THK人型ロボット見学及び操作体験会

THK人型ロボット見学及び操作体験会へ行ってきました!~JET-Global編集部探訪シリーズ

ファミリーレストランで稼働している配膳ロボットや、駅構内で掃除をしている清掃ロボット、さらにはフードデリバリーサービスへの配送ロボットの実験的な使用など、いわゆるサービスロボットの普及が私たちの身近なところまで浸透してきています。

また最近、ニュースやSNSなどで人型ロボットの話を見聞きすることが増えてきました。そこで、今回RobiZy主催「THK人型ロボット見学及び操作体験会」に参加してきました。記事内では、このイベントの模様を写真や動画などでお届けします。

操作しているところも動画におさめたので、人型ロボットの動かし方に興味がある方、操作のイメージを知りたい方はぜひご一読ください。

THK人型ロボット見学及び操作体験会の概要

THK人型ロボット操作体験会概要
THKが研究開発のひとつとして手掛けている人型ロボット

今回JET-Global編集部の参加したイベントは、THKが販売しているユニットを組み合わせて作ることのできる人型ロボットの見学及び操作体験会です。デモ機による人型ロボット(28軸アクチュエータ)の機構説明、遠隔操作体験ができる体験会などが展示会形式で開催されました。

人型ロボットとサービスロボット

人型ロボットとサービスロボット
今回操作体験対象となった人型ロボットのスケルトンも展示されていた

人型ロボットとは?

人型ロボットあるいはヒューマノイドロボットは、人間に似た外観を持っていたり、似た動作したりすることができるロボットのことです。

頭部、胴体、腕、脚といった機構を持っているため、二足歩行での移動や手による物の把持、人間に近い会話やジェスチャーができます。

人型ロボットについて詳しくは以下の記事をご参照ください。

サービスロボットとは?

サービスロボットとは、人に対して物理的、心理的、知的なサービスを提供することを目的としたロボットです。飲食店や病院、オフィス、工場など、さまざまな環境で活用されています。

サービスロボットについて詳しくは以下の記事をご覧ください。

THKが研究開発のひとつとして手掛けている人型ロボットのデモ機の操作を体験!

人型ロボットのコントローラ
デモ機の操作部分。画面は障害物などが表示される

今回の体験会では、THKが研究開発のひとつとして手掛けている人型ロボットを体験操作させていただきました。

THKの人型サービスロボットについて

操作対象となったTHKの人型サービスロボットは、THKが販売しているサービスロボット向けの各要素部品を組み合わせてできたロボットのため、ニーズや要望に合わせてカスタマイズが可能です。例えば、上半身部分のみの購入や、台車のみの購入など、希望に沿った選択ができます。

サービスロボットとしての基本的な役割を果たすことができますが、宇宙分野、農林水産分野、医療分野での使用も想定されているロボットです。医療分野では、遠隔でエコー検査をするために導入された実績もあります。

また、遠隔操作が可能で、過去の実験ではつくば市にあるロボットを大田区から操作したこともあるそうです。

人型ロボットを実際に操作してみた感想

人型ロボットの操作模様
人型ロボットの操作模様を後ろから撮影したところ

操作をする際に使用するコントローラは、腕輪に腕を通してジョイスティックのような操縦桿を掴んで操作するタイプのものでした。さながらガンダムのコックピットのような感じで、かっこよい雰囲気があります。

操作感は非常に直感的でした。腕を動かせば腕が動き、操縦桿のトリガーを引けば手の開閉ができるなど、手元を見ずにロボットだけを見て操作できるほど簡単で、1、2分も経てば自分の体が延長したかのように錯覚しました。

ロボットの移動はボタンひとつで切り替えることができ、操縦桿に搭載されたアナログスティックで、前後だけでなく左右にも移動できます。家庭用の据え置きゲーム機で普段遊んでいる人であれば、こちらも全く問題なく操作できそうです。

また、サービスロボットが人と同じ空間で稼働できる理由も実感できました。下の動画にもあるように、基本的にモーターの出力は弱く調整されています。仮に人間に腕などが当たったとしてもロボットの方が力負けしてしまうので、暴走して人にけがを負わせることはないそうです。

実際に人型ロボットを操作しているところ(動画)

THK人型ロボットのコントローラ(THK人型ロボット見学及び操作体験会)@THKテクノセンター
人型ロボットの操作体験(THK人型ロボット見学及び操作体験会)@THKテクノセンター
人型ロボットが人に当たると(THK人型ロボット見学及び操作体験会)@THKテクノセンター

まとめ

SEED-R7のスケルトン
人型にするのには理由があると実感した今回の操作体験会

ロボットとひとくちにいっても、その形状はさまざまです。そんななか、なぜ人型にするのか。私たちが普段過ごしている物や空間、たとえばドアノブの位置などは人間に合わせて作られています。そうした状況で活動することを考えたときに、現状一番合理的な形は人間の形ということもあり、ロボットを人型にするのだとか。

一方で、人型ロボットやサービスロボットだからと言って人間の活動を丸々代替できるかというと、そういうわけではありません。ロボットを導入する際に考えなければいけないのは、人間が行っている作業のどの部分を代替するのか、ということです。

そのためには、人間が普段行っている作業をリストアップして、ボトルネックとなりそうなところを見つけ、代替できるかどうかを検討しなければなりません。ロボットはあくまで人間の作業を補完するもの、という考え方が重要なのだと、実際に人型ロボットを操作してみて思いました。

今回体験会が行われた場所
THKアイコン

THKテクノセンター

東京都大田区東糀谷4-9-16

2017年10月に移転した新本社及びテクノセンターを研究開発拠点として、THKは基幹の直動システムをはじめ、精密XYステージやリニアモータアクチュエータなどのメカトロ機器、さらに自動車、免震・制震装置、医療機器、航空機、ロボット、再生可能エネルギーなど、直動システムのコア技術とノウハウを活かした製品開発を行っています。

中国などの海外にも研究開発拠点を設けており、世界各地のニーズにより的確に応えられるよう、米州・欧州・アジアを視野に入れた最適地開発体制の構築も進めています。

THKテクノセンター場所