水中カメラ
水中の世界を、そのままの美しさや臨場感で記録できる「水中カメラ」。
水中調査、海洋開発など、活用の幅が広いため、「興味はあるけれど難しそう」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、水中カメラの基本情報や選定時に押さえるべき選び方、さらにおすすめメーカーの比較について徹底解説しています。
とりあえず話を聞きながら考えたい方やすぐにメーカーへ問い合わせをしたい方は、以下のボタンからお問い合わせください。担当者におつなぎいたします。
水中カメラとは? 特徴や活用例などを解説
「水中カメラ」とは、名前のとおり水中での撮影を想定し、防水や耐圧性能を備えた特殊なカメラです。
水深数メートルから、研究・調査では深海数千メートルまで対応するものがあり、それぞれの使用用途に合わせた設計が施されています。
海底資源の調査や海洋生物の記録など、多彩なシーンで活用可能です。
また、水中カメラを使うメリットとしては、水底やサンゴ礁など普段の生活では目にしにくい光景をリアルに捉えられることや、海洋生物の生態観察を高画質で行える点などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、防水や耐圧といった特殊仕様が必要なため、一般的なカメラと比べて本体価格が高くなることや、メンテナンスに手間がかかりやすいことが挙げられます。
以上が水中カメラの概要でした。次章では、水中カメラに具体的にどんな種類があるか、見ていきましょう。
水中カメラを種類ごとに解説
水中カメラには、用途や撮影スタイルに合わせてさまざまなタイプが存在します。ここでは代表的な三つの種類について、それぞれの特徴や他の種類と比べた際のメリット・デメリットを見ていきましょう。
防水コンパクトカメラ
防水機能をボディ自体に搭載している、小型で操作しやすい水中カメラです。
ハウジング一体型カメラ
カメラ本体と防水ハウジングが最初から一体化している水中カメラです。
ハウジング交換型システムカメラ
デジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラに、別途防水ハウジングを取り付ける水中カメラです。
以上が代表的な水中カメラの種類でした。次は気になる水中カメラの価格面についてチェックしていきましょう。
相場はどれくらい? 水中カメラの値段を解説
水中カメラの値段は、カメラの種類や防水深度、搭載機能によって異なります。
たとえば防水コンパクトカメラであれば、2〜5万円程度の比較的手頃な価格帯からラインナップがあり、初心者の方でも手に取りやすいでしょう。
一方、ハウジング一体型カメラやハウジング交換型システムカメラになると、高性能な撮像素子や頑丈な防水設計が必要なため、10万円を超えるものも珍しくありません。
また、業務用レベルで深海撮影や長時間連続運用を想定した機種になれば、数十万円から数百万円まで跳ね上がるケースもあります。
水中での安全性や撮影クオリティを考慮しながら、目的に合った価格帯をしっかりと見極めることが大切です。
価格帯がわかったところで、次は気になる水中カメラの画質についても確認しておきましょう。
水中カメラの画質は大丈夫?
結論から言うと、水中カメラの画質は信頼できます。ただし、水深が深くなるほど光量が減り、水中の色味が吸収されやすくなるため、適切な照明や高感度センサー、色補正機能が求められます。
深度数メートル程度の浅瀬やレジャーであれば、一般的な防水コンパクトカメラでも十分にキレイな写真や動画が撮影可能です。
一方、深海のように自然光がほとんど届かない環境下では、画質維持のために専用の強力な照明やプロ向けの高感度センサー搭載カメラが必要になります。
目的の撮影シーンを明確にし、それに合わせた機能を持つ水中カメラを選ぶことで、高画質かつ安定した映像や写真が得られるでしょう。
次章では、水中カメラの選び方を確認しておきましょう。自社に適切な水中カメラを選ぶためにご一読ください。
導入の失敗を避けるための水中カメラの選び方を解説
水中カメラを選ぶ際には、複数のポイントがあります。ここでは、特に重要となる選び方を三つ取り上げて解説します。
利用する最大潜水深度に合わせた耐圧性能
水中カメラを選ぶ上では、利用する最大潜水深度に合わせた耐圧性能が挙げられます。これは、求める撮影深度や水流などの環境要素によって変動します。
もし必要な耐圧性能を満たさない水中カメラを使ってしまうと、水圧で機器が破損し、撮影継続が不可能になるリスクが高まります。特に深い海域や潮流が激しい場所で長時間連続撮影を行う場合には、この点を重視すべきでしょう。
適切な耐圧性能を満たした水中カメラを選んでおけば、深海でもトラブルが少なく、長期運用でも安定した撮影成果を得られる可能性が高まります。
水中光量や色変化に対応できる高感度センサーや色補正機能の有無
水中撮影では、水中光量や色変化に対応できる高感度センサーや色補正機能を持った水中カメラを検討することも大切です。
深度による光量減衰や水中での波長吸収の影響から、撮影環境によっては暗くなりがちで色の再現性も低下しやすくなります。
もし光量不足対策や色補正を怠ると、映像が暗く見えるだけでなく正確な色彩も損なわれ、結果として目的の撮影がうまくいかない可能性が高まります。
特に、沈船内部や薄暗い海底など、自然光が届きにくい現場ではこうした機能を検討すると良いでしょう。
十分な光量と色補正機能を備えた水中カメラを使えば、深い海でもクリアな映像と美しい色彩を両立できます。
ハウジングの防水構造や防錆加工など耐腐食性
長期間の水中運用を考えるなら、ハウジングの防水構造や防錆加工など耐腐食性も確認しておきたい選び方のポイントの一つです。
海水・淡水での使用頻度や塩害、砂の混入リスクなどによって適切な素材やシール構造が求められ、これを満たさないと浸水や錆が発生して故障しやすくなります。
特に海水環境での点検作業や長時間の水中撮影など、常にカメラが濡れる状況ではこの選び方が大事です。
防水・防錆がしっかりしている水中カメラなら、メンテナンスの手間を抑えながら、長期間安定した映像品質を維持できるでしょう。
以上のポイントを押さえておけば、自分の撮影スタイルや環境に合った水中カメラを選べるはずです。それでは、水中カメラのおすすめメーカーを見ていきましょう。
水中カメラのおすすめメーカー5社を比較!
ここからは、水中カメラを扱うメーカーの中から、当編集部おすすめの5社をピックアップして比較します。
各メーカーの特徴や製品ラインナップを理解し、あなたの撮影ニーズに合う水中カメラメーカーを見つけてみてください。
シーアンドシー / SEA&SEA
メーカー名 | シーアンドシー / SEA&SEA |
設立念 | 1978年 |
本拠地 | 東京都豊島区長崎4-8-11 2F |
概要 | 世界で唯一の水中撮影機材総合メーカー |
シーアンドシー(SEA&SEA)は、1978年に設立された東京発の水中撮影機材総合メーカーで、防水技術の信頼性が高く世界60ヶ国以上で製品を展開しています。
代表的な水中カメラとして「モーターマリン35SE」「MX-5」などを製造しています。
特に世界的に高いシェアを誇る水中ストロボ技術が強みで、他社製品と比較して安定した発光性能を長時間維持できる点が強みです。
ソニー株式会社との共同開発やOM SYSTEM向け製品の開発実績もあり、レジャーから本格的な水中調査まで多彩な現場で活用されています。
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アンティス / Anthis
メーカー名 | アンティス / Anthis |
設立念 | 1991年 |
本拠地 | 愛知県岡崎市薮田1-16-1 |
概要 | 水中撮影機材の製造・販売メーカー |
アンティス(Anthis)は愛知県岡崎市に本拠地を置く水中撮影機材の製造・販売メーカーで、高耐食アルミ合金を使った精密加工やアルマイト処理で高品質な製品を提供しています。
代表製品である「Nexusシリーズ」は、NikonやCanonのデジタル一眼レフカメラに対応した水中ハウジングが注目を集めています。
他社と比べてアフターサービスが充実しており、修理やオーバーホール、改造などにも柔軟に対応してくれる点が魅力です。
主にハイエンドなカメラ向け製品を多く手がけ、プロやベテランダイバーなどの幅広いユーザーに支持されています。
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AOI / AOI
メーカー名 | AOI / AOI |
設立念 | 1999年 |
本拠地 | 香港 |
概要 | 水中撮影機材の総合メーカー |
AOIは香港を拠点とする水中撮影機材の総合メーカーで、20年以上にわたって日本の大手カメラメーカーにOEM供給を行ってきた実績を誇ります。
独自の水中ハウジングシリーズとして「UHシリーズ」を展開し、OMシステムやGoProなど多様なカメラに対応する製品を提供しています。
他メーカーと比べると、プロカメラマンの監修による品質管理が行き届いており、耐久性と使いやすさを両立した点が特徴です。
ダイビングや海洋撮影をメインとするレジャー業界からプロの映像制作現場まで、幅広い層から評価を得ています。
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キュー・アイ / QI
メーカー名 | キュー・アイ / QI |
設立念 | 1971年 |
本拠地 | 神奈川県横浜市金沢区福浦2-4-7 |
概要 | 特殊環境下で使用するロボットカメラメーカー |
キュー・アイ(QI)は1971年創業の神奈川県横浜市に拠点を置く、特殊環境下で使用するロボットカメラメーカーです。
人間の目では見ることのできない世界を正確に可視化する技術を強みに、自社での一貫開発を行っています。
主力製品として「FM-5100」などがあり、極限環境での撮影を想定したハウジングやカメラを取りそろえています。
他社の水中カメラと比べても1万m級深海TVシステムなど超深海にも対応できる高い耐圧性が特徴で、研究機関や官公庁からの信頼も厚いです。
国内外の官公庁や研究機関、欧米やアジアの企業でも導入実績があり、深海調査や海洋開発の最前線で活用されています。
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広和 / KOWA
メーカー名 | 広和 / KOWA |
設立念 | 1952年 |
本拠地 | 大阪府大阪市此花区西九条1丁目3番31号 |
概要 | 水中TVカメラロボット(ROV)および海洋機器の総合メーカー |
広和(KOWA)は1952年創業の大阪府大阪市に本社を構える、水中TVカメラロボットや海洋機器を幅広く手がける総合メーカーです。
1985年から水中TVカメラロボットの開発を続けており、深海11,000mまで対応可能な高耐圧技術で注目を集めています。
代表的な水中カメラには「11,000m級深海高耐圧カメラ」があり、世界最深のマリアナ海溝でも撮影を実現するほどの性能を誇ります。
他社比較でも、極限まで耐圧性能を追求したカメラづくりが強みで、深海開発や研究用途など高度な要求にも応えられる点が魅力です。
官公庁や研究機関といった専門分野で多く採用されており、海洋資源調査や環境調査などの重要なプロジェクトにおいて活躍しています。
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