
業務自動化に使える中小企業省力化投資補助金を解説!他4つの補助金とも比較
コロナ禍、急激なデジタル化の進展、原材料価格の高騰など、近年中小企業を取り巻く経営環境は激変しています。その中でも特に、様々な業界で人手不足が深刻化しており、経営自体は悪くはないが、人がいないことで倒産する会社も出ています。
この記事では、人手不足に対して、省人化・省力化のために、業務の自動化をお考えの企業に向けて、今使えるおすすめの補助金を比較して、特におすすめなものをお伝えします。
結論、編集部で最もおすすめしている補助金は、中小企業省力化投資補助金です。すぐに理由を知りたい方はこちらからご覧ください。
補助金関係は難しい言葉が多いですが、できる限りわかりやすく解説します。
※ただし、補助金の情報に関しては予算の上限に達することで募集が終わってしまったり、内容が変更されたりする場合がありますので、公式サイトで確認してください。
本記事は、以下のページの情報に基づいて作成しています。
業務の自動化に使える補助金5種類をわかりやすく解説
補助金の種類を解説する前に、まずは自動化について、どんな業界に使えるのか、どんな方法があるのかを改めて整理します。
自動化が効果的とされている業界は、主に製造業・工場、倉庫・物流業、農業、建設業、サービス業などです。
自動化の方法は以下があります。
- ITツール導入
生産、在庫、販売、財務、人事を一元管理することで省人化し、管理部門を一部自動化できます。また、AIで製品の傷や異常のチェックを自動化している企業もあります。
- ロボット・設備導入
協働ロボット(人と一緒に作業できるロボット)や産業用ロボット、その他設備を導入することで、組み立てや重量物の移動、溶接などを自動化できます。
- IoT
工場内のセンサー、機械などをインターネットに接続し、データを収集後AIで分析することで、異常を感知したり生産ラインの無駄を最適化できる。生産管理が行っていた作業を自動化し、工数を減らせます。
本章では、業務の自動化に使える補助金を5種類紹介し、それぞれの特徴を解説します。これを読めば、それぞれの補助金の概要について知ることができます。
また、中小企業省力化投資補助金はカタログ型と一般型の2種類があり、それぞれ補助金額や導入できる設備・サービスの自由度が異なるため、それぞれに分けて解説します。
1-1. 中小企業省力化投資補助金カタログ型
中小企業省力化投資補助金カタログ型は、省力化・省人化のためであれば、既存の事業の効率化にも新規事業にも使えます。しかし、導入品はロボットや機械などの設備が中心で、カタログに載っている製品からのみ選べます。
この補助金は設備投資が中心ですので、ITサービスにはIT導入補助金のほうが適しています。
IT導入補助金についてより詳しく知りたい方は、こちらから当記事内の詳細解説箇所に飛べます。
1-2. 中小企業省力化投資補助金一般型
中小企業省力化投資補助金一般型は、上記のカタログ型と同じく、省力化・省人化のためであれば、既存の事業の効率化にも新規事業にも使うことができます。
さらに、カタログ型はカタログの中からしか選べなかったのに対し、一般型では自社に応じてITサービスやロボットや機械など設備まで、幅広い製品から選べます。
また、既存の製品・設備では導入が難しい場合は、オーダーメイドの設備の導入も可能にました。
最大補助額も1億円と5つの補助金の中では最高額です。
中小企業省力化補助金について詳しく知りたい方は、こちらから当記事内の詳細解説箇所に飛べます
2. ものづくり補助金
ものづくり補助金は、新規事業にも既存事業の生産性向上にも使用できますが、革新的なサービスや試作品開発といった高度な技術革新を重視する傾向があります。補助金額は最大8,000万円です。
3. IT導入補助金
IT導入補助金は、ITに特化した補助金です。比較的申請の許可もおりやすく、業務効率化のためにITを導入したい企業におすすめの補助金になります。ただし、ロボットやラインの自動化など設備投資をしたい企業には向いておらず、最大補助額も低めです。
4. 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者であれば使用できます。
使用用途は自由ですが、最大補助額が低いため設備投資を含む自動化を検討している企業に適していない可能性もあります。
- 商業やサービス業では、従業員が5人以下であること
- その他の業種では、従業員が20人以下であること
- 個人事業主や共同経営者で、常時使用する従業員の数が20人以下の場合
- 会社の役員で、常時使用する従業員の数が20人以下の場合
5. 事業再構築補助金
事業再構築補助金は、文字通り事業の再構築に使える補助金です。
事業の再構築とは、新市場進出、事業転換、業種転換など現在の事業から大きく変更する場合や、現在の事業とは異なる事業を新しく始める場合を指します。
最大補助額は今回比べる5つの中では最高額です。
- 新市場進出:業種や事業はそのままに、新たな市場に進出すること
例:食品メーカーが、高齢者向けに栄養補助食品を販売。
- 事業転換:業種はそのままに、メインの事業を変更する
例:イートインの飲食店がデリバリー専門店に転換
- 業種転換:メインの業種を変えること
例:飲食店経営企業が、食品製造に変更
- 事業再編:合併、事業譲渡等により組織再編を行い、事業転換や新市場進出を行うこと
- 国内回帰:海外で行っていた製造、調達を国内に移転すること
- 地域サプライチェーンの維持、強靭化
いずれにせよ、新しく何かを始めたり、事業の方向性を大きく変えることが事業再構築に当たります。
ここまでは、業務を自動化する際に適用できる補助金を5つ紹介しました。5つの補助金についてどんなものか理解していただけたと思います。
次の章では、5つの補助金を比較し、特徴ごとにまとめます。あなたの会社に適した補助金の特徴を見つけましょう。
結局どれがおすすめ?自動化に使える補助金を徹底比較!
本章では、前章で解説した5つの補助金について、自動化に適しているかどうかで比較します。
自動化をしたいならこの2つのポイントでの比較が重要
補助金を比較する際には様々な比較ポイントがありますが、自動化をする際に最も重要な比較ポイントは、何に使えるか・いくら貰えるかの2点です。
- 導入できる設備・サービスの自由度(何に使えるか)
実際に補助金を使って、導入できる導入できる設備・サービスの選択肢の多さを表します。具体的にはIT、IoT、ロボット、機械などの選択肢があります。幅広い選択肢から設備・サービスを選べるものから順に高、中、低の三段階で表します。
- 金額(いくら貰えるか)
補助金額の上限が高いもの(5,000万円以上)は高、1,000万円~5,000万円のものは中、1,000万円以下のものは低と表記します。
この2点は、どちらかだけが良くても意味はありません。
例えば、大きな金額がもらえる補助金であっても、最終的にあなたの会社がやりたい自動化のために使えなくては意味がないからです。
また、いかに自由に使える補助金でも、あなたの会社が導入したい設備に対して金額が少ないと、効果的な自動化をできず、あなたの企業の課題解決には繋がらない場合もあります。
そのため、自社におすすめの補助金を選ぶ基準は、補助金額と導入できる設備・サービスの自由度どちらも満たしているものが良いでしょう。
比較結果を一覧表で解説
以下は、上記のポイントで比較した、5つの補助金の早見表です。
補助金名 | 自由度 | 金額 |
事業再構築補助金 | △ | ◎(上限1億円) |
省力化投資補助金(カタログ型) | △ | △(上限1500万円) |
省力化投資補助金(一般型) | ◎ | ◎(上限1億円) |
ものづくり補助金 | ◯ | ◎(上限8000万円) |
IT導入補助金 | ◯ | ◯(上限450万円※複数社連携IT導入枠の場合は上限3000万円) |
小規模事業者持続化補助金 | ◎ | △(上限100万) |
※スマートフォンは横にスクロールできます。
以上から、導入できる設備・サービスの自由度が高いのは小規模事業者持続化補助金と中小企業省力化投資補助金一般型です。
上限金額で比較すると、事業再構築補助金と省力化投資補助金一般型が1億円で最高額、ついでものづくり補助金が最大で8,000万円が補助されます。
自動化におすすめの補助金は中小企業省力化投資補助金一般型
自動化におすすめの補助金は中小企業省力化投資補助金一般型です。
理由は補助金額の大きさが最大1億円と大きく、導入できる対象の設備・サービスがITからロボット、設備投資まで幅広いからです。
さらに、事業拡大と既存事業の効率化どちらの用途でも利用できる点でも魅力的な補助金です。
このように中小企業省力化投資補助金一般型は、さまざまなフェーズの会社に合わせて、より効果的な自動化施策が進められるのでおすすめです。
中小企業省力化投資補助金の一般型にご興味を持っていただけた方は、次章で申請方法や補助金額の詳細も解説しているので、ぜひご覧ください。
中小企業省力化投資補助金一般型の対象事業者と申請方法、事例を紹介
本章では、中小企業省力化投資補助金一般型について、あなたの会社が対象になっているのかや、具体的な申請方法などを解説します。
補助金の目的
人手不足に悩む企業が、人手不足解消に効果があるデジタル技術を活用した設備を導入することによって、生産性向上を図り、賃上げにつながること。
以上は中小企業省力化投資補助金一般型の公式ページから引用しています。
事業目的
中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業等がIoT・ロボット等の人手不足解消に効果があるデジタル技術等を活用した設備を導入するための事業費等の経費の一部を補助することにより、省力化投資を促進します。これにより、中小企業等の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげることを目的とした補助金です。
対象
- 中小企業、小規模事業者、個人事業主であること※1
- 日本国内に事業所があること
- 生産性向上や労働環境改善のための投資であること
- 一定以上の省力化効果が見込まれること
※1 中小企業、小規模事業者、個人事業主とは:資本金、従業員数が下に記した表の数字以下の事業者を中小企業、小規模事業者、個人事業主と呼ぶ。
スケジュール
公募開始日:2025年1月30日(木)
公募締切日:2025年3月31日(月)17:00
採択発表日:2025年6月中旬(予定)
補助額・補助率
補助額・補助率に関しては下の表にまとめました。
従業員数 | 補助金上限額 | 補助率 | |
---|---|---|---|
中小企業 | 小規模事業者 | ||
~5名 | 750万円(1,000万円) | 1/2(2/3) | 2/3 |
6~20名 | 1,500万円(2,000万円) | ||
21~50名 | 3,000万円(4,000万円) | ||
51~100名 | 5,000万円(6,500万円) | ||
101~名 | 8,000万円(1億円) |
※補助金額が1,500万円を超える部分については、その超過分の1/3が助成されます。
※()内の数字は大幅な賃上げを実施した場合に適用されます。
【業界別】中小企業省力化補助金一般型を使った各業界の自動化事例を解説
工場・製造業
製造業では、以下のような自動化のための設備投資に補助金が活用可能です
・組立作業や検品作業自動化のためのロボットを導入。
・工場内の稼働状況を把握・効率化するためのIoT導入。
・精密加工や製品加工の自動化のためのCNC機械導入。
食品業
食品業界では、以下のような自動化のための設備投資に補助金が活用可能です
・食品パッケージングの自動化のための機械やロボットによる自動包装システムの導入。
・食品の加工を自動化するための機器、システム導入。
倉庫・物流業
物流業界では、以下のような自動化のための設備投資に補助金が活用可能です
・商品の保管や取り出し作業をロボットやコンベアシステムで自動化する、自動倉庫システム(AS/RS)の導入。
・配送業務を自動化するためのロボットやドローンの導入
小売業・サービス業
小売業・サービス業では、以下のような自動化のための設備投資に補助金が活用可能です。
・待ち時間短縮、省人化のためのセルフレジ導入。
・配膳や注文の受け付けを自動化するためのロボット導入。
建設業
建設業では、以下のような自動化のための設備投資に補助金が活用可能です。
・現場での作業効率向上、安全性向上のための重機や建設機械の自動化
農業
農業では、以下のような自動化のための設備投資に補助金が活用可能です。
・収穫ロボットの導入。
・最適なタイミングで自動的に水を供給するスマート灌漑システムの導入。
・作物の成長状態や病害虫の発生を早期に検知するための監視用ドローン導入
申請方法と支払いまでの流れ
中小企業省力化投資補助金一般型の申請から支払いまでの流れは以下の6ステップに分かれます。
-
①事前準備:
公募要領を確認して自社が補助対象者、補助対象経費の要件を満たしているか確認し、GビズIDプライムアカウントを取得する。
②計画策定:
過去の採択事例などを参考に、自社の課題やニーズに合った設備投資計画を策定する。
③申請:
電子申請システムで必要書類をアップロードし、申請内容を入力する。
④審査・交付決定:
事務局による審査が行われ、採択事業者が決定される。
⑤事業実施・実績報告:
補助金交付決定後、事業計画に基づき、設備投資を実施する。事業終了後、実績報告書を提出する。
⑥補助金支払い:
実績報告書の内容が審査され、問題がなければ補助金が支払われる。
本章では、中小企業省力化投資補助金一般型の申請方法を解説しました。
ここまで読んでいただいても、まだ業務自動化のため補助金活用について不安や疑問が残る方もいるでしょう。
補助金制度は複雑で、文章での説明やネット上の情報だけではわかりづらい部分があるのも事実です。
そのため、不安が残る方は、補助金申請サポートを行っている会社に問い合わせて、補助金申請のプロに手伝ってもらうことをおすすめします。
まとめ
自社の業務効率化を目指す企業にとって、補助金の活用は、コスト負担を軽減し、導入のハードルを下げる重要な手段です。
数ある補助金の中で、自動化に最もおすすめなのは「中小企業省力化投資補助金一般型」です。補助金額が最大1億円と大きく、ITからロボット、機械まで幅広い選択肢があるため、さまざまな業界に対応可能です。
申請手続きが複雑で不安もあるかもしれませんが、最適な補助金を選んで活用することで、業務の効率化と生産性向上を図ることができます。是非、補助金活用を検討し、次のステップに進んでみましょう。