セラピーロボット

セラピーロボット

高齢者介護や在宅ケアなど、日常のなかでふと「もっと気軽に心を癒せる方法はないだろうか……」と感じることはありませんか?そんな場面で注目されているのがセラピーロボットです。

動物型や人型など多彩な種類があり、ストレス緩和や孤独感の軽減、リハビリ支援など、期待できるメリットはさまざま。

一方で、「本当に効果があるの?」「抵抗感はない?」と不安を抱く方も多いでしょう。

本記事では、セラピーロボットとは何かやその効果、選び方、デメリット、そしておすすめメーカーの比較まで徹底解説します。導入を迷っている方も、きっと自分に合ったロボットを見つけるヒントが得られるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

とりあえず話を聞きながら考えたい方やすぐにメーカーへ問い合わせをしたい方は、以下のボタンからお問い合わせください。担当者におつなぎいたします。

目次

セラピーロボットとは? 特徴や活用例などを解説

セラピーロボットとは? 特徴や活用例などを解説

セラピーロボットとは、対話や愛着形成などの心理的アプローチを目的に開発されたロボットです。

ストレス軽減、コミュニケーション促進、リハビリ支援など、多様な場面で活用されており、高齢者介護施設や病院、在宅ケアの現場などで実際に導入が進んでいます。

特徴は、人の声や動きを感知して反応するセンサー機能、やわらかい触り心地による安心感の提供など、癒し効果を最大化する設計が多い点が挙げられます。

一方で、利用者の心理状態や年齢層に合わせて適切に選定しなければ、ロボットへの抵抗感や恐怖心を招いてしまう可能性もあるため、導入の際にはしっかりとした目的設定と運用計画が重要です。

セラピーロボットの基本情報が分かったところで、次章では、セラピーロボットを種類ごとに分けて特徴を解説します。

活用したい種類を明確にしておきましょう。

セラピーロボットを3種類に分けて解説

セラピーロボットを3種類に分けて解説

セラピーロボットにはいくつかの形状・機能のタイプがあり、それぞれで得られるメリットや注意点が異なります。ここでは代表的な3種類を比較しながら紹介します。

アニマル型セラピーロボット

アニマル型は、犬や猫、アザラシなどをモチーフにして作られたセラピーロボットです。愛らしい見た目や肌触りが利用者の心をほぐしやすく、動物アレルギーがあっても安心して触れ合える点が強みです。

アニマル型セラピーロボットのメリット

  • 動物特有の癒し効果を再現しやすい。
  • 触れ合うことで自然なコミュニケーションを誘発できる。
  • 実際の動物飼育が難しい環境でも導入可能。

アニマル型セラピーロボットのデメリット

  • 人によっては動物型に苦手意識を持つことがある
  • 発声機能やコミュニケーション機能が限定的な場合がある

ヒト型セラピーロボット

ヒト型セラピーロボットは、人の形を模しており、対話機能を中心にコミュニケーションをサポートする機能が充実しています。表情を認識して反応する高機能なモデルもあり、人の言葉を理解・回答できるものもあります。

ヒト型セラピーロボットのメリット

  • 高度なコミュニケーション機能を持ち、会話が成立しやすい。
  • リハビリや学習サポートなど応用範囲が広い。
  • 心理面で「人とのつながり」を感じやすい。

ヒト型セラピーロボットのデメリット

  • 見た目がリアルに近すぎると逆に恐怖感を与える可能性がある。
  • 価格帯が高めのものが多く導入ハードルが高い。
  • メンテナンスやシステム更新に専門知識が必要になる場合が多い。

コミュニケーション特化型セラピーロボット

コミュニケーション特化型セラピーロボットは、ヒト型と動物型の中間に位置するような形状や、ゆるキャラ風のフォルムなど、多様なデザインで製作されています。話しかけると返答や動きで応じ、利用者の話す意欲を高める点に注目が集まっています。

コミュニケーション特化型セラピーロボットのメリット

  • 対話により孤独感を和らげやすい。
  • 操作がシンプルで幅広い年齢層に使いやすい。
  • 柔らかい見た目が受け入れられやすい。

コミュニケーション特化型セラピーロボットのデメリット

  • 動物型ほどの愛らしさがない場合もある。

以上がセラピーロボットの代表的な種類です。

次章では、セラピーロボットは本当に効果があるのかどうかを説明します。導入に迷っている方はぜひご覧ください。

セラピーロボットは本当に効果がある?

セラピーロボットは本当に効果がある?

そもそもセラピーロボットは本当に効果があるのでしょうか?本章では、具体例を示しながら、セラピーロボットの効果を検証します。

結論、セラピーロボットにセラピー効果はあるといえます。例えば、アザラシ型ロボット「パロ」の効果として、以下のような報告があります。

アザラシ型ロボット「パロ」の効果

パロとふれあう人びとに対して、心理的な効果として、不安、うつ、痛み、孤独感の低減、生理的にストレスの低減、高血圧の低減、身体的リハビリ効果、社会的にコミュニケーションの改善などが確認された。これらにより、例えば、認知症者の徘徊や暴言・暴力などの周辺症状の緩和・抑制、会話機能の改善・回復などのセラピー効果があり、介護者の介護負担が軽減され、また本人のよい状態を保つことにより、抗精神病薬の使用量の低減化などが示された。


非薬物療法のためのアザラシ型ロボット・パロによる神経学的セラピー | 健康長寿ネット

上記のように、セラピーロボットによってストレスや高血圧の低減や、認知症症状の緩和、抗精神病薬の使用料低減などが確認されています。

一方で、すべてのセラピーロボットにセラピー効果が認められているわけではないことには注意が必要です。導入の際には、その製品のセラピー効果に関するエビデンスをしっかりと確認しましょう。

セラピーロボットの効果についてご理解いただけたでしょうか?

次章では、セラピーロボットのデメリットを解説します。デメリットも理解しておくことで、導入前と後のギャップを防ぐことができます。

セラピーロボットを使うデメリットも知っておこう

セラピーロボットを使うデメリットも知っておこう

セラピーロボットにもデメリットがあり、主に導入時と導入後のデメリットに分けられます。

まず導入時のデメリットは、価格や利用者の心理的抵抗感などです。特に高齢者施設などで一括導入する場合、初期費用も利用者の負担も大きくなるケースが考えられます。

セラピーロボット導入後のデメリットとしては、衛生管理や故障リスクへの対応があります。また、音声認識精度が低いとスムーズなコミュニケーションが成立しづらく、逆に利用者にストレスを与えてしまいかねないです。

そのため、セラピーロボットを導入する際は、これらのデメリットへの対策を十分に考えた上で選定に移りましょう。

次章では、セラピーロボットの選び方を解説します。ご一読いただくことで、自分のニーズに合ったセラピーロボットを導入いただけるでしょう。

導入の失敗を防ぐためのセラピーロボットの選び方を解説

導入の失敗を防ぐためのセラピーロボットの選び方を解説

セラピーロボットを選ぶ際には、目的や利用者の特性、導入環境など多岐にわたる検討ポイントがあります。以下では、代表的な選び方を3つ挙げ、それぞれの重要性を解説します。

心理アプローチやケア目的に適合する機能や形状

セラピーロボットを選定するうえで、心理アプローチやケア目的に合った機能や形状があるかどうかは大切なポイントです。

もし目的に合わない機能・形状のロボットを導入してしまうと、利用者の安心感を損ね、逆にストレスを与えてしまうリスクもあるので注意が必要です。また、治療やケアの方針が曖昧な場面では、機能が不適合になる恐れがあるため、しっかりと目的を明確化しましょう。

適切な機能や形状を持ったセラピーロボットを選べば、利用者が癒しを感じられる環境が整い、セラピー効果を高められる可能性があります。

対象者の年齢や疾患特性に合わせた操作性やデザイン

セラピーロボットの選ぶ際は、対象者の年齢や疾患特性に適した操作性やデザインを持つかどうかもチェックしましょう。

仮に合わないデザインや操作感のセラピーロボットを導入すると、利用者が拒絶感を持ったり、恐怖心を抱いたりして、結果として利用意欲が低下してしまいます。高齢者施設だけでなく、子どもや障がいをお持ちの方が利用する場面ではとくに重視したいところです。

対象者の年齢や疾患特性とマッチしたセラピーロボットを導入できると、ロボットが浸透しやすくなるだけでなく、より高いセラピー効果が期待できます。

利用場所やスタッフ体制に合わせたサイズや衛生管理性能

セラピーロボットのサイズや衛生管理性能を、利用場所やスタッフの体制に合わせて検討することも欠かせません。

例えば、環境に合わないセラピーロボットを導入すると、清掃負担や破損リスクが高まり、結果として活用機会が減少してしまうでしょう。とくに病院や高齢者施設のように清潔さや耐久性が求められる場面では注意が必要です。

一方、環境や運用体制を考慮して適切に選べば、管理が楽になり、スタッフも積極的にセラピーロボットを活用しやすい環境を整えられます。

以上がセラピーロボットの選び方です。

次章では、当編集部がおすすめするセラピーロボットの代表的なメーカー5社の情報を比較します。気になったメーカーがある場合は問い合わせてみましょう。

おすすめのセラピーロボットメーカー5社を比較! 各社の特徴を紹介します

おすすめのセラピーロボットメーカー5社を比較! 各社の特徴を紹介します

セラピーロボットはさまざまなメーカーから発売されており、それぞれが特徴的な製品を提供しています。ここでは5つの主要おすすめメーカーを比較し、製品の強みをまとめます。

知能システム / Intelligent System

メーカー名 知能システム / Intelligent System
設立年 2004年
本拠地 富山県南砺市城4316-1
概要 介護用ロボットメーカー

知能システム(Intelligent System)は、2004年に設立され、富山県南砺市に本拠地を置く介護用ロボットメーカーです。アニマルセラピーロボットの研究開発と製造における先駆的な実績を持ち、業界をリードしています。

同社のセラピーロボットとしては、アザラシ型ロボット「パロ」が代表製品です。

世界で最もセラピー効果があるロボットとしてギネスにも認定された点は、他社製品と比較しても強みといえます。

デンマークをはじめ海外の高齢者施設や病院でも広く採用されており、合計で世界数カ国にわたる実績を持つことから、グローバルな評価が高いメーカーです。

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GROOVE X / GROOVE X

メーカー名 GROOVE X / GROOVE X
設立年 2015年
本拠地 東京都中央区日本橋浜町3-42-3 住友不動産浜町ビル
概要 家族型ロボットメーカー

GROOVE X(グルーヴエックス)は2015年に設立され、東京都中央区に本拠地を構える家族型ロボットメーカーです。高度な感情認識技術によって、人との愛着形成に特化したロボット開発に注力しています。

同社の代表的なセラピーロボットは、「LOVOT(らぼっと)」です。

世界初の「家族型」AIロボットとして実績があるうえ、95%以上の継続利用率というデータからも、人との愛着構築を徹底追求した独自技術の強みが際立ちます。

教育施設でのプログラミング教育や認知症ケアの実証実験などにも活用されており、さまざまな現場での導入事例が増えています。

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ユカイ工学 / Yukai Engineering

メーカー名 ユカイ工学 / Yukai Engineering
設立年 2007年
本拠地 東京都新宿区富久町16-11武蔵屋スカイビル101号
概要 セラピーロボットメーカー

ユカイ工学(Yukai Engineering)は2007年に創業し、東京都新宿区を拠点とするセラピーロボットメーカーです。デザインから開発・製造・販売までを一貫して行う体制を強みに、独創的なロボットを多数手がけています。

代表作として挙げられるのが、しっぽ付きクッション型ロボット「Qoobo(クーボ)」です。

国際的なデザインアワードを受賞した実績を持っており、独自のデザイン性や使い勝手の良さは他社と比較して魅力となっています。

セコムのシニア向けコミュニケーションサービスや医療・ヘルスケア分野のほか、行政機関での取り組みなど、多様な現場での活躍が広がっています。

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トレンドマスター / Trendmaster

メーカー名 トレンドマスター / Trendmaster
設立年 2011年
本拠地 神奈川県川崎市中原区中丸子327
概要 高齢者用コミュニケーションロボットメーカー

トレンドマスター(Trendmaster)は2011年設立で、神奈川県川崎市に本拠地を置く高齢者用コミュニケーションロボットメーカーです。シンプルな機能や低価格、持ち運びやすい設計といった点に加え、アニマルセラピー効果を重視した製品開発が特徴です。

代表的なセラピーロボットとしては、「なでなでねこちゃん」「なでなでワンちゃん」シリーズが挙げられます。

高齢者福祉製品としてかわさき基準(KIS)認証を取得しており、シンプルな操作と信頼性の高さにおいて他社と差別化を図っています。

介護施設だけでなく、高齢者がいる一般家庭にも導入されており、より身近なロボットとして利用される事例が増えています。

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パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション / Panasonic Entertainment & Communication

メーカー名 パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション / Panasonic Entertainment & Communication
設立年 2022年
本拠地 大阪府守口市八雲東町1丁目10番12号
概要 エンターテインメント・コミュニケーション機器メーカー

パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションは、2022年に設立された大阪府守口市に本拠地を置くエンターテインメント・コミュニケーション機器メーカーです。パナソニックブランドの信頼性や、ユーザビリティを優先した製品開発力が強みとなっています。

同社のセラピーロボットとしては、「NICOBO(ニコボ)」があります。

“弱いロボット”という新しいコンセプトが特徴で、人が思わず優しく接してしまうような雰囲気を生み出す点が、他社のハイテク路線とは一線を画す強みです。

一般家庭や小学校などで活用されており、子どもから大人まで幅広い年齢層が楽しめるロボットとして注目を集めています。

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