減速機
減速機は、モーターやエンジンが発生する回転運動を適切な速度とトルクに変換するための重要な機械部品です。減速機の種類は多岐にわたり、それぞれが特定の用途に適した性能を発揮します。
そして、種類ごとの特徴や仕組みを理解することは、減速機を選定する上で重要です。
本記事では、基本的な仕組みをわかりやすく解説するとともに、代表的な減速機の種類やその選び方について詳しく説明します。
また、各種類の減速機を提供するおすすめメーカー5社を比較し、それぞれの特徴を解説することで、適切な製品選びをサポートします。
減速機とは?原理・仕組み、構造や用途をわかりやすく解説
この章では、減速機の基本的な原理・仕組み、構造や用途をわかりやすく解説します。
そもそも減速機とは?
減速機は、モーターやエンジンが発生する高速回転を、必要に応じて低速回転に変換するための装置です。回転速度を下げると同時に、回転力(トルク)を増加させることができるため、重い物を動かす際や精密な作業を行う際に重要な役割を果たします。
原理と仕組み
減速機の基本的な原理は、歯車を使って回転数を減らすことです。
モーターやエンジンの回転力は、歯車を通じて伝達されます。大小異なる歯車を組み合わせることで、回転速度を減少させ、その分トルクを増加させる仕組みです。
例えば、大きな歯車と小さな歯車をかみ合わせると、回転は遅くなりますが、トルクは強くなります。この原理を利用して、減速機は効率的に動力を調整します。
減速機の構造をわかりやすく解説
減速機は、主に以下の3つの部分で構成されています。
- 入力軸
モーターやエンジンから回転を受け取る部分で、受け取った回転運動を減速機内部のギアへ伝達します。 - ギア(歯車)
回転の速度を調整するために使用される部品ギアのサイズや配置によって、回転数の減少とトルクの増加が実現されます。 - 出力軸
減速機で調整された回転を外部に伝える部分で、低速・高トルクの回転を提供することが可能です。
減速機の入力軸はモーターやエンジンから回転を受け取り、減速機内部のギアを介して回転速度を調整します。
そして、ギアのサイズや配置を変えることで、回転数を減少させつつトルクを増加させることが可能で、最終的に調整された回転は出力軸を通じて外部へ伝えられ、さまざまな機械や装置の駆動に利用されます。
減速機の用途は?実際の使い方を紹介
減速機は、さまざまな機械や産業で広く活用されています。以下では、具体的な用途とその使い方をいくつか紹介します。
- 産業機械
例えば、コンベアや搬送機、工作機械などでは、モーターの回転速度を適切に落とし、機械の動きをコントロールします。これにより、精密な作業や高トルクを必要とする作業を実現することができます。 - ロボット
ロボットの動きを滑らかで正確にするために、減速機で回転速度を調整し、必要な力を得るときにも活用されます。これにより、ロボットは精密な作業を高精度でこなすことができます。 - 電動車両(EV)
電動車両では、減速機を使ってモーターの高回転を車輪に伝える際に減速し、適切なトルクを提供します。これにより、スムーズな加速と効率的な走行が可能となります。 - 風力発電
風車の羽が回転するとき、風の力を効率よく電力に変換するためには、回転数を適切に調整する必要があります。減速機は、この回転数を調整し、発電機に必要な速度を提供します。 - エレベーターやエスカレーター
モーターの回転を減速して、重い荷物や人を安全に移動させるための力を提供します。減速機は、速度の調整とトルクの向上を行い、これらの機械がスムーズに運転できるようにします。
この章では減速機の原理や仕組みなどの基本的な情報や、どのような所で使われているのかを解説しました。次の章では主な減速機5種類の特徴を説明します。
5種類の減速機とそれぞれの特徴
主な減速機の種類として、以下の5種類が挙げられます。
- ウォーム式
- 多段遊星式
- 平行軸式
- 波動歯車式
- ベベルギア式
ウォーム式
ウォーム式減速機は、ウォームギア(ねじ状の歯車)とウォームホイール(ウォームホイールギア)を組み合わせて使用する減速機です。
このタイプの減速機は、ほかの歯車伝達方式と異なり、滑り接触を行うため、振動や騒音が少なく、一対のウォームギアで減速比(一般的に1/10~1/60)を得られます。
このタイプの減速機の強みは以下のとおりです。
- 一段で減速できる。
- 低振動・低騒音であるため、静かな環境での使用に最適。
- 軸方向が豊富に選べ、多様な設計ニーズに対応可能。
- セルフロック効果があり、出力軸が回転しないようにブレーキがかかった状態になるため、安全性が高い。
- バックラッシが小さいため、精密な動作が要求される用途に最適。
ウォーム式減速機は特に高い減速比を必要とする場合や、静粛性が求められる環境、セルフロック機能を利用したい場合に適しています。
多段遊星式
多段遊星式減速機は、太陽歯車(サンギア)を中心に配置された複数の遊星歯車(プラネタリギア)と、これらを取り囲む内歯車(リングギア)から構成されている減速機です。
遊星歯車はキャリアに支持され、太陽歯車の回転によって自転しながらリングギアの内周を公転し、この公転が出力となります。この構造により、複数段の組み合わせで大きな減速比を実現することが可能です。
このタイプの減速機の強みは以下のとおりです。
- 複数の遊星歯車を使用することで、高い減速比を実現。
- 入力軸と出力軸が同軸上に配置されるため、スペースを有効に活用。
- 複数の歯車が力を分散するため、大きなトルクに耐えることが可能。
- 1段使用で約95パーセント、2段使用で約90パーセントの伝達効率。
- 歯車間の噛み合い精度が高く、精密な動作に適している。
多段遊星式減速機は、高い減速比とコンパクトな設計が必要な場合に適しています。
平行軸式
平行軸式減速機は、入力軸(高速軸)と出力軸(低速軸)が平行に配置された減速機です。
主にスパーギヤ(平歯車)やヘリカルギヤ(はすば歯車)を使用し、動力伝達効率が高く、静音性に優れているのが特徴です。また、1段あたりの伝達効率が高く、減速比率は1/5~1/2500程度と幅広い範囲をカバーできます。
このタイプの減速機の強みは以下のとおりです。
- 転がりによる動力伝達で、1段あたりの伝達効率が非常に高い。
- 1/5から1/2500までの減速比率をカバーし、多様な用途に対応可能。
- ヘリカルギヤを使用することで、騒音を抑えた静かな運転が可能。
- 構造が比較的単純で、保守管理が容易。
平行軸式減速機は、特に動力伝達効率と静音性が要求される場合に適しています。
波動歯車式
波動歯車式減速機は、楕円と真円の差動を利用した差動装置であり、高精度・高効率・高ねじり剛性・低起動トルクなどの特徴を備えています。
この減速機は、ウェーブジェネレータ、フレクスプライン、サーキュラスプラインの3つの基本部品で構成され、ウェーブジェネレータが楕円形の動きを作り出し、フレクスプラインを変形させて内歯車リングと噛み合わせることで大きな減速比と高精度な伝達を可能にします。
このタイプの減速機の強みは以下のとおりです。
- 設計の自由度が高く、コンパクトな設計が可能。
- 安定した位置決めが可能で、高い再現性を持つ。
- 歯車の噛み合いにバックラッシが不要で、滑らかな運転が可能。
- 3部品のみで高減速比を得られる。
- 伝達トルク容量が大きく、強い力を伝えることが可能。
波動歯車式減速機は、特に精密な位置決めや高いトルクが必要な産業用ロボット、自動化設備、半導体装置、工作機器などに適しています。
ベベルギア式
ベベルギア式減速機は、動力を90度異なる方向に伝達する装置で、主に傘のような形状をしたベベルギア(かさ歯車)を使用します。
この減速機は、モーターなどから得た動力を直角に交差する2軸間で効率的に伝達し、回転方向や入力速度をコントロールすることができます。
このタイプの減速機の強みは以下のとおりです。
- 動力の回転方向を複数に分配可能。
- 様々な角度に伝達でき、連結により複数の展開が可能。
- 幅広い動力分野での使用に適しており、特に差動装置に最適。
- 高速回転が可能で、騒音や振動が少ない。
- 歯面強度が高く、負担が少ないため耐久性が高い。
ベベルギア式減速機は、動力を90度変える必要がある場合や、複数の方向に動力を分配する必要がある場合に適しています。
この章では、主に使われている減速機5種類の特徴や強みを解説しました。次の章では、減速機のメリットについて解説します。
減速機を活用するメリットとは?
減速機には、以下のメリットが挙げられます。
- モーターの保護
- コンパクトな設計
- 高い減速比
- 精密な動作
モーターの保護
減速機は、モーターの回転数を適切に制御し、過剰な負荷や急激な衝撃からモーターを守ることができます。モーターの寿命が延び、故障のリスクを抑えることが可能です。
このメリットは、特に以下のような場面で活躍します。
- 高いトルクを必要とする場合、モーター単体では過負荷になりやすいため、減速機を使うことで、モーターの負担を軽減できる。
- ロボットや産業機械などでは、負荷が急に変動することがあります。減速機が負荷を吸収することで、モーターにかかるストレスを減らし、安定した運転を維持できる。
小型でありながら高いトルクを提供
減速機は小型でありながら高いトルクを提供できます。
そのため、スペースが限られている産業用ロボットや医療機器、自動車のバックドアの開閉やドアミラーの調整機構など、省スペースで高精度な動作が求められる場面で活用されています。
高い減速比
減速機は高い減速比を実現できます。
高い減速比と精密な動作を活かし、エレベーターやエスカレーターなどの移動設備で滑らかな運転を実現するだけでなく、プリンター内部で紙を正確に送り出すことも可能です。
精密な動作
減速機は正確な位置決めを可能にします。
このため、精密制御が求められる工作機械や測量機に加え、多関節ロボットや移動ロボットの車輪などにも活用することができます。
この章では減速機を活用する際のメリットを4つ紹介しました。次の章では、導入前に確認しておきたい、減速機のデメリットを解説します。
導入前にデメリットも確認しておこう
一方で、減速機には、以下のような課題もあります。
- 発熱による効率低下と部品寿命の短縮。
- バックラッシによる精度の低下。
- 伝達効率低下の可能性。
発熱による効率低下と部品寿命の短縮
減速機の中でも特にウォーム式減速機は発熱しやすいという欠点があります。発熱は、減速機の効率を低下させ、部品の寿命を短くする可能性があるため、適切な対策が必要になります。
発熱を軽減するためには、適切な冷却システムを設置することが有効です。冷却システムには、自然冷却や強制冷却、オイル冷却などの方法があり、用途や使用環境に応じて選択することが重要です。
また、定期的なメンテナンスを行い、冷却効果を維持することも必要になります。
バックラッシによる精度の低下
減速機の使用において、バックラッシの問題も考慮すべき要素の一つです。バックラッシとは、歯車間の隙間によって生じる遊びであり、これが精密な動作に影響を与えることがあります。特に、精度が要求される用途では、このバックラッシが問題となる場合があります。
バックラッシを軽減するためには、高精度の歯車を使用することが効果的です。
さらに、特殊な構造を持つ減速機を選択することで、バックラッシを最小限に抑えることができます。例えば、ゼロバックラッシを実現する減速機や、遊びを自動的に補正する機能を持つ装置を導入することが考えられます。
また、定期的なメンテナンスを行い、歯車の摩耗や変形を防ぐことで、バックラッシの増加を防ぐことも重要です。
伝達効率低下の可能性
減速機には、伝達効率が低下しやすいというデメリットもあります。伝達効率が低いと、動力が無駄に消費され、エネルギー効率が悪化するため、結果としてコストの増加やパフォーマンスの低下につながることがあります。
伝達効率を改善するためには、まず高効率の歯車を使用することが効果的です。例えば、歯車の加工精度を高めたり、摩擦が少ない設計を採用することで、効率を向上させられます。
また、適切な潤滑剤の選定も重要です。潤滑剤は、摩擦を減らすだけでなく、歯車の寿命を延ばす効果もあるため、定期的に適切なものに交換することが推奨されます。
さらに、減速機の設計において、段数を増やさずに必要な減速比を得る工夫を行うことも有効です。段数が増えると、それに伴って効率が低下するため、可能な限りシンプルな設計を採用することで、伝達効率を引き上げることが可能です。
この章では、減速機のデメリットを3つ挙げました。導入前に確認しておくことで想定外のトラブルを防ぎ、適切に運用できます。
次の章では減速機を選ぶ際の判断基準を5つ解説します。
5つの比較基準 | 減速機の選び方
減速機を選ぶ際には、以下の5つのポイントを押さえる必要があります。
- 減速比
- トルク容量
- バックラッシ
- サイズ
- 重量
減速比
減速比が変わると、モーターから出力される回転速度とトルクが変わります。具体的には、減速比が高くなるほど、出力軸の回転速度は低く、トルクは大きくなり、逆に、減速比が低いと、回転速度は高く、トルクは小さくなります。
減速比が高い場合のメリットは、以下のとおりです。
- 小さな力で大きな負荷を動かすことができるため、重い物を持ち上げるクレーンなどに最適。
- 精密な位置決めが必要な工作機械やロボットアームに有利。
- 消費電力を減らせる。
このため、主にクレーンやエレベーターなど、大きなトルクが必要な機械や工作機械や産業用ロボット、医療装置や測量機器など、細かい動きが求められる場所で利用されています。
一方で、減速比が低い場合のメリットは、以下のとおりです。
- ファンやポンプなどの機器を高速で運転可能。
- トルクが必要以上に大きくならないため、動力伝達の効率が良い。
- 小さな歯車を使うため、減速機自体をコンパクトに設計可能。
このため、減速比が低い減速機は扇風機やポンプなど、高速で連続運転する機器やファンやブロワーなど、効率的な動力伝達が求められる機器に適しています。
トルク容量
トルク容量が変動すると、減速機が安全に扱える最大トルクが変わります。トルク容量は減速機が伝達できる力の大きさを示し、この値が大きいほど、より重い負荷を動かすことができます。
トルク容量が高い場合のメリットは、以下のとおりです。
- より重い負荷を動かす能力があるため、産業用ロボットや重機械などに最適。
- 過負荷時の安全マージンが増え、機械的な強度が高くなる。
- 幅広いアプリケーションに適用可能。
このため、トルク容量が高い減速機は、重い部品を持ち上げたり精密な動作を行うロボットアーム、建設機械や農業機械、ファクトリーオートメーション機器や無人搬送車(AGV)、自律走行型搬送ロボット(AMR)などで活用されています。
一方で、トルク容量が低い場合のメリットは、以下のとおりです。
- 小型で安価なモーターが使用可能なため、コスト削減につながる。
- >減速機自体を小型化・軽量化できる。
- エネルギー効率が良くなる場合がある。
このため、トルク容量が低い減速機は家電製品やオフィス機器、ホビー用途のラジコンカーや模型飛行機、模型船などに適しています。
バックラッシ
バックラッシの変動は、減速機の精度と動作に影響を与えます。バックラッシが大きいと、入力と出力の間に遊びが生じ、位置決めの精度が低下します。逆に、バックラッシが小さいと、歯車間の接触が密になり、より精密な動作が可能になりますが、摩擦や熱の問題が生じる可能性があります。
バックラッシが大きい場合のメリットは、以下のとおりです。
- 組み立て時やメンテナンス時に歯車の位置調整が容易。
- 過熱や歯の損傷を防ぎ、減速機の耐用年数を延ばせる。
- 負荷がかかった際の歯車の変形や加工誤差を吸収し、スムーズな動作を保証。
このため、バックラッシが大きい減速機は、一方向運転の機械や負荷変動が少ない機械、予算が限られている場合に選ばれることがあります。
一方で、バックラッシが小さい場合のメリットは、以下のとおりです。
- 精密な位置決めが可能。
- 入力に対する出力の応答性が向上し、迅速な動作が可能。
- 正逆の切り替え時のズレが少なくなり、停止時の精度が向上。
このため、バックラッシが小さい減速機は、精密な位置決めが必要な工作機械や産業用ロボット、往復運転を行う機械や高速運転が求められる機械に適しています。
サイズ
減速機のサイズが変動すると、装置全体の大きさや重量、設置スペースの要件、そしてトルク容量が変わります。サイズが大きくなると、一般的にはより大きなトルクを扱う能力が増しますが、その分、重量も増加し、より多くのスペースが必要になります。
サイズが大きい場合のメリットは、以下のとおりです。
- より大きな負荷を動かす能力があるため、産業用ロボットや重機械などに最適。
- 堅牢な構造を持ち、長期間にわたる運用に耐えられる。
- 幅広いアプリケーションに適用可能。
このため、サイズが大きい減速機は、産業用ロボットや工作機械、エレベーターやエスカレーターなど、人や物を持ち上げるために大きなトルクが必要な移動設備で使用されます。
一方で、サイズが小さい場合のメリットは、以下のとおりです。
- スペースが限られている場所に適しており、機械や設備のスリム化が可能。
- 取り扱いや設置が容易。
- エネルギー効率が良くなる場合がある。
このため、サイズが小さい減速機は、精密機器や家電製品、オフィス機器など、スペースが限られている場所や軽量化が求められる機器に適しています。
重量
減速機の重量が変動すると、装置全体の大きさや取り扱いやすさ、設置スペースの要件、および支持構造の設計が変わります。重量が大きくなると、一般的にはより大きなトルクを扱う能力が増しますが、それに伴い、設置に必要なスペースや支持構造も大きくなります。
重量が重い場合のメリットは、以下のとおりです。
- より大きな負荷を動かす能力があり、産業用ロボットや重機械に最適。
- 堅牢な構造を持ち、長期間の運用に耐える。
- 高い出力軸の剛性を持ち、ねじれによる位置ずれが少ない。
このため、重量が重い減速機は、産業用ロボットや工作機械、エレベーターやエスカレーターなど、大きなトルクが必要な移動設備で使用されます。
一方で、重量が軽い場合のメリットは、以下のとおりです。
- スペースが限られている場所に適しており、機械や設備のスリム化が可能。
- 取り扱いや設置が容易。
- エネルギー効率が良くなる場合がある。
このため、重量が軽い減速機は、精密機器や家電製品、オフィス機器など、スペースが限られている場所や軽量化が求められる機器に適しています。
この章では減速機を選ぶ際の判断基準を5つ解説しました。ぜひ、選定時の参考にしてください。
最後の章では、減速機を製造しているおすすめの5社を比較します。自社の用途に合ったメーカーを選ぶ際の参考にしてください。
減速機を製造するおすすめメーカー5社を比較
減速機を製造するおすすめメーカーは、以下の5社が挙げられます。
- 住友重機械工業
- ハーモニック・ドライブ・システムズ
- ニデックドライブテクノロジー
- SKG
- マテックス
各メーカーの主な事業内容と製造する減速機の種類を簡潔に比較するために、以下の表をご覧ください。
メーカー名 | 主な事業内容 | 主に製造する減速機の種類 |
---|---|---|
住友重機械工業 | 変減速機、射出成形機、環境プラント、産業機械、建設機械、造船など多岐に渡る事業を展開する総合重機械メーカー | 多段遊星式、平行軸式、ベベルギア式 |
ハーモニック・ドライブ・システムズ | 産業用ロボットや半導体製造装置向けのメカトロニクス製品及び減速装置の製造・販売 | 多段遊星式、波動歯車式 |
ニデックドライブテクノロジー | 無段変速機、減速機、工芸機器、計測機器、鍛圧機械・精密プレス加工製品の製造・販売などを行う企業 | ウォーム式、多段遊星式、ベベルギア式 |
SKG | 精密減速機の開発・製造・販売を行う企業、ロボット産業向けに特許技術を活用した新型減速機を提供 | 波動歯車式 |
マテックス | 電動アクチュエータや電動駆動系、遊星減速機、変速機の開発・製造・販売を行う企業 | 遊星(増)減速機、変速機 |
※スマートフォンは横にスクロールできます。
各メーカー毎の詳細は以下から御覧ください。
住友重機械工業(Sumitomo Heavy Industries)
住友重機械工業は、変減速機、射出成形機などの標準・量産機械から環境プラント、産業機械、建設機械、造船など多岐に渡る事業を展開している総合重機械メーカーです。
同社は、多段遊星式、平行軸式、ベベルギア式の減速機を主に製造しています。
※JET-Globalの問い合わせフォームに遷移します。
ハーモニック・ドライブ・システムズ(Harmonic Drive Systems)
ハーモニック・ドライブ・システムズ・システムズは、産業用ロボットや半導体製造装置に組み込まれるメカトロニクス製品及び減速装置の製造、販売を行っています。特に波動歯車装置「ハーモニックドライブ®」や精密遊星減速装置「アキュドライブ®」、「ハーモニックプラネタリ®」のブランドで知られている企業です。
同社は、多段遊星式、波動歯車式の減速機を主に製造しています。
※JET-Globalの問い合わせフォームに遷移します。
ニデックドライブテクノロジー(NIDEC DRIVE TECHNOLOGY)
ニデックドライブテクノロジーは、無段変速機の製造、減速機の製造販売、工芸機器の製造、各種計測機器の製造、鍛圧機械・精密プレス加工製品の製造販売などを行っている企業です。1946年に設立され、京都府向日市に本社を置き、世界各国に事業所を持っています。
同社は、ウォーム式、多段遊星式、ベベルギア式の減速機を主に製造しています。
※JET-Globalの問い合わせフォームに遷移します。
SKG(エスケージー)
エスケージーは、ロボットの中核をなす精密減速機を独自のコンセプトで開発し、製造・販売している企業です。特許技術を活用した新型減速機を通じて、世界のロボット産業に変革をもたらすことを目指しています。
同社は、波動歯車式の減速機を主に製造しています。
※JET-Globalの問い合わせフォームに遷移します。
マテックス(Matex)
マテックスは、1921年に創業された日本の企業で、電機、自動車、産業機器、健康機器等向けの電動アクチュエータや電動駆動系の開発・製造・輸出を行っています。また、遊星(増)減速機、変速機の開発・製造・販売・輸出も手掛けており、機能性樹脂精密射出成形や金型の設計・製造・販売も行っている企業です。
同社は、多段遊星式の減速機を主に製造しています。
※JET-Globalの問い合わせフォームに遷移します。
この章では、減速機を製造しているおすすめの5社を比較し、それぞれが製造している減速機を解説しました。自社の用途に合ったメーカーを選ぶ際の参考にしてください。