
配膳ロボットのおすすめメーカーは? 導入方法や価格相場についても紹介
飲食業界や介護施設などで注目を集めている配膳ロボット。人手不足の解消や業務効率化を目的に、導入を検討する店舗が増えています。しかし、さまざまなメーカーから多様な配膳ロボットが登場しており、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
本記事では、注目の配膳ロボットメーカーや製品の特徴、導入のメリット・デメリット、価格相場、選び方のポイントまでをわかりやすく解説します。
配膳ロボットのおすすめメーカーなどを紹介
近年、レストランやホテル、介護施設などで注目を集めている配膳ロボット。多様な機能を備えたロボットが各メーカーから登場しており、導入を検討している方にとって選択肢は豊富です。ここでは、国内外で注目される配膳ロボットメーカーと代表的な製品をご紹介します。
PUDU Robotics(猫型配膳ロボットのBellabotなど)
会社名 | Pudu Robotics(プードゥ・ロボティクス) |
設立年 | 2016年 |
本社 | 中国・深セン |
概要 | ロボットの製造販売 |
プードゥ・ロボティクスは、サービスロボット市場で急成長を遂げている中国・深セン発の企業です。代表的な製品「Bellabot(ベラボット)」は猫のような外観が特徴で、愛らしい見た目と高度な音声対話機能を備えています。
複数の棚を活用した効率的な配膳が可能で、接客現場での省人化に貢献しています。障害物回避や自動充電にも対応しており、飲食店やカフェを中心に導入が進んでいます。
Orionstar Robotics(LuckiBotなど)
会社名 | OrionStar Robotics(オリオンスター・ロボティクス) |
設立年 | 2016年 |
本社 | 中国・北京 |
概要 | サービスロボットの開発・製造・販売 |
オリオンスター・ロボティクスは、中国・北京を拠点とするサービスロボットメーカーで、受付・配送・配膳など多彩な用途に対応したロボットを展開しています。代表的なモデル「LuckiBot」は、タッチパネルや表情アニメーション機能を搭載し、ユーザーとのインタラクション性能が高い点が特長です。
高精度な位置認識と自動ナビゲーションを備えており、飲食業や病院などでの導入事例が増えています。
ロボットバンク(RISU-Plusなど)
会社名 | ロボットバンク(RobotBank) |
設立年 | 2022年 |
本社 | 東京都新宿区 |
概要 | ロボット・AIシステムの研究開発および導入支援 |
ロボットバンクは、日本国内で配膳ロボットを中心に事業展開する新興企業です。独自に開発した「RISU-Plus」は、カスタマイズ性とシンプルな操作性を兼ね備えた業務支援型ロボットで、飲食店やフードコートなどでの配膳業務の自動化を推進しています。
さらに、AI連携による拡張性の高さも評価されており、業務分析や改善提案なども提供可能です。国内の中小店舗への普及が進んでいます。
SOCIAL ROBOTICS(BUDDY)
会社名 | SOCIAL ROBOTICS(ソーシャル・ロボティクス) |
設立年 | 2015年 |
本社 | 東京都八王子市 |
概要 | 生活支援ロボットの製造・販売・レンタルなど |
ソーシャル・ロボティクスは、東京都八王子市を拠点に高齢者支援や介護、教育分野における生活支援ロボットを開発する企業です。代表的なロボット「BUDDY」は、親しみやすいデザインと高い対話能力を兼ね備え、配膳補助にも応用されるケースがあります。
ロボットのレンタル・リースも積極的に提供しており、短期導入やイベント向けに利用されることも多いです。日本の現場ニーズを意識した開発が強みです。
Senxeed Robotics(CADEBOT)
会社名 | Senxeed Robotics(センシード・ロボティクス) |
設立年 | 2020年 |
本社 | 東京都港区 |
概要 | ロボット・ソリューションの企画・開発・販売 |
センシード・ロボティクスは、先端ロボティクス技術を活かした業務用ソリューションを提供する日本企業です。代表的な製品「CADEBOT」は、搬送や配膳業務を担う自律型ロボットで、高い走行安定性と環境認識能力が特徴です。
厨房から客席へのスムーズな配膳だけでなく、簡単な操作でスタッフの業務負担軽減を実現します。ホテル、カフェ、企業内食堂など多様な施設への導入が加速しています。
Alpha Robotics(PANDAなど)
会社名 | Alpha Robotics(アルファ・ロボティクス) |
設立年 | 2006年 |
本社 | 中国・蘇州 |
概要 | サービスロボットの研究・生産・販売 |
アルファ・ロボティクスは、中国の蘇州に拠点を置く老舗のロボットメーカーで、長年にわたり業務用サービスロボットを開発しています。配膳ロボット「PANDA」は、かわいらしいパンダモチーフの外観と機能性を両立しており、飲食店や展示会場での活用が進んでいます。
効率的なルートナビゲーションや安定した配膳機能に加え、マルチ言語対応や対話機能も搭載されているため、訪日客対応にも適しています。
ソフトバンクロボティクス(KeenbotやKettyBotなど)
会社名 | ソフトバンクロボティクス(SoftBank Robotics) |
設立年 | 2014年 |
本社 | 東京都港区 |
概要 | ロボットの開発・販売・保守サービス |
ソフトバンクロボティクスは、PepperやWhizで知られる日本を代表するロボットメーカーです。配膳ロボットの分野でも「Keenbot」「KettyBot」などの製品を展開しており、正確な自動走行と柔軟な運用設計が特長です。
とくにKettyBotは、広告パネルを搭載しており配膳と販促を同時に実現できます。豊富な導入実績と日本語での強力なサポート体制が安心材料です。
アイリスロボティクス(SERVIなど)
会社名 | アイリスロボティクス(IRIS Robotics) |
設立年 | 2024年 |
本社 | 宮城県仙台市 |
概要 | 法人向けロボット販売・業務改善コンサル |
アイリスロボティクスは、アイリスオーヤマグループのロボティクス部門として2024年に設立された新興企業です。展開する「SERVI」は、機動性と堅牢性に優れた配膳ロボットで、複数ルート対応や自動復帰機能などを備えています。
ホテルや外食チェーンを中心に、バックヤードからフロアまでの無人配送を実現し、効率的な店舗運営に貢献しています。地方発ベンチャーとして今後の動向が注目されています。
ここまで、配膳ロボットの主要メーカーと代表的な製品についてご紹介しました。次は、それらを導入する前に知っておきたいメリット・デメリットについて解説します。
配膳ロボットのメリット・デメリット
配膳ロボットは、省人化やサービスの均一化などの理由から飲食店を中心に注目を集めています。ただし、導入にはコストや運用面での課題も伴うため、両面からの理解が必要です。ここでは、配膳ロボットを導入する際に把握しておくべき主なメリットとデメリットについて解説します。
メリット
配膳ロボットを導入するメリットは、業務効率化と人件費の削減です。スタッフの移動や配膳にかかる時間をロボットが代替することで、接客の質向上や他業務への集中が可能になります。とくに人手不足に悩む飲食店では、生産性の改善に直結するでしょう。
さらに、ロボットは疲れ知らずで業務のばらつきも少なく、安定したサービス品質の提供を実現します。顧客にとっても新鮮で話題性があるため、来店促進やSNSによる集客効果も期待できるでしょう。
デメリット
配膳ロボットの導入には、いくつかのデメリットも存在します。まず、導入コストが高く、店舗の広さや構造によっては導入に適さない場合です。通路が狭かったり、段差が多いとロボットの走行に支障が出るため、事前の環境整備が必要になります。
また、ロボットには柔軟な判断力がなく、想定外のトラブル対応が苦手です。高齢の顧客や機械に不慣れな利用者には不安を与える可能性もあるため、導入には慎重な配慮と補完的なスタッフの対応が重要です。
このように、配膳ロボットには多くの利点がありますが、店舗環境やサービススタイルとの相性も重要です。次のセクションでは、導入前に検討すべきポイントについてご紹介します。
導入方法のポイント|配膳ロボットを選ぶ際に
配膳ロボットを効果的に活用するには、製品選びだけでなく、現場環境や運用体制に適した導入プロセスを踏むことが重要です。ここでは、導入前に押さえておくべき検討ポイントを3つに分けてご紹介します。失敗のない導入に向けた参考にしてください。
現在のオペレーションを分析
配膳ロボットを導入する際は、まず店舗や施設の現在のオペレーションをしっかりと把握することが不可欠です。どの時間帯に人手が足りないか、配膳の動線がどこに集中しているかなどを分析することで、ロボット導入の効果が見込める業務を特定できます。
スタッフの業務負担や接客の質にどう影響するかも含めて考えると、最適な運用方法が見えてくるでしょう。導入後の運用ミスを防ぐためにも、事前の現場観察は欠かせません。
既存のシステムとの連携
配膳ロボットの効果を発揮するためには、既存のオーダーシステムやPOSレジなどとの連携を視野に入れることが重要です。システム連携により、料理の完成と同時に自動的にロボットが配膳を開始するようなスマートな運用が可能になります。
ただし、システム構築には追加コストや専門的な技術が求められる場合もあるため、ベンダーやSIerとの連携体制を確認しながら進める必要があるため、注意しましょう。運用負荷を軽減しながら効率化を図りたい場合には特に有効です。
サポートの体制
ロボットは長期運用を前提とするため、導入後の保守・メンテナンス体制も導入判断の重要なポイントです。国内拠点でのサポート有無、故障時の対応スピード、定期点検やリモート監視などの体制が整っているかどうかを事前に確認してください。
サポート内容によっては業務に支障が出るリスクもあるため、製品性能だけでなく「安心して使い続けられるか」という観点も大切です。特に初めて導入する企業では、手厚いアフターサポートが安心材料になります。
以上のような点を事前に整理しておくことで、配膳ロボット導入後のトラブルを防ぎ、スムーズな業務運用が可能になります。次に、価格面についての一般的な相場をご紹介します。
配膳ロボットの価格相場は?
配膳ロボットを導入する際には、製品そのものの価格だけでなく、導入・保守コストやレンタル費用まで含めて検討する必要があります。以下では、一般的な価格帯や費用構成について解説します。
配膳ロボットの本体価格は、おおよそ80万円〜250万円前後が一般的です。製品の性能や搭載センサーの種類、AI機能の有無により価格差が生じます。たとえば簡易的なモデルであれば100万円以下で購入できる一方、高機能モデルでは200万円を超えるケースもあります。
また、購入以外にもリースやレンタルといった導入方法があり、短期イベント向けに月額5万円〜10万円前後で利用できるプランも存在します。レンタルで試験導入した後に本格導入する企業も増えています。さらに、自治体によっては省人化やDX推進を目的とした補助金の対象になる場合もあるため、補助制度の確認もおすすめです。
導入後には保守・点検・アップデートなどのランニングコストも発生します。契約形態によっては月額で2万円〜5万円程度が必要になることもあります。これらを総合的に考慮し、自社の導入目的や予算と照らし合わせて最適なプランを選んでください。
次は、配膳ロボットが活躍する具体的なシーンや今後の可能性についてまとめます。
まとめ:配膳ロボットはレストランなどさまざまな場所で活躍中
現在では、レストランやホテル、介護施設、社員食堂など、さまざまな業種・業態で配膳ロボットの導入が進んでいます。省人化や接客の質向上といった効果が期待される一方で、導入にあたってはオペレーションの見直しやコストバランスの検討も重要です。
どのロボットが自社に合うのか分からない、導入の進め方に不安があるといった方は、ぜひ専門家に相談してみてください。ニーズに合った製品選定や導入支援を受けることで、失敗のないロボット活用が実現できるでしょう。導入をご検討中の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。