協働ロボット導入で失敗しないために知っておくべきメリット・デメリット|向いている現場・不向きな現場を解説
はじめに
近年、製造業における人手不足の深刻化や自動化ニーズの高まりを背景に、「協働ロボット」の導入を検討する企業が急増しています。
従来の産業用ロボットとは異なり、安全柵なしで人と並んで作業ができる協働ロボットは、まさに「産業用ロボットでは対応しきれなかった隙間」を埋める救世主として期待されています。組み立て、搬送、検査、ピッキングなど、その活用範囲は日々広がっています。
しかし、導入後に思わぬ壁に当たり「失敗」や「後悔」を感じてしまうケースは少なくありません。私たち「ロボット導入支援プラットフォーム JET」が業界の実情を把握している限りでも、「思ったより生産性が向上しなかった」という声を聞くことがあります。
なぜ、そのようなミスマッチが起きてしまうのでしょうか?
最大の原因は、協働ロボットの特性やデメリットを正しく理解しないまま、「人手不足解消」「自動化=効率化」という期待だけで導入を進めてしまうことにあります。
協働ロボットは「万能な魔法の杖」ではありません。産業用ロボットと同様に、用途・環境・工程設計によって、明確な「向き・不向き」が存在します。また、ロボット本体の性能以上に、「何をどう掴ませるか(周辺機器・治具の設計)」が成功の鍵を握っています。
本記事では、ロボットメーカーに縛られない中立的な立場と、部品加工・治具製作のプロフェッショナルとしての視点を持つJETが、以下のポイントを徹底解説します。
- カタログには載っていない、現場視点でのメリット・デメリット
- 協働ロボットと産業用ロボット、自社に合うのはどっち?(比較基準)
- 導入成功のカギとなる「リスクアセスメント」と「周辺機器」の重要性
「自社にとって本当に協働ロボットが必要なのか」「どの工程なら失敗しないのか」。
この記事を読めば、その判断基準が明確になります。
そもそも協働ロボットとは?産業用ロボットとの違い
協働ロボットのメリット・デメリットを正しく理解するためには、まず「協働ロボットとは何か」「従来の産業用ロボットと決定的に何が違うのか」を整理しておく必要があります。
私たちJETが現場で相談を受ける際も、
「小型の産業用ロボットのことですよね?」
「安全センサーが付いたロボットという認識で合っていますか?」
といった質問をよくいただきます。
しかし、この認識がズレたまま導入検討を進めると、「期待したほどのスピードが出ない」「思ったより運べる重さが軽い」といったギャップが生まれ、導入失敗の引き金となりかねません。
協働ロボットの定義(人と同じ空間で働ける)
協働ロボット(Cobot:Collaborative Robot)とは、その名の通り「人と同じ空間で、協力して作業すること」を前提に設計されたロボットです。
最大の特徴は、「人との接触が起こり得る環境でも、安全性を確保しながら稼働できる」点にあります。
本来、産業用ロボットは出力が大きく危険なため、法律(労働安全衛生規則)により安全柵(フェンス)で囲い、人を隔離することが義務付けられていました。しかし、技術の進歩と2013年の規制緩和により、一定の安全機能を満たすことで、人との協働が可能になりました。
協働ロボットには、主に以下のような安全機能が標準搭載されています。
- 接触検知・衝突検知機能:人や障害物に触れた瞬間に、自動で停止または減速する。
- 力・速度の制限(PFL):人に当たっても怪我をさせないよう、出力やスピードが制限されている。
- 安全監視機能:エリアセンサー等と連携し、人が近づくと減速、離れると加速するといった制御が可能。
これらの機能により、これまでロボットを置けなかった「狭い通路脇」や「人が作業している真横」への導入が可能になりました。
ただし、「安全柵が不要=どんな使い方でも100%安全」というわけではありません。
ロボットが刃物を持っていたり、高温のワークを運んでいたりする場合は、別途リスクアセスメント(危険性の評価)と安全対策が必要になる点は、必ず押さえておくべきポイントです。
従来の産業用ロボットとの決定的な違い
協働ロボットと産業用ロボットの違いは、単なるサイズや価格の差ではなく、開発された「設計思想(コンセプト)」そのものにあります。
両者の違いを一言で言えば、「隔離して効率を最大化するか(産業用)」か、「共存して柔軟性を確保するか(協働)」かの違いです。
| 項目 | 協働ロボット | 従来の産業用ロボット |
|---|---|---|
| 作業空間 | 人と同じ空間(柵なし) | 人と隔離された空間(柵あり) |
| 基本思想 | 人と一緒に作業する | 人を排除して自動化する |
| 得意な用途 | 組み立て・検査・配膳などの柔軟な作業 | 溶接・プレス間搬送などの高速・重量作業 |
| 稼働速度 | 安全確保のため制限あり(低速〜中速) | 高速稼働が可能(生産性重視) |
| 可搬重量 | 軽量(数kg〜20kg程度が主流) | 数kg〜数トンまで幅広い |
| 設置・移動 | 省スペース・レイアウト変更が容易 | 固定設備として大規模な工事が必要 |
従来の産業用ロボットは、「高速・高精度・大量生産」を目的に進化してきました。生産ラインから人を排除し、圧倒的なスピードでタクトタイムを短縮することに特化しています。
一方、協働ロボットは、人の作業を完全に代替することだけを目的としていません。
- 人の横で部品を手渡す
- 人が苦手な単純作業だけを肩代わりする
- 熟練工の作業を補助する
こうした「人間とロボットの役割分担」を前提に設計されています。
現場でよくある失敗は、「産業用ロボットと同じ感覚で、圧倒的な生産性向上を期待してしまう」ことです。
協働ロボットは、スピードや生産数を一気に引き上げるための装置というよりは、「現場の柔軟性を保ちながら、人手不足を解消し、安定稼働を実現するためのツール」と言えます。
どちらが優れているかではなく、「自社の工程が求めているのはスピード(産業用)なのか、柔軟性(協働)なのか」を見極めることが、成功への第一歩です。
協働ロボットを導入する5つのメリット
協働ロボットが近年ここまで注目されている理由は、単に「新しい技術だから」ではありません。
従来、自動化を諦めていた「狭い場所」「変わりやすい工程」「人の判断が必要な場所」に対して、現場の制約を受けにくい形で“ちょうどいい自動化”を実現できる点にあります。
実際の製造現場で特に評価されている、5つのメリットを解説します。
【メリット1】安全柵が不要で省スペース設置が可能
協働ロボットの最大のメリットは、安全柵(フェンス)を設けずに設置できるケースが多いことです。
従来の産業用ロボット導入では、ロボット本体のスペースに加え、周囲を囲う広大な柵のスペースが必要でした。これが原因で、「通路が狭くなる」「既存の設備レイアウトを大幅に変えないと置けない」といった物理的な壁にぶつかることが多々ありました。
一方、協働ロボットは人との接触を前提に安全性が確保されているため、今、人が作業しているスペースにそのまま置き換えるといった導入が可能です。
実際の現場では、以下のような「隙間活用」が進んでいます。
- 通路脇のデッドスペースに設置し、搬送作業を行う
- 人が作業しているラインのすぐ横に“割り込み設置”し、ネジ締めだけを任せる
- 天井吊り下げや壁掛け設置で、空間を有効活用する
大規模なレイアウト変更工事が不要なため、導入のハードルが物理的にもコスト的にも大きく下がります。
【メリット2】専門知識不要!直感的なプログラミング(ティーチング)
「ロボットを動かすには、専門のプログラム言語を覚えたSE(システムエンジニア)が必要」
そんな常識を覆したのが協働ロボットです。
多くの協働ロボットは、「ダイレクトティーチング」と呼ばれる機能を持っています。これは、ロボットアームを直接手で持って動かし、「ここからここまで動いて」と直感的に覚えさせる方法です。
また、操作画面もスマホやタブレットのようなアイコンベースで設計されており、専門知識がない現場のパートスタッフや作業員でも、短時間の講習で操作を覚えることができます。
- 外部の業者を呼ばなくても、自分たちで動きを修正できる
- 朝の始業前や、急な品種変更時に、現場だけですぐに対応できる
この「自走できる運用」こそが、現場のカイゼン活動を加速させます。
【メリット3】「多品種少量生産」や「段取り替え」に強い
協働ロボットは、柔軟性が求められる生産環境で特に力を発揮します。
従来の自動化ライン(専用機や産業用ロボット)は、「同じ製品を大量に作り続ける」ことには長けていますが、製品が変わるたびに大掛かりな「段取り替え」が必要で、多品種少量生産には不向きでした。
協働ロボットは、軽量で移動が容易なため、「ロボットを台車に乗せて移動させる」という使い方が可能です。
- 午前中: Aラインで「部品の箱詰め」を手伝う
- 午後: Bラインに移動して「組立作業」の補助をする
このように、工場の稼働状況に合わせて必要な場所に配置する“遊軍”として活用することで、設備稼働率を最大化できます。専用の「架台(ロボットを載せる台)」を工夫すれば、ワンタッチで固定・移動ができる点も、JETが多くの現場で提案しているポイントです。
【メリット4】人手不足の解消と、人の付加価値向上
「ロボットを入れると人の仕事がなくなる」というのは過去の話です。現在は「人が足りないからロボットに手伝ってもらう」時代です。
単純な反復作業や、重量物の上げ下ろし、危険を伴う工程を協働ロボットに任せることで、限られた貴重な人材を「検品・品質管理」や「段取り」「改善業務」といった、人間にしかできない付加価値の高い業務に集中させることができます。
また、協働ロボットは休憩なしで稼働できるため、採用が困難な「深夜帯の稼働」や「休日の無人運転」を任せることも可能です。労働力不足を補いながら、従業員の負担も減らす。この「人とロボットの役割分担」が、企業の競争力を高めます。
【メリット5】スモールスタートが可能(JETなら補助金活用も)
協働ロボットは、大掛かりな周辺設備や安全柵の工事が不要な分、初期導入コストを比較的抑えやすく、立ち上げ期間(リードタイム)も短いのが特徴です。
いきなり工場全体を自動化するのではなく、「まずはこの1工程だけ」というスモールスタートに適しています。「まずは1台入れてみて、効果を見ながら他の工程へ横展開する」という進め方ができるため、投資リスクを最小限に抑えられます。
【JETの視点:補助金でさらに導入しやすく】
「コストを抑えやすい」とはいえ、数百万円単位の投資には慎重になるものです。
そこでJETでは、「ものづくり補助金」や「省力化投資補助金」などの公的支援制度を活用した導入プランを推奨しています。
ロボット本体だけでなく、システム構築費(SIer費用)や周辺機器も補助対象になるケースが多く、実質的な負担額を1/2〜1/3程度に圧縮できる可能性があります。
どのような補助金が使えるか、申請サポートも含めてご相談いただけるのが、プラットフォームであるJETの強みです。
ここに注意!協働ロボットのデメリットと「失敗」の原因
協働ロボットのメリットばかりが強調されがちですが、導入検討において本当に重要なのは、「できないこと(デメリット)」をどこまで具体的に理解しているかです。
実際の現場では、「ロボット自体は高性能だが、使いどころを間違えた」「導入目的と現場の実態が噛み合っていなかった」といった理由で、期待した効果が出ず、“お蔵入り”になってしまうケースも残念ながら存在します。
ここでは、導入前に必ず知っておくべき3つの壁と、よくある失敗の原因を整理します。
【デメリット1】動作スピードが遅い(サイクルタイムの壁)
協働ロボットの最も大きなデメリットは、動作速度の制約です。
「人との接触」を前提とした安全設計のため、ISO(国際標準化機構)などの規格に基づき、一定以上の速度や力が出ないように制御されています。人とぶつかった瞬間に安全に停止するためには、物理的にスピードを落とさざるを得ないのです。
その結果、従来の産業用ロボットに比べて、サイクルタイム(1つの作業にかかる時間)はどうしても長くなります。
【よくある失敗パターン】
熟練の作業員が「1個あたり3秒」でパパっとこなしている作業を、協働ロボットに置き換えようとするケースです。協働ロボットが同じ動きをしようとすると5〜6秒かかることも珍しくありません。「人がやるより遅いじゃないか!」となってしまうのです。
協働ロボットは、「瞬発的なスピード」ではなく、「休みなく動き続ける持久力」で勝負するロボットであることを理解する必要があります。
【デメリット2】可搬重量(ペイロード)とリーチの限界
近年、可搬重量が20kg〜30kgを超えるパワフルな協働ロボットも登場していますが、主流はまだ「3kg〜10kg」のレンジです。
自動車のボディや、重量のある金属部品を振り回すような作業は、依然として大型の産業用ロボットの独壇場です。
【意外な落とし穴:ハンドの重さを忘れていませんか?】
ここで見落としがちなのが、「可搬重量には、ロボットの手(ハンド)の重さも含まれる」という点です。
例えば「可搬重量5kg」のロボットに、高機能で重いハンド(1.5kg)を取り付けると、実際に持てるワーク(製品)の重さは「3.5kg」まで目減りします。
「ギリギリ持てるカタログスペック」で選定した結果、動作が不安定になったり、エラーが頻発したりするトラブルは後を絶ちません。
【重要】ロボット本体だけでは動かない(ハンド・治具の壁)
これこそが、私たちJETが最も強調したいポイントであり、多くの導入プロジェクトが躓く最大の原因です。
ロボットはあくまで「腕」に過ぎません。
実際に仕事をするには、ワークを掴むための「手(ハンド)」や、ワークを正確な位置に固定する「治具(ジグ)」が必要です。しかし、協働ロボット本体を買うだけで予算を使い果たしてしまい、この周辺機器にお金をかけられず失敗するケースが非常に多いのです。
- 市販のハンドが合わない: 独自の形状をした部品や、変形しやすい柔らかい素材は、カタログに載っている汎用のロボットハンドでは掴めない、あるいは落としてしまうことがあります。
- 位置決めができない: 協働ロボットはカメラを使わない限り「どこに部品があるか」分かりません。部品をセットする台(治具)がズレていたり、精度が悪かったりすると、ロボットは空振りを繰り返します。
【JETの視点:成功の鍵は「周辺機器のカスタマイズ」】
「腕(ロボット)」の性能を活かすも殺すも、「手(ハンド)」と「台(治具)」次第です。
JETでは、汎用品で対応できない場合、3Dプリンタや切削加工を用いて、そのワーク専用の「特注爪」や「ガイド付き治具」を設計・製作します。
「ロボットを入れる」ことよりも、「ロボットが掴みやすいようにワークを変える」「専用のハンドを作る」ことの方が、自動化成功への近道であることは多々あります。
「安全柵不要=何もしなくていい」ではない
「協働ロボットなら、ポンと置くだけですぐ安全に使える」というのも大きな誤解です。
確かにロボット本体は丸みを帯びており、ぶつかれば止まります。しかし、ロボットが「何を持っているか」が重要です。
例えば、ロボットが「鋭利なカッター」や「熱せられた金属」を持っていた場合、いくらゆっくり動いていても、人と接触すれば大怪我につながります。
このようなリスクがある場合、協働ロボットであっても簡易的な柵を設けたり、エリアセンサーを追加して「人が近づいたら停止する」設定を行ったりする必要があります。
「安全柵なし」はあくまで条件付きであり、必ず「リスクアセスメント」を実施して安全対策を講じる義務があることを忘れてはいけません。
【チェックリスト】協働ロボットが「向いている現場」vs「不向きな現場」
協働ロボットの導入を検討する際、「メリットは理解したが、結局うちの現場に合うのか?」という点で悩む企業様は非常に多いです。
流行っているからといって、全ての工程が協働ロボットに適しているわけではありません。
ここでは、実際の製造現場での成功事例や失敗例を踏まえ、協働ロボットが「向いている現場」と「不向きな現場」をチェックリスト形式で整理します。
✅ 協働ロボットが「向いている現場」
以下の項目に多く当てはまる場合、協働ロボットのメリットを最大限に活かせる可能性が高い現場です。
- 人とロボットが同じ空間で行き来する必要がある
(例:ロボットが部品供給し、人がその横で組み立て・検査を行う) - 工場のスペースが狭く、安全柵を置く余裕がない
(例:通路幅を確保しなければならない、既存ラインの隙間に置きたい) - 多品種変量生産で、段取り替えが頻繁に発生する
(例:午前と午後で違う製品を作るため、ロボットの配置やハンドを頻繁に変えたい) - 専任のロボット技術者が社内にいない
(例:現場のパートスタッフや作業長が、自分でティーチング修正を行いたい) - 完全自動化ではなく、人の作業負担を「3割〜5割」減らしたい
(例:重いワークの持ち上げだけロボットに任せたい)
「人と一緒に働くことが前提」の現場ほど、協働ロボットは労働力不足の解消や生産性向上に貢献します。
❌ 協働ロボットが「不向きな現場」
一方で、以下のような現場では、協働ロボットを導入しても期待した効果が得られない、あるいは「産業用ロボット」の方が適している可能性があります。
- 圧倒的なスピード(タクトタイム短縮)が最優先
(例:1個あたり1秒以内で搬送したい、プレス機の高速取り出しなど) - 30kgを超えるような重量物を高速で扱う
(例:大型の自動車部品、重量パレットの積み付けなど) - ミクロン単位の超高精度な位置決めが必要
(例:精密部品の嵌め合い、微細加工など ※カメラ等で補正すれば可能な場合もあり) - 人が立ち入る必要が全くない「完全自動化エリア」
(例:危険な塗装ブース内や、無人化された加工セル内)
このような現場では、協働ロボットの「安全のための速度制限」や「剛性の低さ」がボトルネックになり、生産効率が低下するリスクがあります。
【JETの提案】不向きな場合は「産業用ロボット」や「専用機」も選択肢に
ここが非常に重要なポイントです。
もし、上記のチェックリストで「不向きな現場」に当てはまったとしても、自動化を諦める必要はありません。
私たちJETは、特定の協働ロボットメーカーだけを販売する代理店ではありません。あらゆるメーカー、あらゆる自動化手法を扱う「プラットフォーム」だからこそ、協働ロボットが不向きな場合には、正直に別の手段を推奨します。
- スピード重視なら「産業用ロボット」: 人が立ち入らないエリアであれば、安全柵を設置して「産業用ロボット」を導入したほうが、圧倒的に安価で高速なケースは多々あります。中古ロボットを活用してコストを抑える提案も可能です。
- 単純動作なら「専用機(メカ)」: 「A地点からB地点へ動かすだけ」であれば、高価な多関節ロボットを使わずとも、シリンダーとモーターを組み合わせた「専用機(ローダー)」を作ったほうが、速くて壊れにくい設備になることもあります。
「協働ロボットを入れること」を目的にせず、「現場の課題(人手不足・コスト・品質)を解決する最適な手段は何か?」という視点で選定することが、失敗しないための鉄則です。
失敗しないための導入ステップとパートナー選び
協働ロボットの導入で成果を出している現場に共通しているのは、ロボットの機種選び以上に、「導入前の準備プロセス」に時間をかけている点です。
逆に、「とりあえず導入して、動かしながら考えよう」という進め方をしてしまうと、稼働が安定せず、結果的に現場で使われなくなるケースも少なくありません。
失敗を避けるための重要なステップを解説します。
まずは「リスクアセスメント」と「実機検証」を
カタログ上のスペック(可搬重量やリーチ)だけで判断するのは危険です。必ず以下の2点を行ってください。
- リスクアセスメント(危険性の評価): ロボット単体ではなく、「ハンド」「ワーク(製品)」「周辺環境」を含めたシステム全体での安全性を評価します。「尖ったワークを持つ場合、どのような防護が必要か?」「人が近づいた時の停止距離は十分か?」などを事前に洗い出します。
- 実機検証・シミュレーション: 実際にロボットを使って、自社のワークを掴ませてみるテストです。「本当にこのタクトタイムで間に合うか」「把持ミス(掴み損ね)は起きないか」を検証します。
JETでは、導入前にシミュレーションソフトや実機デモを用いた検証を行い、「できること・できないこと」を可視化してからプロジェクトを進めることを徹底しています。
特定のメーカーに縛られない「比較選定」の重要性
協働ロボットには、ユニバーサルロボット(Universal Robots)、ファナック、オムロン、安川電機、テックマン(Techman Robot)など、国内外に多くのメーカーが存在します。
それぞれのメーカーに強み(使いやすさ、カメラ機能標準搭載、防塵防水性能など)がありますが、1社のカタログだけを見て決めるのはリスクがあります。
例えば、「A社のロボットは使いやすいが、今回の用途には剛性が足りない。実はB社のロボットの方が、少し操作は難しいが剛性が高く、今回の現場には適している」といったケースは多々あります。
メーカーの営業マンは自社製品しか提案できませんが、私たちのような中立的なプラットフォームであれば、複数のメーカーから「御社の現場にベストな1台」をフラットに選定できます。
導入後の「教育」と「サポート体制」を確認する
ロボットは導入して終わりではありません。むしろ、導入してからがスタートです。
- 現場教育: 現場のパートスタッフや作業長が、日々の軽微なトラブル(チョコ停)に対応できるよう、誰が教育を行うのか?
- 保守メンテ: 故障時の修理対応や、定期メンテナンスの体制はどうなっているか?
これらが曖昧なままだと、何かあった時にラインが長時間停止してしまいます。
なお、JETでは、導入時のSier紹介はもちろん、「現場の方が自分でロボットを使いこなせるようになるためのトレーニング」を提供するパートナー企業の紹介も可能です。
協働ロボットの導入・比較なら「ロボット導入支援プラットフォーム JET」へ
協働ロボットは、人手不足解消と生産性向上を同時に実現する強力なツールですが、そのポテンシャルを引き出すには「現場に合わせたインテグレーション(調整)」が不可欠です。
JETは、単なるロボット販売店ではありません。
「モノづくり企業の課題を解決する、ロボット導入支援プラットフォーム」として、お客様の自動化プロジェクトをトータルでサポートします。
JETが選ばれる理由(中立提案・補助金支援・周辺機器製作)
- メーカーに縛られない「中立的な提案」
国内・海外メーカー問わず、幅広いラインナップから比較検討が可能です。協働ロボットだけでなく、産業用ロボットや専用機の方が適している場合は、正直にそちらをご提案します。 - 補助金活用のサポート
「ものづくり補助金」や「省力化投資補助金」など、複雑な申請手続きをサポートし、導入コストを大幅に圧縮する提案を行います。 - SIer選定から導入までワンストップ
自社での対応に加え、全国の提携SIer(システムインテグレータ)とのネットワークを活かし、お客様の地域や業種に最適なパートナーとチームを組んで支援します。
まずは無料相談・デモ体験から
「うちの工場のこの作業、自動化できるかな?」
「協働ロボットを入れたいけど、何から始めればいいかわからない」
そのようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度JETにご相談ください。
オンラインでのヒアリングから、現場にお伺いしての診断、実機デモの手配まで、お客様のフェーズに合わせて柔軟に対応いたします。
失敗しないロボット導入の第一歩を、JETと共に踏み出しましょう。