関西ロボットワールド2025レポート~「ソフトロボット」シリコンでできた未来のロボットの最前線
関西ロボットワールド訪問レポート|注目の展示を現地取材
JET-Robotics編集部の駒木が、関西エリアで開催された「関西ロボットワールド」に足を運び、注目すべき展示をピックアップして紹介します。
今回訪問した場所
関西ロボットワールド
- 場所:インテックス大阪
- 開催期間:2025年開催

「関西ロボットワールド」で注目した展示
展示会の規模としては小〜中規模でしたが、「ロボットワールド」という名称にふさわしく、ロボット関連企業の出展が非常に多く、挑戦的なソフトロボティクスや開発段階の製品の展示も目立ちました。業界のスピード感やエネルギーを改めて実感するイベントとなりました。
- 北陸先端科学技術大学院大学 ソフトロボティクス研究室
- 株式会社エムトピア
柔らかい身体でロボットの可能性を広げる|北陸先端科学技術大学院大学 ソフトロボティクス研究室

研究室の只野さんによる講演と実演では、金属の硬いロボットに対する新たなアプローチとして、「ソフトロボティクス」の概念が紹介されました。
柔軟なシリコン素材を用いたロボットは、水中を泳ぐウナギのように滑らかに動き、狭所作業や複雑形状対応が可能です。また、中空構造をセンサーとして活用することで、より豊かなフィードバック取得も視野に入っているとのこと。
特に印象的だったのは、収穫用ロボットハンド「ローズハンド」。果物を「引きちぎる」のではなく、回しながら切り離すという動作で、人間の動きに近い収穫が可能になるそうです。柔らかい素材だからこそ、作物に優しく接し、点ではなく面で力を分散できるというのも大きな利点でした。
動きの制御が難しいという課題はあるものの、新しいロボット像を切り拓く注目分野であると感じました。
試作から始まるものづくりの夢を支える|エムトピア

巨大な銀色のガチャガチャ筐体が目を引いたこのブースは、試作専門企業エムトピアによるものでした。見た目だけでなく、実際に稼働してカプセルが出てくるという、動作検証まで想定された試作品でした。
試作屋とは、量産前に仕様を固めるための試作品を製作する企業で、家電や車、建材など多岐に渡る分野で活躍しています。展示を通じて、「ちょっと変わったものづくり」に対する熱意と遊び心が伝わってきました。
エムトピアでは、AMR(自律移動ロボット)の筐体試作にも対応しており、カスタマイズしたAMR導入を検討する企業にとって強い味方になりそうです。
出展企業・関連企業の情報まとめ
北陸先端科学技術大学院大学 ソフトロボティクス研究室
| 研究機関名 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
| 研究室 | ソフトロボティクス研究室 |
| 研究内容 | 柔軟素材によるロボット設計/収穫用ローズハンド開発 |
株式会社エムトピア
| 企業名 | 株式会社エムトピア |
| 事業内容 | 試作開発(AMR筐体、家電、車両部品など) |
| 特徴 | 量産前の試作支援/創造的なものづくりに強み |