3時間のみの特化型展示会「大きいモノ、数モノ展」に行ってきました~町工場でのロボットの現状も~

大田区羽田空港近くの天空橋で開催された、3時間限定の特化型展示会「大きいモノ、数モノ展」を取材しました。

主催は公益財団大田区産業振興協会(以下、大田区産業振興協会)。区内産業の活性化を目的に、ものづくり企業の支援を行っている団体です。

今回訪問した展示会

大きいモノ、数モノ展

  • 場所:天空橋(羽田空港近く・大田区)
  • 開催形態:3時間のみの特化開催
  • 主催:公益財団大田区産業振興協会
大きいモノ、数モノ展の会場の雰囲気

展示会の趣旨と見どころ

「大モノ」はその名の通り大型部品のこと、「数モノ」はネジや樹脂パーツなどの大量調達が前提の小物部品を指します。

大田区のものづくりと言えば「少量多品種・微細加工」のイメージが強いかもしれません。しかし、大田区には大物加工や量産用パーツに強い企業も数多く存在しており、その存在を知ってほしい――そんな思いから本展示会が企画されたそうです。

会場の雰囲気

入口付近では用途が一見想像できないほどの迫力ある大型パーツが鎮座。奥に進むと、今度は用途別の小さな部品が所狭しと並ぶエリアへ。ロボット取材の多い筆者でも、初見のパーツが多くワクワクが止まりませんでした。

会場自体はコンパクトながら、各ブースが大盛況で、担当者の方と話すのに15分待ちの人気ブースも。短時間開催で来場者の熱量がぎゅっと凝縮された印象です。

今回は、ロボットに関わる部品を製作する企業や、すでにロボットを導入している町工場を中心にお話を伺いました。

大型部品と小型パーツの展示

ロボットにも使われる LiDAR センサー部品メーカー

ロボット向けのLiDAR(ライダー)センサーの一部を製作する企業。ロボットメディアとしては見逃せない出展です。

LiDARは周囲環境の認識に欠かせないキーデバイス。「見えないところで性能を支える部品の質」が、結果としてロボットの測位精度・安全性・耐久性に直結します。量産を前提とした安定供給や品質管理体制など、裏側の技術力に光が当たる展示でした。

領域 センサー部品(LiDAR関連)
展示のポイント 高い加工精度と量産安定性。ロボットの視覚を支える要素部品。

金属加工×産業用ロボット——町工場ならではの導入効果

金属加工を主力とする町工場で、10年以上前から産業用ロボットを導入。人員が限られる現場だからこそ、ロボットが担う価値を実感しやすいとのこと。

近年は協働ロボットの導入も検討中で、既存工程への組み込みや安全柵レス運用による立ち上げの容易さに期待しているそうです。

領域 金属加工(町工場)
導入の狙い 人手の平準化・段取りの効率化・品質の安定化
今後の計画 協働ロボットで小ロット多品種の柔軟生産を強化

町工場×ロボットの現在地(取材メモ)

大きいモノ、数モノ展の会場の雰囲気
  • 「見えない部品」が主役:数モノ・大モノは最終製品の品質と信頼性を左右。裏方の技術に注目が集まっていた。
  • 小規模だからこそ効果が大きい:自動化の定常運用化で、少人数でも段取りと生産が安定。
  • 協働ロボットは次の一手:安全柵レスや簡易教示で立ち上げが速く、町工場の現場に親和。

まとめ

今回は「数モノ」「大モノ」という、普段は目立ちにくいけれど不可欠な部品や技術が主役の展示会でした。

また、実際にロボットを導入している町工場の声から、協働ロボットは近い将来、大工場だけでなく町工場でも“当たり前の存在”になると強く感じました。部品の品質と現場の運用力が合わさることで、日本のものづくりの底力がさらに高まるはずです。

今回訪問した展示会

大きいモノ、数モノ展

  • 場所:天空橋(羽田空港近く・大田区)
  • 開催形態:3時間のみの特化開催
  • 主催:公益財団大田区産業振興協会
大きいモノ、数モノ展の会場の雰囲気