが曖昧なままだと、周波数範囲や価格を比較しても選定そのものがずれてしまいます。
RF向けの中でも、掃引型とリアルタイム型にはそれぞれ向き・不向きがあります。安定した信号を幅広く評価するなら掃引型、瞬間的な異常や時間変動を追いたいならリアルタイム型、といった使い分けが基本です。
測定周波数範囲
スペクトラムアナライザには、測定できる周波数範囲があります。評価したい信号の上限周波数を十分にカバーしているかは、導入前に必ず確認したいポイントです。
また、現在の用途だけでなく、今後の開発や設備更新まで見据えて少し余裕を持たせておくと、後から測れない対象が出てきた際にも対応しやすくなります。価格帯や機種によってレンジは大きく異なるため、カタログ値の比較は欠かせません。
平均雑音レベル
DANL(Displayed Average Noise Level)とも表記されます。スペクトラムアナライザが、どれだけ小さな信号を見分けられるかの目安になる指標です。微小信号を見たい場合は、より低いDANLが有利になります。
ただし、カタログに記載された数値は、プリアンプの有無やRBW、周波数条件によって見え方が変わることがあります。どの信号を、どの条件で測りたいのかまで整理して判断するのが重要です。
分解能帯域幅(RBW)と解析帯域
RBWは、近接した信号同士をどの程度まで分離して見られるかに関わる重要な項目です。RBWを狭くすると分解能は高まりますが、測定速度とのバランスも考える必要があります。
さらに、リアルタイム測定や広帯域信号の解析では、解析帯域そのものも選定ポイントになります。用途に応じて、どこまでの帯域をどの精度で観測したいのかを明確にしておくことが大切です。
価格と運用性
購入する機器を選ぶうえでは、利用可能な予算と必要な性能・機能のバランスを判断する必要があります。ただし、本体価格だけで決めると、導入後に想定外のコストが出ることもあります。
必要なオプション、アプリケーションソフト、校正、保守、設置形態、使う人数まで含めて見ておくと、導入後のズレが少なくなります。ベンチトップ機、ハンドヘルド機、PC接続型では、日常の使い勝手もかなり変わるため、価格と性能だけでなく運用面まで含めて比較したいところです。
ここまで、最適なスペクトラムアナライザを選ぶ方法を解説しました。次のセクションでは、実際に関連機器を製造するメーカーを整理して紹介します。用途に合う企業を探したい方は、ぜひ読み進めてください。
スペクトラム分析機器を製造する主なメーカー

ここでは、スペクトラムアナライザや関連する周波数分析機器を製造する主要メーカーを紹介します。なお、RF向け、光向け、音・振動向けでは得意分野が異なるため、同じ基準で比較しないことが重要です。
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一部の会社とは正式な提携がない場合がありますが、皆さまに最適なご案内ができるよう努めています。
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アンリツ / Anritsu
| 会社名 | アンリツ / Anritsu |
| 創業年 | 1895年 |
| 本社 | 神奈川県厚木市恩名5-1-1 |
| 概要 | RF・通信計測機器メーカー |
アンリツは、RF・通信計測の分野でよく知られたメーカーです。信号/スペクトラムアナライザのラインアップがあり、無線機器や高周波測定を前提に選定する際には候補に入りやすい存在です。
代表的な製品にはMS2850A、MS2830A、MS2090A Field Master Proなどがあり、ベンチトップ機からフィールド用途まで対応しやすい柔軟な製品展開が特徴です。
通信事業者、研究開発、保守・フィールド計測まで、RF評価の現場で広く検討されるメーカーの一つです。
横河計測 / Yokogawa Test & Measurement
| 会社名 | 横河計測 / Yokogawa Test & Measurement |
| 設立年 | 1954年 |
| 本社 | 東京都八王子市明神町4-9-8 |
| 概要 | 光計測を中心とした電子計測機器メーカー |
横河計測は、この記事の文脈では光スペクトラムアナライザの印象が強いメーカーです。光通信、フォトニクス、レーザー評価の分野では有力候補になりやすく、RF向けとは異なる軸で比較すべき企業といえます。
代表的な製品はAQ6370E、AQ6374E、AQ6380シリーズで、広い波長レンジと高感度測定を活かした光部品評価への適応力が魅力です。
光通信や光部品の研究・評価現場で広く利用されており、RF向けスペクトラムアナライザとは切り分けて検討したいメーカーです。
アドバンテスト / Advantest
| 会社名 | アドバンテスト / Advantest |
| 設立年 | 1954年 |
| 本社 | 東京都千代田区丸の内1-6-2 新丸の内センタービルディング |
| 概要 | 半導体試験・電子計測機器メーカー |
アドバンテストは、半導体試験や電子計測の分野で知名度の高い企業です。スペクトラムアナライザに関しては旧製品の情報が中心になるケースもあるため、新規導入の候補として扱う際は、現行供給やサポート体制を個別に確認しておくと安心です。
代表機種として知られるU3771、U3772は旧機種として言及されることが多く、既設設備や中古機の文脈で名前が挙がることがあります。新規選定では、現行性と保守性をあわせて確認することが重要です。
過去機種の実績はありますが、導入時には「今後も継続して使えるか」という視点で判断したいメーカーです。
小野測器 / Ono Sokki
| 会社名 | 小野測器 / Ono Sokki |
| 設立年 | 1954年 |
| 本社 | 神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目3番3号 横浜コネクトスクエア12階 |
| 概要 | 音響・振動の周波数分析(FFT)計測機器メーカー |
小野測器は、RF無線評価よりも、騒音・振動・機械計測の分野で存在感のあるメーカーです。多チャンネルFFT解析や現場適用力に強みがあり、設備診断や機械系の評価を目的とするなら有力候補になります。
代表機種はCF-9200A、CF-9400Aで、携帯性と現場での使いやすさを両立しやすい音響・振動解析機器として整理できます。
精密機器設置環境の振動評価、工場設備の振動診断、自動車部品の騒音・振動解析など、機械系の現場に合うメーカーです。
リオン / RION
| 会社名 | リオン / RION |
| 設立年 | 1944年 |
| 本社 | 東京都国分寺市東元町3-20-41 |
| 概要 | 音響・振動計測器メーカー |
リオンも、音や振動の分析機器に強みを持つメーカーです。設備保全や現場計測の文脈では、RF計測とは別の軸で検討されることが多く、FFT分析や振動診断の用途で存在感があります。
代表製品はSA-A1、SA-02、VA-14で、多チャンネル測定や現場での振動・音響評価に対応しやすい構成が特徴です。
騒音・振動の多チャンネル測定、生産ラインでの良否判定、音響パワーレベル測定など、設備や品質評価の現場で活用しやすいメーカーです。
目的に応じた分析機器の選定で業務効率を高めましょう

スペクトラムアナライザは、名称だけで比較すると選定を誤りやすい測定器です。RF信号を測りたいのか、光信号を評価したいのか、それとも設備の騒音や振動を分析したいのかで、選ぶべき機器は大きく変わります。
そのうえで、RF向けなら周波数範囲、DANL、RBW、解析帯域、運用性を軸に見ていくのが基本です。性能が高ければそれでよいわけではなく、現場で何を測り、どの頻度で使い、どこまでの精度が必要なのかに合った一台を選ぶことが、結果としてもっとも無駄のない導入につながります。
導入などでお困りでしたら以下からお気軽にご相談ください。
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一部の会社とは正式な提携がない場合がありますが、皆さまに最適なご案内ができるよう努めています。
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