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ものづくりワールド名古屋レポート~省力化・省人化・遠隔がテーマの3社を訪問~

2025年4月9日〜11日にポートメッセなごやで開催された「ものづくりワールド名古屋」に、JET-Global編集部の駒木が取材に行ってきました。

ものづくりワールドは、その名の通りものづくりに関わる機械がメインとなった展示会ですが、本記事ではものをつくる機械そのものではないけれども、展示会で注目を集めていた最新の製造業トレンド技術や、実際に展示機器を体験した“現場のリアルな声”をハイライト形式で紹介します。

「行きたかったけど行けなかった」「どんな製品や技術が注目されていたの?」と思っていた方にとって、有益な情報となるはずです。会場での実体験を交えて、各企業の取り組みと製品の魅力を分かりやすくお伝えします。

今回訪問した場所

ものづくりワールド名古屋

  • 場所:ポートメッセなごや
  • 開催期間:2025/4/9-4/11


ものづくりワールド名古屋HP画像

ものづくりワールド名古屋で訪れた3つの展示企業

「ものづくりワールド名古屋」は、毎年4月にポートメッセなごやで開催される、中部地方最大級の製造業展示会です。IT、DX製品、機械部品、3Dプリンタなど多くの最新製品が展示されます。

ものづくりワールドはものをつくる機械の展示会ですが、今回注目して展示を訪れたのは以下の3社です。ニッチで普段意識をしない、しかし重要な部分を担う技術や製品を扱う企業や、まだ業界に浸透していない最先端技術を正面に訴求していた企業をピックアップしました。
  • グリーンプラス株式会社
  • 本体だけでなく“バランサ導入の悩みの根本”に向き合い、解決のレールをつくる提案力に注目
  • ロボットバンク株式会社
  • 国内発・気鋭の協働ロボットメーカー。その柔軟な制御性と汎用性に注目が集まっていました
  • モーションリブ株式会社
  • まるで「触れているような」リアルな感覚を再現する、注目のハプティクス(触覚)技術を体験
ここから先は、以上の展示について上から順に紹介していきます。

バランサによって運ぶことを省力化|グリーンプラス株式会社

メーカー名 グリーンプラス
設立年 1991年
本社 大阪府大阪市
概要 重量物搬送設備製作及び販売ならびにアクチュエーター販売
グリーンプラスその1

バランサを支えるグリーンプラスのレール。こんなにレールを見つめることはないのではないか

まず訪問したのは、グリーンプラス株式会社です。

同社は、バランサ導入に欠かせないレールシステムの製造メーカーであると同時に、吊具やバランサ本体の販売代理店としても活動されています。「どうすればバランサを使って効率的かつ安全に作業できるか」を常に追求されているとのこと。

実際にレールの操作をさせていただいたのですが、レールの端までスムーズに移動でき、その軽さと滑らかさに驚きました。バランサは、レールは端に行くと引っかかりを感じて、動きが悪くなることが多く、あまり端まで使わない印象があったものの、同社のレールは端まで使うことができ、さらに指一本でも操作できるレベルの滑らかさには驚きました。

担当者の方がおっしゃっていた「バランサというと“持ち上げる”機能ばかりに注目が集まりがちですが、実は“運ぶ”ためのレールがとても大事なんです」という言葉にも、深く納得しました。

グリーンプラスその2

取り扱ってる吊具。こちらはエアで吸着する真空パッド式

海外製造・国内組立のロボットで省人化|ロボットバンク株式会社

メーカー名 ロボットバンク
設立年 2022年
本社 東京都新宿区
概要 AIシステムの受託開発・導入コンサルティングやロボットDXソリューション事業など
ロボットバンクその1

ロボットバンクでは、日本でロボットを企画し海外で組み立てを行っている

次に、国内のロボットメーカーや海外製ロボットの代理店など、いくつかのブースも回らせていただきました。

なかでも印象的だったのが、ロボットバンク株式会社。AMRや清掃ロボット、配膳ロボットなどを企画・製造・販売しており、部品は中国で製作し、組み立ては日本国内の自社工場で行っているとのことでした。

最近では、こうした“製造は外注・組み立ては国内”というスタイルが、国内メーカーでも増えている印象です。来場者の声を聞いていても、「国内企業が企画している製品の方が、サポート面で安心できる」という意見が多かったのが印象的でした。

ロボットバンクその2

配膳ロボットの「RISU-BOT」

ロボットの操作感覚を遠隔地に伝える|モーションリブ株式会社

メーカー名 モーションリブ
設立年 2016年
本社 神奈川県川崎市
概要 リアルハプティクス®に関するソリューション事業・キーデバイス事業・ライセンス事業
モーションリブその1

リアルハプティクス®(ロボットの力加減をリアルタイムに制御する技術)を用いた製品が2種類展示されていた

モーションリブその2

画面を見ながら遠隔地のアームを操作する仕組みにリアルハプティクス®が組み込まれている

そして、今回個人的に楽しみにしていたのが、モーションリブ株式会社です。

同社が開発する「リアルハプティクス®」は、触覚伝達技術。人が「触った」「押した」「滑らせた」といった感覚をロボットや機械に伝えることができるという、非常にユニークで先進的な技術です。

実際に体験させてもらいましたが、遠隔でスポンジを触ったときの“ふわっ”とした感覚が伝わってきて、本当に驚きました。

モーションリブその3

遠隔先にある硬い面、スポンジの面、凹凸がある面をアームで触ってその感覚を確かめた

リアルハプティクス®は、協働ロボットの直感的なティーチングや、繊細さが要求される危険作業に活かすことができ、現場の安全と効率化において今後重要な役割を担っていくのではないかと感じました。

以上、2025年開催のものづくりワールド名古屋の展示会レポートをお届けしました。ものづくりワールド名古屋について、詳細は以下のHPをご覧ください。

今回訪問した場所

ものづくりワールド名古屋

  • 場所:ポートメッセなごや
  • 開催期間:2025/4/9-4/11


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